表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/12

亡霊6

「やれやれ、何時から気づいていたんだ?」

髭の男はコーヒーを音を立ててすすり、レイラに聞いた。


「ドーナツ屋でだな。車に戻った後、

買い物のメモ用紙にアンタ達につけられていることを書いておいて、

それをマーレンさんに渡した、それだけさ。」


「ふふっ・・・新しい車の模様、なかなかに気に入ってるよ」


髭の男はドアがボコボコに凹んだ車を指差し再びカップに口をつけた。


「どういたしまして、それで仕事というのは・・・?」


レイラが聞くと髭の男の隣に座っていた若い男が写真と、

小さく折りたたまれた地図を机の上に出す。

写真には、茶髪で7、8歳くらいの女の子が海辺で麦わら帽子をかぶり、

満面の笑みでこちらを見ている。


「この女の子は、俺たちのボスの娘だ。君たちに頼む仕事は、

この女の子を敵の組織から救出してほしい。」


そういうと若い男は写真と地図をレイラに渡し、

コーヒの香りを嗅いだあと一口飲んだ。


「なるほど、誘拐か・・・」


「そういうことだ。敵のアジトはここから1Kmほどの隣町にあるビルで、

警備は厳重、武装もしている。我々では救出することは困難だ。

そこで有名な君たち、「幽霊と天使」に仕事を頼むことにしたんだ。」


若い男がそう説明した後、隣の髭の男がポケットから紙とペンを取り出すと、

その紙に数字を書き込んでいった。


「報酬はこんなもんでどうだ?」

髭の男はレイラにその紙を渡す。

紙には、先程受け取った報酬の約2倍の金額が記されていた。


「・・・悪くない金額だな、引き受けさせてもらう。」


「そうかい、それじゃよろしく頼むよ。

今うちの組織は混乱していてね、統制がとれてないんだよ。」


髭の男は煙草をポケットから取り出したが、

店の壁の禁煙マークを見つけ溜息をつき、煙草をポケットに戻した。


「なんせ、さっき俺たちのボスが敵の組織に殺されたんだ。

胴体を真っ二つにされてね」


そういうと髭の男は、生温くなったコーヒーを一気に飲み干した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ