表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛する人は桜色に  作者: Halka
愛する人は桜色に
4/36

記憶の中の夢

ふと、気になることがある。


叔母さんたちは僕の両親のもの、写真など、すべてを処分した、と言った。

一般家庭で、家族が突然いなくなった時、その家族の私物を勝手に捨てるだろうか。そもそも家族が突然いなくなることなんてあるのか。

部屋をそのままに、何も捨てずに残して、いつか帰ってくるのを待つ。そんな人が多いという研究結果を、この前テレビで誰かが言っていた。

では叔母さんは、帰ってきてほしくなかったのか。それとも、帰ってこないことがわかっていたのか。

それとも、まだ捨てていないのか。

やはり、叔母さんは理由を知っている。いきなり両親が僕の元から消え、僕が叔母さんの家で育つことになった原因を。


夕飯を食べ終わって、部屋でそんなことを考えていると、いつの間にか、椅子に座ったまま寝てしまっていた。

ふと寒気を感じて起き上がると、ずるりと落ちたのは、コート。帰ってきた時にベッドの上に放っておいたこれが、なぜ僕を覆っているのか。

なんて、考えなくてもわかるじゃないか。

叔母さんが風邪をひかないようにかけてくれたに決まっている。

勝手に部屋に入ってくるな、と言いたいが、ふと時計を見て気づいた。部屋に入ってきた時から、50分ほどが経過している。このコートがなければ、凍え死んでいたはず。

一度起きたのに眠気はそのままなので、コートをハンガーにかけてから今度はベッドに入った。


お母さんの顔、見てみたいな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ