釣って釣られて脅されて。
??「話薄くて短いくせにおせぇんだよ!」
ぼく「ごめんなさい…殴らないで…」
ミコトにリルちゃんを預けた次の日(終始デレデレだったミコトさん)。今日は朝からのログインです。
予定が合ったので今日もミコトとゲームするんだけど、リア友と待ち合わせしてるらしい。俺?友達呼ぶとか思いつかなかったよ?いや友達くらいいるし!馬鹿にすんなし!
「俺とも知り合いらしいけど、その人に俺がいること言ってる?」
「いや、サプライズにしようかなって。面白そうだし。」
他愛もない雑談しながら相手を待つ噴水広場。今日も大勢の人で賑わってるな。てかもう屋台立ってるし。プレイヤーかな?
「おーい!ミコトちゃん、で合ってるよね?」
「ミコトで会ってるわよ」
奥から赤髪が走ってきた。もう鉄の鎧着てるしすげぇな。
誰だこの高身長イケメン、って!
「(なぁミコト。こいつ隆之か?)」
「(そうよ。メールしたら暇そうだったから誘ったの)」
俺らの幼馴染の東隆之。ゲーム好きだしそりゃこのゲーム買ってるよな。
んでその隆之くん。チラチラこちらを見てきます。そんなに気になるなら自分から話切り出せばいいのにね?
そんな隆之の様子を見たミコトは何か思いついてニヤリと笑った。
「(ねぇキーチ?ちょっとアイツを釣ってみない?)」
「(どうやって?)」
「(どうって、アンタ今は美少女じゃない。忘れてんじゃないわよ。)」
そういえばキャラクターは美少女らしいです…だからチラチラ見てたのか?
「(でも流石に恥ずかしいんだが…)」
「(リルモフモフ券)」
「あのぅ、初めましてぇ♪『きぃ』って言いまぁ〜す♪」
「(ちょwwキーチww本気出しすぎwww)」
はっ!?条件反射のように了承してしまった!
上目遣いで科を作って偽の自己紹介すると、隆之は軽く顔を赤く染めやがった!やめろ!こっちが恥ずかしくなるわ!!
「お、俺は『タカ』だ。盾をやってる。よ、よろしく」
そう言って握手しようと前に進む。
やめ時はいつかな?なんて思ったら、突然背中に氷を入れられたように震えた
「何兄さんに色目使ってんだ雌豚…」
しまった!忘れていた!あいつには病みかけてる妹がいたことを!
ゲーム内でのこの殺気。ゲッコウさんですら『いつの間に…』と言わしめるほどのステルス性。この子のスペックおかしいんじゃないか?
恨むぞミコトぉ……!
「マユリ!?俺は今日友達とプレイするって伝えたはずじゃ…」
「えぇ。伝えられましたが、どうせ兄さんは目に付いた女性をナンパするだろうと思い、相手に迷惑がかからないよう跡をつけてきたのです。実際にほら、ナンパしようとしましたね?」
そう言って視線をこちらに向けるマユリちゃん。はは。目のハイライト消えてやがる…敵意が怖い…
「あー、マユリちゃん?ごめんね、そいつキーチ。ちょっと悪戯しようと思ってタカを騙してみたの…」
「はぁ!?キーチだとぉおお!!??」
「えぇ!?キーチさん!??」
兄妹揃って同じような反応してるな。
「ごめんなさい。ミコトに唆されました。キーチです。よろしく…」
まだ呆気に取られてるよ…
「こちらこそごめんなさい。いつも兄さんがナンパしたりして勘違いしてしまう女の人が多くって…」
確かに十人が十人振り返るイケメンだもんな……
言い寄ろうとした女の子はいつもマユリちゃんのあの視線を受けているのか…トラウマになるよな…
「なんで俺には彼女ができないんだろうな…」
「性格じゃない?」
「兄さんには私がいますよ…?」
彼女が出来ない理由の半分は妹さんでしょうね!
「あー、そんで今日は何やるんだ?」
話が進まないので切り出す
「そうね…私はリルのレベル上げがてら素材でも集めようかと思ってたわ」
「アォン!」
「俺はレベルとスキル上げかな」
「私は兄さんが行く所へ。」
「あーうん。それじゃ北のフィールド進んでみないか?」
「いいわよ」
「おっけー」
「分かりました」
みんな武器はもったな!行くぞォ!!
新しい素材あるといいなぁ…
ヤンデレ妹がただ見たかっただけで、妹さん出したのを少し後悔。これからの話に食い込める自信ないよ。
書き直しで消えたらそのときはその時。