亡霊2
「よくやったハッシュ」
レイラが双眼鏡で覗く先には、男の下半身だけが今膝を着いて倒れ、
鮮血と臓器を撒き散らしていた。
周りの人間はざわめき、ある者は悲鳴をあげ、ある者は嘔吐し、
昼間の穏やかな公園が一瞬にして地獄絵図に変わった
しばらくするとハッシュは立ち上がり、伏せながら双眼鏡を覗くレイラの肩を軽く叩く
「作戦終了、早く帰ろう?」
ハッシュは無表情で10kg以上あるM82A1バレットを持ち上げ弾倉を外し、
薬室にまだ残っている弾を取り出して、セーフティをかけ、ライフルケースにしまった。
「そうだな、報酬を貰ってなにか甘いものでも食べに行こう」
「それを待っていた、早く向かおう」
ハッシュがレイラの服の裾を引っ張る
「落ち着け、ほら忘れてるぞ」
そういうとレイラは転がっていた50口径の空薬莢を拾い、銃が入ったアタッシュケースを担いだ。
「ほら行くぞ」
そういうと二人は時計台の階段を下って行く。
時計台の階段を降りると、白のワゴン車が止まっていた。
レイラが鍵を開け後部座席に銃を乗せると、
助手席にハッシュが乗り込み、運転席にレイラが座ってエンジンをかけた。
「で、何食べに行きたい?」
「近くにおいしいドーナツを売っている店があるらしい」
ハッシュがそういうと白のワゴン車は走り出した。