四章終了時のキャラ紹介
紹介と言うより、死者のプロフィール
ラウベイルフ・ガーグザット <<斧>>
年齢 : 九十歳前後
種族 : 有翼族
術式適正 : 炎、氷、物質生成、空間
所属 : 帝国
復讐を望んでいた女であり、直接的に復讐できない程に恐怖にとらわれていた女。
飢饉の際に十六士族という帝国の貴族に買われる。
※十六士族は帝国という国が作られた時に活躍した者の系譜。
不幸を感じにくい少女、というより幸福の上限が低かったというのはある。
精神力は強く並大抵の屈辱には負けなかった。
全体を通してみるとそこが不幸の始まり。
描写の仕方が悪かったせいでそこまで大した奴には見えなかったけど、文庫一冊分の物語を書けるぐらいには人生が厚い。
なお帝国には聖皇国から逃げてきた有翼族の系譜が多く、ラウベイルフもその一人。
憎しみはなく怒りもないが、復讐をしたいと考えたのは理不尽な世界への反抗ゆえに。
誰かに覚えられない事に恐怖を感じたのは奴隷時代に名も知らない少女たちの死を見続けたため。
戦闘はかく乱を得意としていた。
本命と見せかけた偽装に自分が現れる事が多い。逆に、その裏をかいた手を打つ事もある。
幾つかの戦争に出て名を上げるに足る指揮能力の持ち主でもある。
帝国でも彼女並の実力者はそう多くはなかった。それでも上に数十人は居るのだが。
固有術式は『回廊』と名づけた空間系術式。
有る程度までの物質を自身を中心とした二メートルの範囲まで自由自在に動かせる。干渉があるため人間には使用できない。
便利そうに見えるし実際便利なのだが、上位の人間と殺しあう場合には警戒されて対策を練られるので一度斬りの小技でもある。
そもそも地力があるのでそれで十分だとも言えた。
【容姿】
灰色の髪。そんなに長くない。
瞳の色は紫。
身長は百八十cmほど。
胸は大きい。
両利き。
ルハエーラ・ピッグ・ピラヴァック
年齢 : 九十歳前後
種族 : 鬼族
術式適正 : 雷、身体強化
所属 : 帝国
廃嫡された貴族の家系。どうでもいい事だが、十六士族は近年まで二十士族だった。
色々と多くの諸々があり四つが廃嫡される結果になる。基本的にここらの騒動はムーディルの仕業。
その内の一つ『葬送』のピラヴァック家の生き残り。
処刑人の家系。貴族には代々伝わる固有術式があったのだが、ルハエーラの相性的に実践で使えるレベルにはならなかった。
鬼族としてはまだ若い青年で実践経験はそれほどない。もう少し実践経験を積んでいるとイニーは勝てなかったかもしれない。あと十年早く生まれていれば。
友誼のあった貴族の伝手を使い、女王に尽くすために親衛隊に入り他貴族の牽制をしていた。
その後は非人道的な実験も女王のためと言う言葉にだまされる事になる。
頭悪い子。
なんだかんだで貴族として、というより剣士としての意地を通す部分がある。
ムーディルを憎むというよりは帝国を裏切ったムーディルに怒りを感じている。家が取り潰されたのは立ち回りが上手くなかったと自省している程度で、恨みなどは抱かない、
良い帝国貴族の見本みたいな思考だった。
結局そこまで賢くはなかったので死んでしまった。彼のせいでラウベイルフらは裏切りができなかった側面もある。
【容姿】
髪の色は紫色の髪。
眉間を通るようにして深く刻まれた斜めの十字傷がある。
瞳の色は赤色。
身長は200cmほど。
ヲルトル 挽肉
年齢 : 六十歳前後
種族 : 人族
術式適正 ・土術 ・水術
所属 : 道化師団
ダラングの知人だった男。
恋人をダラングに殺された際に狂い、二年近くを森の中で過ごしていた。
地道に実力を付けた人物。およそ才能なき人間が到達できる中でも上位だった。
二匹の獣を連れており『陸の蹂躙』と『空の王者』という名前をつけていた。
彼らの両親である獣に敬意を払っての名前でもある。
番外短編で語るだけ語った感があるのでこれ以上は蛇足な気がする。
なお本編や番外で出すことはなかったが、挽肉という異名は殺し方があまりにも雑なため。
二匹を率いている状態ならルカとイニー、更にムーディル、ヒロムテルンを用意して互角。
おそらく聖騎士ならば殺せるぐらいの強さ。
下手をすると二十座に手が届くかもしれない。
【容姿】
浅黒い肌。
身長は百七十cm前後。
陰鬱な雰囲気を強調するようにフードをかぶっている。
リュミール
年齢 : 十三歳
種族 : 人族
術式適正 ・崩壊促進系
一般人の少女。彼女を助ける方法は地味にあった。
最初の時点で王都に戻っていれば、どこかで彼女だけを王都に搬送していれば。
ラウベイルフらを全力で捕まえていれば、もう少しシルベストらと連絡を密にしていれば、程度。
彼女自身は語る部分も少ない程に普通の女の子。
それでも特務に亀裂を入れる要因になった。




