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転章5 今度こそ!!

「おいおい、また来たぜ。」

何日にも渡りレオンに稽古を付けてもらった俺は再び例の石を手に入れるために試験の洞窟にやってきていた。前と同じようにカシウス含めた数人がまた洞窟の前に立っている。前と違うのは・・・・

「おいおい、ラッセル君。君は弱いのは知っていたけど頭まで悪いとは思わなかった。」

当然のことながら俺を見下してくるのはカシウスだ。

いつもなら売り言葉に買い言葉で何か言い返したかもしれない。でも今は何だかものすごく落ち着いていて簡単に受け流すことが出来る。ビックフォーの一人レオンに教えを受けた俺は少なからず自信がついた・・・・ような気がする。実際教わったと言っても数日だけ見てもらっただけなんだが。まぁこういうのは気の持ちようだろう。

「なんとか言ったらどうなんだい?いつもの様にキャンキャン騒ぐのが負け犬の君にはお似合いだよ。」

「・・・・カシウス、お前こんなに弱そうなやつだったんだな。なんで今までムキになってたのか自分でも分からないな。」

「なんだと、貴様!」

・・・・・思いっきり挑発だ。正直カシウスがいつも以上に弱く見えるって事はない。

『いいか、まずお前に言っとくことがある。お前に自分から向かっていくスタイルは合ってない。』

『って言ったってそんな都合よく相手が攻めてくれるわけじぇねぇじゃん。』

『そりゃそうだが、そこで自分で攻めに転じるようじゃ結局相手に呑まれてる様なもんなんだよ。お前の場合は相手を挑発ぐらいするのが丁度いいんだよ。』

なんてレオンに言われたもんだからやってはみたもの本当に成功なのかよ?・・・・・・

「戦士科最弱の野郎が何言ってやがる!またベッド送りにしてやるよ、ラッセル。」

幸か不幸か作戦は大成功でカシウスに青い癇癪筋が走るのを感じる。

静かに模擬剣を構えカシウスが打って出てくるのを待った。

激昂したカシウスは俺に向かい大振りの攻撃を仕掛けてきた。思えばこれが今まで俺の姿だったんだな。プラスして言うなら俺の場合は激昂のせいで視野が狭まり周りがよく見えず攻撃も単調なものになりやすい。これもレオンに修行している時指摘されたことだ。ただ、カシウスが俺と違うのは・・・

「っ!」

その速さと攻撃力は間違いなく俺以上。おかげで単調な攻撃にも関わらずカウンターを叩き込む隙を見つけれずにいる。

「・・・・・ふぅ、どういう変化かは知らないが、だいぶちょろちょろ逃げるのが上手いじゃないか。」

そうこうしている内にカシウスの頭は冷めてしまったようだ。

「おいおい、カシウス何トロトロやってるんだよ。」

「もう三人でやっちまいましょうよ。」

予想以上に時間がかかっているから取り巻きまで参加し始めてしまって状況としては最悪。

段々と追い詰められそして・・・・

「しまった!」

取り巻きの一人に持っていた模擬剣を吹き飛ばされた。その瞬間にカシウスは俺に向かって突きを繰り出した。

「今回は良くやったと褒めてやるよ。もう寝ろ、ラッセル」

その瞬間俺の頭の中で一つのデジャブが思い浮かんだ。アイドル科のクラス塔へ初めて行った時のあの光景が・・・・

「・・・・・・!」

奴はどこだ?・・・・・

殴る瞬間にカシウスの視界からラッセルが消えカシウスの頭には混乱が生じた。ラッセルが屈んだことに気付いたのはそのすぐ後、まさに刹那のこと。

「(・・・・あの構えは・・・・・肘打ち!)」

来る攻撃が確認出来てももう勢いのついた体を止めることも出来ない。一度肘が腹部に辺り、その刹那ラッセルの呼気と共にすごい衝撃が襲った。

ドッ!ドンッ!ズザサッー!!

吹き飛んだカシウスは二度地面から跳ね地面に線を作った。

「「「カ、カシウスさーーん!」」」  「「「カシウス!」」」

何が起きたのか理解できなかったカシウスの仲間二人は少し遅れてカシウスに駆け寄った。

カシウスは知らないだろうが、それはレオンが使っていたそれそのものだった。レオンはラッセルに近接格闘の素質もあると感じ自分の技を一つ教えていたのだ。

「ふぅ・・・・じゃあ悪いが通してもらうぞ。」

ラッセルの行く手を阻む人間はいなかった。

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