家族が少し過激です。
にゃーん。(忙しさや辛いことがあったりでメンタルガリガリ削られていたんですけど、多少マシになってきたので投稿です。ようやく話が思い浮かびました。)
色んな依頼が貼られてるな。
真っ白な紙も貼られていて、こういうのは多分ギルドのランク?みたいなのを上げると受けられるやつかな。
ゴブリン退治とか猫探しとか、いいじゃんこういうの。異世界っぽさ出てるね。
気になったのが、鉄鉱石集めの依頼なんだが、これの依頼主の名前の後ろに「(プレイヤー)」って付いてるんだよ。
これこそ受付嬢に頼むやつかな。
生産オンリーのプレイヤーだとちょっと離れたところは難しいのかな。薬師なら街の近くで薬草取れるけど、鍛冶師だと鉄を掘りに行かなきゃならないだろうからな。鉱山はあるのかしら
なーんかよさげな討伐依頼ないかなー……
ん?
んん?
「はろーはろーミコトさんちょっといいかね」
『ボイスチャットでどうしたの?』
フレンド欄からミコトを見つけてボイスチャットを試してみた
周りには声は届かないっぽい?
「えまーじぇんしーです。今ギルドで掲示板見てるんですが、気になる依頼を見かけましてね」
『何があったのよ』
「タイトルが『弟を捜しています!』」
『ほうほう』
「内容が『このゲームを予約できてよろこんでいた弟が、ゲーム内で見つかりません!街中隈無く探してもいませんでした。きぃちゃんどこへ行っちゃったの!?』と、こんな感じ」
『あー、なるほどね。あのお姉さんならやりそうね。』
「まさか姉さんもゲーム始めてるとは思わなかったし伝えてなかったわ。」
『多分サプライズで驚かせたかったんじゃない?』
「ありえるな…」
俺には姉と妹がいる。
葵姉さん。社会人で一人暮らしをしている。
成績優秀でとても優しいお姉さんだ。
ただちょっと家族が好き過ぎるんですよ…
毎日実家に帰ろうとしたり、帰れないと代わりに毎日ビデオ通話してきたり。
そして妹の茜。大学に通うため、一人暮らししている姉のところで暮らしてる。
元気すぎるが、兄を慕ってくれるいい子なんです…
姉さんと一緒に暮らすようになったので、姉さんは実家に帰るのが毎日から毎週に減りました。減ったんだよ。
「多分茜がゲームに誘ったんだと思う。」
『そう言えば茜ちゃんゲーム好きよね。驚かせたくてハードのフレンドコード交換してないからメールできないのか』
「この依頼どうしよう?」
『受けるなら一緒に行ってあげるわよ』
「おうありがとう。じゃあ早速ギルドに来てくれるか?
さっきから銀髪ロングの綺麗なお姉さんがコッチをガン見してきてるんだ……」
『あー、うん。ちょっと急いで向かうわね』
「ありがとう…近づかれて纒わり付かれて匂い嗅がれてます……はやく助けて…」
『お姉さん何してんのwww』
「『うーんきぃちゃんの匂いがするけどこの女は一体……ハッ!?まさかきぃちゃんはこの女に監禁されてる!?だから見つからないのね!?あんなことやこんなことされてるに違いない!羨ま……んん、けしからん!!』
こんなことをブツブツ呟いていて怖い……」
「急ぎますww」
姉さん…俺は姉さんの将来のが心配だよ……
姉の愛で弟は潰れそうです。
----------------------------------------------------------
しばらく耐えているとミコトが来た。
「はーい葵さん。そこまでで。」
「あら?もしかして美琴ちゃん!随分可愛らしい耳ねぇ…」
「耳を弄るのはそこまでにして、ここではなんて呼べばいいですか?」
「ここじゃ『アリア』よ。美琴ちゃんは?」
「私は『ミコト』です。茜ちゃんはやってます?」
「ええ。一緒にやってるわ。今はフィールド出ちゃってるけど。名前は『もみじ』ね。」
俺のことは放っておいて盛り上がってる。
「アリアさん、キーチを探しているんでしたっけ?」
「そうよ、そうなのよ!そこの女からきぃちゃんの匂いがするの!あなた!きぃちゃんをどこへやったの!?」
「く、くびがしまってる……」
胸ぐら掴まれてます。あの、ちょっと浮いてません?地面に足が着いてないんですが?
「ちょっとアリアさん!落ち着いて!?」
「離してミコトちゃん!そいつ殺せない!」
「ヒィイイイイ!?」
ミコトが必死になって姉さんを羽交い締めしている。
「女ですけど、そいつキーチですって!」
「嘘よ!可愛いけどきぃちゃんが女になるはずがないもの!」
「キーチ!ギルドカードでもステータスでも見せなさい!」
あまりの剣幕に震えながらもギルドカードを開示する。名前だけで信じてくれるかな…?
「ほんとう……きぃちゃんだわ…で、でも名前が同じってだけかもしれないじゃない!」
「毎週実家に帰ってくるほど家族が大好きな姉さんが弟を疑うのか!?」
「はっ!?」
感情に訴えかける!
「涙目で上目遣いの可愛いさ……間違いない。きぃちゃんね」
「信じてもらえましたか?」
「えぇ。認めざるを得ないわ……私なんてことを!きぃちゃんを疑ったうえに殺そうとするなんて!
もう…死んで詫びるしか……」
「わー!ちょっと姉さんやめて!気にしてない!気にしてないから!」
このあと宥めるのに時間がかかりました。
----------------------------------------------------------
フレンド登録をしつつ俺が女の子になった経緯を話す。
驚いていたが、「可愛いから大丈夫!」とのこと。よく分かんないけどいっか。
「けど心配ね…こんだけ可愛いといつ襲われてひどい目にあわされるか……」
「姉さんは心配性だなぁ。何も起きないよ」
「…ミコトちゃん。きぃちゃんを頼んだわよ。」
「えぇわかってます。」
ひそひそ話してるけどなんだろね。大丈夫だと思うのにな。
「茜…じゃなくて、もみじにも説明しておいてね?」
「えぇ。メールで先に説明しておいたわ。もうすぐ着くそうよ。」
「着くってどこに…」
話してる途中で背中に鈍い衝撃が。寝ていたゲッコウが落下してしまったので慌ててキャッチ。
「お兄ちゃん!!いやお姉ちゃん!?嘘!?私よりも可愛くない!?」
「おう、もみじ、兄ちゃんだ。不意打ちが苦しいぞ。それと、私よりも可愛いってなんだ。もみじのが可愛いに決まってるだろ?」
慕ってくれるうちの妹可愛い。異論は認めぬ。
「お姉ちゃんが2人になっちゃったし、アリアねぇとキーチねぇだね!」
「三人姉妹ね!!」
「3人とも可愛くて私がつらい。」
「俺が可愛いとか言い過ぎじゃねーの」
金髪狐可愛いミコト。おっとり美人エルフの姉さん。茶髪で元気可愛い人間の妹。
あー、こりゃ男のままだったら晒し上げられて袋叩きされてたな。
……女で良かったとちょっと思いました。
現実逃避としての内容が思い浮かんだら投稿します。
熊、欲しくない?




