皆既月食の夜にChatGPTに聞いてみた
九月のはじめの日曜日、私は夜更かしをして映画を見ていた。今夜は満月で、三年ぶりの皆既月食らしい。
さして面白くも無かった映画を見終わりカーテンを開けた。1時間前に欠け始めていた月はすっかり月食になり、赤黒くぼんやりと南の空に浮かんでいた。
その赤みは妙に黒ずんでいて、不吉な色合いで、ちょっと不気味な感じさえした。
正直、わざわざ夜鍋して見るほどの物だったのかと後悔した。
ぞんざいにカーテンを閉めると、最近始めたChatGPTに聞いてみた。
「皆既月食は、どうして赤いのですか?」
とても良い質問です。
皆既月食が赤く見える理由は──
地球の大気が太陽光のうち「赤い光」だけを月に届けているからです。
順を追って説明しますね。
① 月が地球の影に入る
皆既月食とは、
太陽 → 地球 → 月 が一直線に並び、
地球の影の中に月が完全に入る現象です。
ふつうに考えると、
影に入った月は真っ暗になりそうですが、
実際には**赤銅色**に見えます。
② 地球の大気が「赤い光」を曲げて月に届ける
太陽の光は、白く見えても実際には「七色の光(赤・橙・黄・緑・青・藍・紫)」が混ざっています。
この光が地球の大気を通るとき、次のようなことが起きます。
青い光ほど散乱されやすい(=空が青い理由)
赤い光ほどまっすぐ進みやすい
地球の縁(朝焼け・夕焼けの位置)を通る太陽光は、
青い光が散乱され、赤い光だけが残ります。
そして、その赤い光は大気で屈折して地球の影の中に曲がり込み、月をうっすら照らします。
③ 結果:月が赤く見える
そのため、皆既月食のときに私たちが見る月は、
**「地球の夕焼け光」で照らされた月」**というわけです。
地球の大気がレンズのような役割を果たし、
夕焼け色の光を月まで届けているのです。
④ 赤さが毎回ちがう理由
月の赤さは一定ではありません。
火山の噴火などで大気中にちりや灰が多いと、光が吸収されて暗くなる
大気が澄んでいると、明るいオレンジ色に近く見える
このため、皆既月食はそのたびに微妙に色合いが違います。
要するに:
「皆既月食の赤い月」とは、
「地球の大気を通った夕焼け光に照らされた月」なのです。
夕焼けが月を赤く染めている…… おぉ、なんとロマンチックな!
今ここは真夜中だけど、地球のどこか遠い国では、きっと、きれいな夕焼けが空を染めているのでしょう。
その赤い光が、地球の縁をかすめて、月食の月を照らしている。
なんとも美しく、神秘的なイメージです。
私はふたたびカーテンを開けて、南の空を見上げました。
そこには、月食で全ての光を失ってしまった満月が、慈悲のように淡く夕焼けに照らされて光っていました。
ChatGPTよ、
お前の言葉は、今夜の私の心を少しだけ明るくしてくれたよ。




