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勇者パーティーの料理番  作者: ゴン太
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第六話 クロ

今回もエルメア視点です。



食事を取り、体が回復したのを確認したのでここを立つことにした。お腹がいっぱいで動けないという食いしん坊魔術師を引きずり立たせドラゴンに話しかける。


「ほんとうにありがとう。おかげで助かったよ。おいしいご飯もごちそうさまでした」

『気にすることはない、それよりもう行くのか?』

「うん、あんまり長居をしても街の仲間に心配をかけちゃうからね」

『そうか』


少し寂しそうな表情を浮かべたドラゴンに思わず


「いったん街に戻ったらまた来るよ」


と声をかける。

少し驚いた表情を浮かべたドラゴンはすぐに優しげな笑みを浮かべて


『そうか、また来るといい』


と言った。

その言葉に私も微笑みを浮かべ、そう言えば名前を言ってなかったと気がつく。


「私はエルメア。あなたは?」


そう言うと隣から


「私はノイリーです!!」


と自信満々な表情で言い放った魔術師に苦笑いを浮かべながら、ドラゴンに顔を向けると困った顔をしながら答えた。


『私に名はないのだ。好きに呼んでくれ』


そう言われこちらも困ってしまった。名前が無いのは呼ぶときに困る。そう思い、ふと思いついた名前を口にした。


「クロはどうかな?」


真っ黒の見た目からそう言ってしまったが安直だっただろうか。思わずドラゴンの顔を見れば、なんだか嬉しそうな顔をしながら


『クロか、良い名だ』


と言った。

気に入ってもらえたようでよかった。隣の魔術師はそんな名前で良いのかという顔をしているが彼が気に入っているので良いだろう。では出発しようとしたところでクロに呼び止められた。


『少し待て』


そう言うと隣に置いてあった風呂敷に手を伸ばし色々と取り出してゆく。


『少しは水と食料があった方が良いだろう』


そう言って小さなリュックに色々と詰めて渡された。心配性なドラゴンに思わず笑いながらそのリュックを受け取る。


「ありがとう、また来るね」

『ああ』


そう言って私は帰路に着いたのだった。






クロに渡された小さなリュック

クロが風呂敷から取り出し、色々と詰め込んだリュック。中には水やクロお手製のサンドウィッチなどが詰められている。



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