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電光石火に功績を失った少女、雷火ちゃんとは、まさに私のことだぜっ!!

「さて、どうするか。」

入学式の後に始業式があるのは当然だが、たまたまその間に日曜日を挟んでいた。 それをみこしてか、朝起きてポストを確認したら、『07:00卓球部室にこい』との紙が入っていたのだが。

現在08:21。何度確認しようが08:21

完全に寝過ごしている。

と、言うことでまぁあれだな、二度寝が最善の選択だ。

「よし寝よう。」

「起きやがれー!!!」

布団に入った直後、ドアが開く。

しまった、一瞬卓球に行こうか躊躇してドアの鍵を開けたままだった。

狸寝入りが最善の選択だと感じた僕は、すぐさま寝たふりをし―――

「電光石火に功績を失った少女、雷火ちゃんとは、まさに私のことだぜっ!!」

「それは自慢にならない!!」

しまった、突っ込んでしまった

しかも立ち上がっちゃったし。

「なんだ起きてたのかよ。起こしにお越しに来た意味がないな。」

「一応いうが、それはつまらない部類の親父ギャグだぞ。」

「自信作だったんだけどな。」

「電光石火に功績を失った処女、雷火ちゃんには、言葉遊びは荷が重いな。」

「なんで知ってる!?」

「本当だった!?」

というか、冷静に考えると、電光石火に功績を失った処女ってなんかやらしいな。

「あぁあれは保険体育の許可証を運んでいるときだった―――」

「保健体育の教科書ではないんだな。」

「突然空から処女が降ってきたんだ。」

「なんで最初から処女ってわかったんだよ!?」

「で、その少女と一騒動あって、こうなった」

「一騒動に何があった!?」

「ふっふっふっ、それは教えれないな。」

「そうか、きっとお前の性格はその少女によって捩曲がったんだな。」

訂正がきかないくらいに。

「人を馬鹿みたいに言うなよ。」

「いや捩曲がってるといっただけだよ。」

悪魔で馬鹿とはいってない。

「で、ところでさ。お前は何しに来たんだ?」

「あれ、何しにきたんだ。」

「ホントに馬鹿だった!!」

「冗談だよ。私は苗木に朝ご飯をもらいにきたんだよな。」

「お前は燈浬ちゃんの爪の垢でも煎じて飲んでろ!!」

悪影響ばかりうけそうだけどな。

「ホントに何しにきたんだっけな。」

雷火ちゃんがマジで悩みだす。

冷静に考えたら僕はこのまま言い逃れることが可能なのでは?

思いあたったらすぐ実行。有思実行

「雷火ちゃんはさ、僕に子守唄を歌いに来たんじゃないか。」

「そうだったっけか。」

「ああ、そうだったよ。全くそんな大事なことを忘れちゃダメだろ雷火ちゃん。」

そういって僕が横になる。

「じゃあ歌います。」

そういって何故か『旅立ちの日に』を歌いだした。しかも最高に音痴だ。

悶絶、その言葉で僕の脳が埋めつくされた。

「や、やめろ、雷火ちゃん。」

「ん、何だよ。感動しすぎて寝れなくなっちゃったのか?」

マジで自分が音痴であることを自覚してなかいようだ。

とりあえず、歌を歌うのをやめさせたものの、目はパッチリ全開になっていた。

仕方ない、本当のことをいうか。

「とりあえずさ、雷火ちゃんは僕を起こしに来てくれたんだろ。」

「そういやそうだったな」

「さわやかなちゅーで起こしに来てくれたんだろ。」

「微妙に今変えたよな。」

「気のせいだ」

「樹のせいか」

と、話に一区切りつく

「とりあえず、苗木の目も覚めてるみたいだし、私の役目は終わりだな。部室で待ってるぜ。」

「ちょっと待ってくれ、まだ雷火ちゃんのミッションは終わっていないぞ。僕はまださわやかなちゅーをしてもらっていない。」

「そういやそうだったな。それじゃちょっと横になれ」

ん、横になる?ちゅーするんだよな?

「ちょっと待ってくれないか。それは流石に進み過ぎだろ。」

と、いうか、冷静に考えるとこれでも顔を会わせたのは二回目だ。

「いや、これくらい普通にやってやるよ。いつも自分でしてるし。」

「いきなり会話に規制がかかりそうだ!?」

「怒鳴るなようっとうしいな。」

そういって、一応横になっている僕の背中に手を伸ばし、背中の筋肉をほぐし始めた。簡単にいうとマッサージを始めた。

思いの他気持ちいいし。

「ん?てかマッサージ?」

「何だよ、私のマッサージじゃ疲れがとれないってか?」

「いや、そういう訳じゃなくて。ところでさ、今雷火ちゃんは何をやっているんだ。」

「何って。さわやかな治癒、だろ?」

「なるほど。」

言葉の綾か。

「これでもプロの人にも勧誘受けたレベルなんだぜ。」

そんなこんなで、朝からマッサージを受けるという、豪邸にすんでいるような待遇を終えたころには、9時を回っていた。

「よし、これで筋肉もほぐれたろ。私は先に卓球しにいってるから、苗木もちゃんとこいよ。」

そういって雷火が走り出す。

何て言うか、完全に体育会系な女子だった。

「さて、僕も行くかな。」

僕もすぐさま、部室へと向かった。

のだが、

「二時間も遅れて来るなんて、流石に怒りますよ。」

瀬永先輩がため息をつく。

「すいませんでした。本当に。」

「そのうえ、雷火ちゃんに、せっぷ……ちゅーまで求めるなんて。」

ばらされてた!?

「ちょっと待って下さい!!あれは冗談です!!話の流れです!!」

「全く、雷火さんが、ば……柔らかい思考を持っていなければ、確実に軽蔑されていだでしょうに。」

馬鹿って言いかけたよな。絶対

瀬永先輩が続ける。

「とりあえず、あなたにも卓球の練習をしてもらいます。」

「卓球の練習……ですか……?」

そうですよ、と相槌をうつと、瀬永先輩が隣の卓球場に顔を出し、部員を全員集める。

そして、表のかかれた紙を僕達に渡すと、満面の笑みで言い放った。

「これから、総当たり戦をします。手抜きは禁物です。」

この総当たり戦の紙に僕も含まれているのは言うまでもなかった。

竹内燈浬(以後燈浬)「基本卓球用語くょうざ……講座、始めるわよ。」

竹内雷火(以後雷火)「盛大に噛んでくれるなよな。せっかく姉妹そろっての講座なんだからさ。」

燈浬「仕方ないじゃない、講座名が長いのだから。」

雷火「確かに長いな、長すぎだぜ。私も部屋で練習してなかったら、前回噛んでたと思うくらいだ。」

燈浬「いっそ略してしまおうかしら。頭文字とって、基卓用講座とか。」

雷火「『帰宅用講座』に聞こえるけどな。」

燈浬「どんな講座よ。」

雷火「いや、燈浬ちゃんがいったんだろ?」

燈浬「え?」

雷火「ん?」

燈浬「…………」

雷火「…………」

燈浬「とりあえず、始めましょう。」

雷火「そうだな。はじめようか。今回は用語についてだ。用語っつっても、卓球中に使われる言葉だ。箇条書きであげてくぜ!!


上回転(ドライブ)……こちらから見てボールが上向きに回転するものだ。ボールの描く弧が急になるから、相手の陳に入りやすく、使い勝手もいいぜ。他にも、相手が打つときに、高く飛んで行きやすいっつー特徴もあるぜ。


(逆)横回転……ボールが横に回転している、もしくは(反)時計周りに回転している状態だ。横に回転しているときは、主にラケットに触れた時に曲がるぜ。時計周りに回転している時は、卓球台に着いた時に曲がるから、打点がずれたりするのが特徴だ。


下回転……自分からみてボールが下に回転している状態だ。ラケットに当たると急に落ちるから、誤って自分の陣地に着いてしまいアウトを貰いがちのが特徴だ。


スマッシュ……ボールを強打することだ。大体上回転(ドライブ)はかからない。

叩く……スマッシュを打つことだ

打ち抜く……物凄い速さのスマッシュを打てる奴が、回転を無効化してしてスマッシュ打つことだぜ。


サーブ……卓球の初手だ。自分のコートにバウンドさせ、次にネットの上を越して、相手のコートにバウンドさせなくてはならない。

サーブ後からの返球は、自分のコートにバウンドさせずに、ネットの上を越して相手の陳にいれなければならないぜ。」


燈浬「今回の説明は多いわね。」

雷火「ホントだよな。というか、文章だけで卓球のルール説明って難しいよな。カンペ見ないと多分読み切れないぜ。」

燈浬「そんな堂々とカンペを見せないでくれないかしら。」

雷火「とりあえず、講座終了だ。」


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