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転章4 俺に修行をつけてくれ



「ハァ・・・ハァ・・・」

全く何度歩いてもこの距離には慣れない。俺は今わざわざアイドル科への長い道のり走っている。強くなる為にある方法を見つけた、というより他に思いつかなかった。

アイドル科の前に来ると前回の様に光の柱が出現した。

「・・・・・おい、お前は許可証をもらってるよな。許可証忘れたのかよ?だったら手続きで済むからとっとと・・・・・」

「違う!あんたに会いに来たんだ。」

「はっ?」

そう、強くなる為に見つけた方法とは強い人間に修行をしてもらうこと。俺が出会った中で一番強い奴といえばビックフォーの一人、グラップルマスターのレオン。こいつしか思い浮かばなかった。

「なんで俺がそんな面倒くせぇことなんかしなきゃいけないんだよ。とっとと帰れ。」

俺の話を聞いたレオンは門前払いだと手を振り断った。

「いいのか?俺は許可証もらったけど今日は持ってきてもいないし名前も書く気はない。あんたが止めないのなら俺はアイドル科に無断侵入しちゃうぜ?」

「なっ!?」

口下手の俺にしてはなかなか気の利いたはったりではないだろうか。んじゃと手をかざしながらレオンの横を通り過ぎたものの実際にはアイドル科に入る用事も度胸もない。ここで止めてくれなきゃこの先どうしたらいいかわからない。そんなことを考えていると横から風を切る音が聞こえた。予想通りと内心ほくそ笑んだのも束の間その速さは予想以上だった。

ある程度予想していたからこそガードが間に合い前の様に気絶こそしなかったもののレオンの飛び蹴りを受け止めた俺は大きく吹き飛ばされることになった。

「お前何か調子にのっていないか?そんなの俺がはいそうですかなんて通すわけねぇだろ。」

「だったら前みたいに気絶でもさせて追い返したらいい。」

ダニエルが言っていたこともまんざら的外れではないかもしれない。少し前は相手をこんな挑発したりなんてしなかっただろうな。ただ、今は何度打ちのめされたって強くなることを諦めるつもりなんかない。理由なんて単純で多分人から見たらくだらない理由なんどろうが、今の俺には十分な理由だ。

「お前、こんなに面倒くせぇやつだったのかよ。・・・・・だったら望み通りぶっ倒して戻ってもらうぜ。」

落胆気味の言葉を漏らしたレオンだが直ぐに構えた。ただ、速攻で攻めてくることはなかった。

おそらくレオンとしてはさっきの一撃で俺をまた気絶させるつもりだったのだろうが、それが出来なかったから多少なりとも警戒しているのだろう。明らかに格下相手にこの慎重さはさすが戦闘学科のトップクラスだと思う。ただ、そんな警戒は単なる徒労というものだ。はっきり言って俺が勝てる相手ではない。今回オレは防御に徹して多少なりとも技を盗もうという魂胆だ。ただ、そうしたところでどれほど保つだろうか。

「行くぜ。」

レオンは思いっきり地を蹴り一瞬で俺との間合いを詰め、そのまま中段蹴り・・・・に見せかけてその軌道は高く上がりかかと落とし。間一髪それに気付いた俺は体をギリギリ横にずらし避けたが、すぐにレオンは体を回し下段蹴り。後ろに飛んで何とか避けたが、レオンは間髪いれずに体をこちらに起こす様な動作からそのまま体を倒す様にしてこちらに突進。

「(この動作は・・・・・)」

その動作は初めてレオンに会った時に吹き飛ばされ気絶させられた肘打ちだ。

避けられない・・・・・

直感的に悟り体が自然に足を上げた。おそらくレオンの顔が来る位置に。

「!!」

レオンは肘打ちを解いて俺の足を弾き、大きく飛び退いた。足を弾かれた俺はバランスを崩しその場に転ぶ。

「・・・・・はぁ~分かった。少しだけ協力してやる。」

慌てて飛び起きた俺の前には両手を開きため息をつくレオンの姿があった。

「なんで・・・・?」

「お前みたいなやつ追っ払ったとこで何度も何度も来られたらその方が面倒くせぇからな。ただ、少しだけだぞ。俺は暇じゃねんだから。」

「(なかなか才能があるやつをこのまま腐らせるのももったいねぇだろ。)」

そんなレオンの心の声など聞こえるはずは無くラッセルただ首をかしげるのだった。

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