1
御歳1歳になられます、ルクアディーダ王国第三王女のラーシャルーラ様の冒険記にございます。
最近やっと歩けるようになられたラーシャ様は、目を離すとすぐに何処かに行かれてしまいます。
そう遠くにはまだまだ行けないのですが、何分体がまだ小さいので大人では気付くことのできない隙間やら物陰やらに隠れてしまわれるのです。
そんなラーシャ様が大冒険されたある日の出来事をご紹介致しましょう。
申し遅れました、わたくしは王妃様よりラーシャ様の護衛になるようにとつけられたグルーバーと申します。以後お見知りおきを。
―――――――――――
5日前
今朝も、乳母が起こしに来る前には既にわたくしと遊ばれておりましたラーシャ様を乳母が抱き上げてお着替えに連れていかれました。
わたくしも仕事の準備をすべく、いつもの場所へと向かいました。
部屋に戻ると着替えを終えられて、乳母に朝食を食べさせてもらっているラーシャ様が居らっしゃいました。
いつもであれば、王妃様の元に行かれて一緒に食事を摂られるのですが、昨日からご政務の関係で国王陛下共々、第一王子が婿に行かれた隣国に行かれており、明後日までお戻りになられません。
王子王女殿下は先に朝食を済ませ、今は勉学に励んでいらっしゃる時間。
さて今日はどの様にして、ラーシャ様と過ごそうかと考えながらラーシャ様のお食事が終わるのを扉の近くで待っておりました。