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 ラーシャ様の居た部屋から西側へ伸びた廊下をひたすら真っ直ぐ突き進み、突き当たりを今度は東側へ、途中階段があるのですが、そこを少し通り過ぎると西側へと伸びる渡り廊下が御座います。

 渡り廊下を通らず真っ直ぐ行くと、王子王女殿下達のお勉強部屋。

 国王陛下や王妃様の執務室は渡り廊下を渡ったかなり先にあるのですが…御説明させていただいただけでも道のりは長いとお分かりいただけますよね?


 大人の足で歩いて15分ほどかかります。そこを、まだ歩き始めたばかりの子供が休み休みではあれど向かうのです。2時間ほどはかかりますかねぇ。

 それ程長いのであれば、侍女や乳母が気づくだろうと思われますでしょう。

 ですが、ここは王宮。廊下には子供であれば隠れんぼ出来る位、様々な物が品よく置かれております。


 ラーシャ様が部屋を出られてから5分位になりますか、壁に手をつきながらもよちよちヨロヨロ歩いておられましたが、なんと目の前に第一の休憩ポイントがやって参りました。


 廊下に置いてある、大きな花瓶。

 通る者を癒すようにと、王宮内の至る所に花は飾られているのですが、中にはこの花瓶の様に大きな物も沢山ございます。

 花瓶は廊下に直置きされず、少し低めの台の上にあるのです。そう、台!!

 ラーシャ様はその台の下に潜り込まれ、床にべったり座られております。

 大人であれば、膝くらいの高さしかない台の下が休憩ポイントなのでございます。

 上に乗っている花瓶は上が膨らんでおり、したに下がるほど細くなっているタイプの物。

 台の大きさは花瓶の底より少し大きめになっており、大人の目線では台の存在があまり気にならないようになっているのです。


 探しなれている乳母や侍女は兎も角、王宮警護で巡回している兵士達には気付かれません。

 故に、ラーシャ様付きの乳母や侍女達の耳に目撃情報が入ることが無いのです。

 そんなある意味穴場な休憩ポイントは、執務室迄の道のりに沢山あり、脱走回数に応じて新たに見つけられた場所で休まれることもあるが為に、ラーシャ様探しは中々に労力のいる仕事になっております。

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