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勇者パーティーの料理番  作者: ゴン太
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第三十九話 クロに怒り


『む、ケフォルか?』

「クロ、探したんだよ?ダメなんだよ、勝手にいなくなっちゃ、エルメアに怒られちゃうよ?」


そう言いながらケフォルが私に抱きついてきた。どうやら心配をかけたようだな。ケフォルの頭を撫でていると入口よりエルメアが入ってくるのが見えた。


「クロ!!ダメだよ勝手にどこか行ったら。心配したんだからね!!」

『すまんな』


仲間に会えて一安心しているとレインより声がかかった。


「そちらが〈勇者〉さん?」

『そうだ、エルメアだ、こっちがケフォルだ』

「はじめまして、私は冒険者のレイン・エクスポーズ、よろしく」

「私は今代〈勇者〉のエルメアです」

「ケフォルです!!」


そんな挨拶をしているとまたしても組合長がこちらにやってきた。


「無事に見つかって何よりだ。立ち話も何だろう、組合の一室を使ってくれ」


そういって案内された部屋で事情を説明し、エルメアがため息をつく。


「お手数をおかけして申し訳ございませんでした」

「いや、気にしないでくれ。あの勇者に恩を売れたとあれば安いもんだ」


そう笑いながら言い放った組合長はちらりとこちらを見てからすぐに視線を戻す。


「ほら、クロも謝るんだよ!!」

『すまなかったな』

「気にしなくていいよ、こっちも久々に楽しく過ごせたから」


そう言ってレインは嬉しそうにしてくれていたので安心した。よくよく考えれば今回は迷子になって周りに迷惑をかけただけなので、全く反省の余地しかないのだ。知らない場所に行ったからといってはしゃぎすぎたのだ。これではケフォルと同じレベルではないか。今後は気を付けようと決心をした。


冒険者組合を後にした私たちは街を出て野営地に向かっていた。本当は市場で食材の買い物をしたかったのだが、私の迷子騒動のせいで時間が無くなったので後日ということになった。街に泊まるという選択肢もあったのだが、人の姿のまま眠った事がなかったのでそれを試してからでないといけないだろう。


「で、どうしてレインさんも一緒に?」

「クロさんがお礼も兼ねて料理を作ってくれるって言ったから」

『そうだったな』

「料理って…大丈夫なの?」

『ああ、レインは私の元の姿を知っているからな』


そう言うと驚きの表情を浮かべたエルメアに森で会った事を説明すると驚いた表情のまま頷いていた。確かに私の姿を知っていて付き合おうなどというモノ好きは少ないだろうからな。


こうして私の初めての人間の街めぐりは無事に終わったのであった。



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