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恋的な事故にあったのでしょう

佐奈奈保穂(さな なほほ)

燈浬の言葉を合図にしたように、機械の内の映写機が、急に動き出す。写されている映像は、卓球の試合の映像だ。その試合の映像の脇には、三つのレーダーチャートが縦に並んでいる。

「今流れてる映像は、私が前回の大会で負けた、佐奈奈保穂の映像よ。笑いたければ笑うがいいわ。」

「いや、笑わないけど。」

むしろ驚愕した。卓球の球の掛け合うスピードに。

「話を戻させていただくけれど、このレーダーチャートは上から大まかな、サーブの回転量、ドライブとブロックの能力、そのほかの技術力を表しているわ」

まぁまだ何を言っているかわからないだろうけれど、と続けて微笑む。

「これで相手を調べてから卓球をするから、三割分の力になるってことか。」

「そうよ。私は機械の力で全国大会に出てるのよ。自分自身の力ではないの。」

強烈な悲痛、理由もないのに、そのようなものを急に燈浬から感じた。表情は相変わらず平然としている。

「とりあえず、一応今はあなたとの試合を流しておくわ。」

そういって、苗代弘御、と僕の名前を告げる。それを合図に、映写機はすぐさま僕の、昔の僕の卓球の試合を映し出し始める。

「一応いうけど、今ではこんな卓球出来ないよ。」

念のため燈浬に告げる。

「話は聞いているわ。交通事故にあったのでしょう。まるで故意的に行ったような事故に。」

確かに、ここまで奇跡的な事故はそうそうないだろう。

「――改めるわ、恋的な事故にあったのでしょう。」

「ヤンデレ!?」

と、いうか、改めた事の必要性を全く感じなかった。

「もはや、霊的でさえあるわね」

すかさず突っ込もうと思ったが、突っ込む前に一つ、他愛のない疑問が現れる

「お前幽霊信じてたりするのか?」

「『お前』ではないわ。私の事は『竹内さん』と呼びなさい。」

「いや、『竹内さん』だと姉の方と混ざるからさ。」

「ならば『竹内様』、いや『燈浬様』でいいわ。」

「その二つの呼び方には、何ともなく格差を感じる」

「いいじゃない、私だって公共の場で恥ずかしい呼ばれ方をするのだし。」

「見事にお互い不利益なだけだ!!」

「そこまでいうなら、燈ちゃんと書いてマスターと呼ばせてあげるわよ」

「やめろ、厨二臭い。てか同い年でそれはないだろ。」

「同い年ではないと思うわ。私は四月生まれなの。ところで、『残念』の対義語って何かしら?」

「『残念』の対義語……確かにこれといった対義語は思い浮かばないな。なんだよ、急にそんなことを。」

「いえ、『同い年ではない』事に優越感を持つことを、うまい具合にまとめれないかと。」

「お前僕をいじめたいだけだよな!?」

それを僕に考えさせるところが特に。

「とりあえず、『燈』とか『燈ちゃん』とかでいいわ。」

急にまともな返答が帰ってくる。

「『燈浬』じゃ、だめなのか?」

名前で呼ぶことを選択肢に入れない事が気になり、尋ねる。

それを聞いた燈浬は、なぜだか不快な顔をした。

「『あいつら』と、差別化しておきたいのよ……。」

『あいつら』が誰をさしているか気になった。だが、これ以上踏み込むな、という感情が燈浬から感じられたので、深入りはしないでおく。

「なら、『燈ちゃん』とよばせてもらうよ。『燈』だと男っぽいしな。」

「そう、とりあえず先程の返答はしておくけれど、私は幽霊など信じないわ。」

「まぁ、この歳で信じるのも少数派だよな。」

「一応付け加えるけれど、肝試しで怖がるタイプでもないわ。逆に何が怖いのか聞きたいくらいよ。」

「それはそれで少数派だな。」

「遊園地で一番つまらないアトラクションはお化け屋敷と断言できるわ。」

「そうか?お化け屋敷といえば遊園地の三本の指には入る人気アトラクションだと思うんだが。」

と、僕が言い放ったところで、ピンポーンとチャイムの音が鳴り響く。その音を聞き、燈浬がインターホンへ向かった。

『燈浬ちゃん、そろそろ卓球しに行かないか?』

何となく聞き覚えがある声がインターホンから流れ出る。

「……そうね、行かせてもらうわ。それじゃあ準備をしたらそちらに向かうわね。」

そう燈浬が告げ、インターホンを切る。

「悪いけれど、私は卓球しに行かせてもらうわ。一応来たければ来ればいいけれど、あなたはあまり卓球はしたくないのでしょう?」

「そうだな、帰らせてもらうよ。」

と、ここで会話を終え、部屋へと戻った。

何ともなくよく喋った気がする一日を終えた。







苗代弘御(以後苗代)「卓球基本用語講座、始めるか、雷火ちゃん」

竹内雷火(以後雷火)「そうだな。と、言いたいが、少し言いたい事がある。」

苗代「残念だけど、雷火ちゃん。僕はそれをいうことを許可しな――――」

雷火「卓球しやがれ!!」

苗代「すいませんでした。」

雷火「本文見てみろ。卓球要素が一割程度しかないじゃねーか!!」

苗代「すいませんでした。」

雷火「どこが『卓球=僕の人生(仮)』だよ!?『雑談=僕の人生』にでも変える気かよ!?」

苗代「と、でもさ雷火ちゃん。」

雷火「なんだよ苗代」

苗代「冷静に考えてみると、まだここまでの話では、小説の20ページ分にも満たないんだ。まだ卓球してなくともおかしくはないだろ?」

雷火「更新スピードが早かったら納得出来るけどな。」

苗代「それに、無理して卓球する場面から始めるのもおかしいだろ?」

雷火「確かにそうかもしれないけどな、題名をみやがれ。」

苗代「…………。」

雷火「と、無駄なことに時間をかけすぎたぜ。アンチラバーの説明に行くとするか。」


雷火「アンチラバーってのは見た目は普通の裏ソフトだけど、摩擦が極端に少なく、回転がかかりにくいラバーだ。コントロール性を高めるため、やわらかいスポンジが使われているからってのも特徴かな。正直使用者はあんまり見ないな。」

苗代「ところで雷火ちゃん。スポンジの柔らかさとか厚さとかって何が違うんだ?」

雷火「そこんところは本文で語ると思うけどな、大まかにいっちゃー、ラケットの重さとか、コントロールのしやすさとか、打球したボールの速さとか、が違うんだ。まぁ今は流してくれて構わないぜ。」

苗代「そんなもんか。」

雷火「ああ、苗代の幼なじみが男であり、なおかつクラスが一緒であることと同じくらい流してくれて構わないことだ。」

苗代「いや多分次回くらいで出るとおもうがな。」

雷火「とりあえず、これにて第四回卓球基本用語講座、終了だ!!」





Wikipedia参照


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