いとも容易く行われるえげつない勝ち方
モンハン買ったんですけど、一から片手剣スタートしようとして時間かかるわ進まないわでヘタで飽きたので投稿です。
サクサク進む簡単なゲームに慣れすぎてつらい
西門に近づいた途端、何やら門の付近から喧騒が。なんだぁ?喧嘩かぁ?
「だーかーらー!ゲームなんだからいいじゃねぇか!素材取れるかもしれねぇんだからよォ!」
「そうだな。これはゲームだな。楽しみ方は人それぞれだろうよ。」
「なら!」
「そうさ。これは単なる俺のワガママ。これが俺の楽しみ方なんだ。譲れねぇよ。」
「あぁもうめんどクセェ!どっちも折れねぇならPvPで決めんぞ!」
「ルールは?」
「スキルありアイテムなしのHP尽きた方の負け!」
「いいだろう。」
遠くから眺めていたらあれよあれよとPvPが決まっていた。ほんと、何があったんだ?
「なぁ、そこの兄ちゃんや。一体なにがあったんだ?」
「んぁ?あぁ、パーティー内の諍いさ。俺は倫理的にも、優しい盾の兄ちゃんに勝ってもらいてぇけどなー」
「何があって喧嘩してんだ?」
「なんでも、森の中で子供を守って怪我を負っていた親熊に遭遇したのが事の発端だそうだ。あのイカつい兄ちゃんと2,3人がチャンスだと言って狩ろうとしたんだが、可哀想だと言って盾の兄ちゃんが本気で止めたそうだ。」
盾の人の好感度爆上げ。
「んー、森の中の話なんだろ?どうして門の付近で言い争ってんだ?」
「あぁ、門まで戻ってきたところで子熊だけ付いてきてたらしいんだ。親熊もいないからって狩ろうとしてるんだとさ。」
「……なんでみんな見ているだけなんだ…?」
「おっと、怒るなよ。ギャラリーがこんだけ集まってんだ。アイツらのプレイスタイルが嫌いな奴だって大勢いるだろうよ。
そんな人が掲示板なんかにひっそり載せて、他のプレイヤーから疎まれるよう何かするのさ。
それに、盾の兄ちゃんがカッコつけてんだ。男なら黙って見守るものさ。」
「確かにここで出て行ったら兄ちゃんに恥かかせちまうな。」
「おっ、嬢ちゃんよく分かってんじゃねーの!」
「俺は男だっつーの…」
「おいおい、なんか雲行きが怪しくねぇか…?見てみろよ」
言葉を遮られしまったが、言われた通り目を凝らす
「盾の兄ちゃん1人に対して、相手が3人!?」
「人数は指定しなかったもんなァ!文句はねぇよなァ!?」
「…チッ」
「あー、兄ちゃん。ちょっと俺我慢できそうにないかも。」
「はぁ!?お、おい!流石に1人じゃ無理だって……」
カッとなって前に飛び出してしまう。
あー、姉さんに後から言われそうだな…
「あァ?なんだ?可愛らしい嬢ちゃん。これはパーティー内の問題だ。口出すんじゃねーよ?」
「うるせぇゴミクズ共。」
「……は?」
「小さな動物一匹殺そうとしたり、そのためにプレイヤー1人を3人で囲ったりと行動がだせぇよ。」
「…なんだと?」
「人間としての道徳が足りてないんじゃない?小学校からやり直したら?」
「もういっぺん言ってみろやガキが…!」
「弱いものいじめて悦に浸ってんのがカッコ悪いつってんだよ!」
「上等だ!ブッ殺してやるクソアマァ!」
【プレイヤーネーム『ギングス』からPvPを申し込まれました。】
【承諾しますか? はい/いいえ】
えーと、一旦整理しよう。3対1までして子熊を狩ろうとしてるのが許せなくて思わず飛び出したんだ。
そのあと思いの丈を思いっきりぶつけたんだが、矛先が俺に向いてPvPの対象が俺になってしまった。
…んー、絶対絶命?ほら盾の兄ちゃんもポカーンとしちゃってるよ?
ヤバいよ…水魔法しかできねぇってのに…
ゲッコウ出すのは卑怯だし……やるしかねぇのか…
「どうした?怖いのか?」
「上等じゃあ!返り討ちにしてくれる!」
【了承しました。】
【30秒後にスタートします。】
ああああああもうやるしかねぇえええ!!
覚悟決めろ俺!
よし、相手の確認しよう。
めちゃくちゃキレてるのが盗賊。
困惑気味なのが隣の剣士。多分良い人
後ろでニヤついてるのが魔法使い。コイツ狙おう。
嗚呼10秒前だ
「薄っぺらい魔法使いが俺らに勝てると思うなよ」
「初PvPのレベル8の魔法使いの本気見せてやるよ」
3,2,1,START!!
一瞬相手が呆けたぞ?気を抜いていいのかな?
「んじゃ『ウォーター』!」
イメージはしなる鞭!魔力多めで粘性が高くなれ!
「うぉっ!」
「なっ!?」
後ろの魔法使いを狙った鞭は、上手く剣士を巻き込んだ。
「危ねぇなぁオイ!」
ヤッベ!盗賊脚速い!
後ろに飛びつつ片手を向けてウォーターボールを放つ。球を押しつぶし面のようにして盗賊へ飛ばす。
驚きながらも下がって避けつつナイフを投擲するあたり流石だな。
飛んできた二本のナイフは鞭で手繰り寄せた2人を盾にする。
「ぐぁ!」
うん。顔に向けて投げてきたせいか、魔法使いの頭に2本とも刺さり、魔法使いはポリゴンとなった。
耐久が紙なのか、ヘッドショット有効なのか。
「よくもやりやがったなてめぇ!」
ひゃー!すぐ近寄ってくる盗賊コワイ!
足を止めるために、地面にウォーターをぶちまける。
もちろん鞭並の粘性さ。剣士が必死にもがいているが、抜け出せていないのが何より信用できる。
「クソが!」
そういやナイフもってるよなコイツ。剣士を盾にして近づく
どうして近づくかって?
そりゃ勿論
「とどめを刺すためさ。『ウォーター』」
盗賊と剣士を包むようにして水で覆う。攻撃のない俺が勝つにはこうするしかないからな。
窒息ダメージ。
あるか分からなかったけど、2人とも首掴んで苦しそうだし効果あったみたい。
YOU WIN!!
【PvPを終了します。】
ログが流れたあと、先程の3人が光に包まれて出現した。
周り唖然、僕も呆然
俺がギャラリーに近寄ろうと一歩踏み出すと、みんなも一歩下がる。
すごいざわざわしてるけど、「えぐい」「あれはトラウマになる」「もはや悪魔」なんて言葉が聞こえる。
だから唖然としてるのか……泣きそう……
勝ったはいいけど、こういうのって逆怨みされてPKに狙われるってテンプレートあるよな?GMコールするほどの悪事でもないし…ギャラリーからの声も合わさって、不安で吐き気してきた…
足元に擦り寄ってくる子熊ちゃんが唯一安らぎをくれる…可愛い……
「…おい」
「ひぃいいいい!!」
殺される!怨まれるぅうううう!!
「勝っておいてなんだそりゃ…てめぇの勝ちだ。悪かったな、引くに引けなくてよォ…」
「い、いえ!大丈夫です!謝れるなんて立派な人間です!コチラこそすみません!カッとなってあんなことを…」
「あぁもう気にしねぇからお前も気にすんな!恥ずかしいから行くぞ!じゃあな!」
「は、はい!さよなら!」
そう言って街に消えてくギングスさんたち。実は良い人みたいだったし、ネットで叩かれていないといいけどなぁ…
「すまん嬢ちゃん!俺の代わりなっちまって!」
「そんな、気にしないでください!ただ熊を守りたかっただけですって!」
「いい子だなぁ…俺はトータだ。名前教えてくれるか?」
「キーチです」
そう言って握手をする。
「熊、良いですよね…」
「わかるか…」
美味い酒が呑めそうだ。
さっきから足を引っ掻いて抱っこをせがんでいた子熊を抱き上げる。
むふーってして可愛い!
「えぇと、この子どうします?」
「親のところへ返しにいくよ。」
「親怪我してるんでしたっけ?」
「そうだな。それと、別に敬語じゃなくていいぞ?」
「あ、ほんと?じゃあお言葉に甘えて。薬師だからポーションやるよ。」
「いいのか?いくらだ?」
「動物助けるためだしいらないよ。どこの森にいるんだ?」
「東の森さ。」
「ん?なんで西門にいるんだ?」
「森からの帰るとき、南も見てみたいってことで回ってきたんだ。」
さっきの3人とは臨時パーティーだったようで。だから諍いが起きたらしい。
「東の森に行くなら俺もいくよ。用事あるしね。」
「そっか。何時から行くか?」
「じゃあ19時くらいに集合しようぜ」
「おっけー。フレンド登録しといてくれよ」
ゲーム内で出会った人と初めてフレンド登録したな。
「んじゃ夜からなー」
「おーう」
この後姉さんにめちゃくちゃ心配されたのは言うまでもないな?
今回少し長いし文章おかしい気がしてきたので書き換える可能性
戦闘表現向いてないので大人しくモフモフしよ…




