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そろそろゲームが始まります

「おっす美琴(みこと)!はいこれプレゼント。誕生日近かったよな?予約できなかったとか言ってたしちょうどいいと思って。」

「おはよう貴一(きいち)、ってアンタそれどうしたのよ!確かに誕生日近かったけど、アンタと一緒にできないなら貰っても困るんだけど!?」

「落ち着けって。大丈夫だから。」

「何が大丈夫なのよ!」


「いや、前に抽選に応募してたろ?それに当たったんだよ。んで、自分のは既に予約してたし2台あっても仕方ないなって思ってた時にお前を思い出してな。」

「はー…アンタすごい運してるわね…それで私もできるようになったし良かったんだけど。まぁ、ありがと。とっても嬉しいわ」


 そう言ってハニカミながら受け取る美琴。よかった、喜んでくれて。



「それで今お昼だけど、アンタはこれからどうするの?」

「帰ったらキャラメイクして、夕方から始めるかな。今日発売日で人多いだろうけど夕方からなら落ち着いてるだろうと予想してね。」

「なら、お昼ご飯食べに家あがりなさいよ。今から作るんだけどよかったらどうかしら?」

「お!ならお言葉に甘えようかな。コタローもふらずに帰るのも寂しいと思ってたしなー。」

「はいはい。さっさと作ってくるからリビングで待ってなさい?」

「ほーい」


 美琴の作った炒飯はめちゃくちゃ美味かったと記しておこう。



「そういえばさ、あのゲームの謳い文句だし、アンタは何か叶えたい夢でもあるの?」

「そりゃもちろん。男なら誰しも一度は考えただろうことを叶えてみせるぜ」

「へぇ。アンタもやっぱ冒険者に憧れたりしたんだ。」

「いや違うけど?」

「は?え、なら何なのよ」


「動物園を作ること!ふれあいパークみたいなのを作りたい!」


「男なら誰しもって言った割に可愛いすぎる夢じゃない!」

「バカ野郎!俺はその夢に命かけてんだ!やってやるからな!」

「私も応援するわよ。最高じゃない。そのパーク。」

「美琴は叶えたいものとかないのか?」

「私?私はー、そうねぇ…食材探して美味しいものを作りたい、かな」



 やりたいこと話したりお昼食べたりコタロー分補給したりで元気になった俺は帰宅し、時間もいい具合なので早速キャラメイクに取り掛かる。

 ヘッドセットつけて、ベッドで横になって、電源付けてっと、


『Hello』

「うおっ!ビックりした!」


 目を開けると真っ白な空間にいた。よくある転生ものとか異世界召喚ものみたいな始まりだな。電脳世界に行くわけだしあながち間違いでもないか。

 んで目の前に見知らぬアンドロイドちゃんが立っている。ナビゲーターキャラだな。


『本体をスキャンしています……完了しました。キャラクターのベースにしますか?』

「はい」


 おっ、目の前に自分が現れたぞ。なんか変な感じだ。

 右手の前にパネルが出てきてるしこれを操作すればいいんだな?


「背丈は2mくらいで…格ゲーのキャラ並にゴツくするには…お、いいんじゃないか?よし、髪色は…金髪にするか。髪型はオールバックで!瞳はまぁ青色にしてみるか。えぇとこれで完了、っと」


 このキャラの設定として、「大型動物は拳で語り合い、小動物は身を呈して守り抜き、怪我を癒せるように薬草の知識をもった武闘家」ってのを頭において作ってみた。なかなか満足のいく出来になったぜ。



『次にあなたの名前を教えてください』

「えと、まぁ無難に『キーチ』っと。」

『確認します。「キーチ」様でよろしかったですね?』

「はい」

『登録が完了しました。メイキングを終了します』


『お疲れ様でした。冒険者になりたければ訓練所へ、なりたかった職をするにはハローワークへ。

 どちらを選択してもチュートリアル後にスキルの選択ができます。

 また、片方を選んだ後もう片方のチュートリアルも行うこともできますが、スキル選択は任意で選ぶことができます。』


 冒険者としてスキルを選んだ後でも、ハロワで職に目覚めたら、冒険者のスキルを捨てて1から選べるのか。俺は冒険者に決めてるけどな。



『プレゼントコードをお持ちの方はここで入力できます。』


 おぉ、キーボードが出てきた。…これでよしっと!



『登録しました。それでは』


『Welcome to new World!!』



 ナビゲーターちゃんが笑って新たな世界への門出を祝福してくれる。


 そして視界が白で塗りつぶされた。

















































 ただ、


 最後の笑みが、


 悪戯の成功した子供のような笑みだったことが、



 ひどく脳裏に焼き付いていた。


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