【初投稿】 散り桜 #1
【 プロローグ 】
「なあ?あぢぃよ、死にそうなんだけどよ、、これでアイスも4本目だぜ。」
「馬鹿だね。でも最近、暑すぎ、おかしいぐらい。毎年のようにニュースでさ、『今年の夏は例年以上の猛暑の夏となります。』とか言ってね?」
「まじ、それ。てか、暑すぎるだけじゃなく、暑いのが長すぎるんだよ。もはや、日本に夏と冬しか残らなくなるんじゃね?笑」
「冬って言ったって、雪降らねーし。くそだろ。おもしろくないわ。」
汗が垂れ流れる、猛暑日続きの8月の部活帰り、僕らはアイスを片手にそんな会話をしていた。隣にいるのは、僕の同級生の俊介。クラスは違うけど、幼稚園に通ってる頃からの幼馴染だ。
僕らは普段のように、15時に練習を切り上げて家路に向かっていた。
「お、じゃあ、次はお盆明けだな!焼けてる顔が楽しみだぜ!」
「おう!お前は、彼女と海だろ?ずるいわ。じゃあな!」
僕と俊介は、いつものように駅の改札口で別れを告げた。
そう、明日からは部活もお盆休みで、久しぶりに長期休暇。僕には、彼女はいなくて俊介を恨みたいけど、僕は僕で予定があった。1人で田舎の母方の実家に行かなきゃならなかった。まあ、目的はおこづ、、、。
20時、僕は羽田空港にいた。20:40発の新潟行きに搭乗し、飛ぶ予定だ。
国内線で飛ぶ距離も短いため、夕食を済ませようと思い、僕は空港内のラーメン屋で夜飯を食べて時間を潰した。
「まもなく、20:40発、新潟行き、搭乗手続きを開始致します。」
今は、20:20ほどだろうか、僕の乗る飛行機の搭乗案内アナウンスが鳴り響いた。
そして、同時に僕のスマートフォンに1通のメールが届いた。
【 1 僕の姿 】
[突然、ごめんな。俺だ。今、空見れるか?無理だったら、ニュース見てくれ。東京の空が、真っピンクだ。桜が舞っている。]
それは、親交のある警察のおじさんから届いたメールだった。
僕は、よく状況を掴めなかったがスマートフォンのワンセグ機能を開いた。
開くと、どのテレビ局も生中継で東京の空が映し出されていた。
その空は確かに、ピンクに染まっていた。
東京の空に…ピンク…。ピンク…。空に…ピンク…。
僕は、空から桜が舞い散るその状況に違和感を覚えた。
もちろん、夏に桜なんて…という単純な違和感ではない。何か、その現象は聞き覚えのあるものだった。
ああ、紹介が遅れたね。僕は、ただの中学生。では…ないのかな。まあ、そりゃそうだろう、警察庁のおじさんと親交を持っている中学生なんていないからね…。笑
僕は、ちょっとした、ほんとちょっとしたサイコパスなんだ。笑
そんな冗談は置いといて、僕は推理が好きなんだ!趣味とかではなく、世界で開かれる推理好きのコンテストでも優勝経験があるんだ。
そんなこともあって、警視庁の人から声をかけられて、たまにだけど事件の捜査に参加している。
ちなみに、僕がさっき何に違和感を感じたか伝えてあげよう。
(続く)