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亡霊12

「今回の作戦は潜入が得意なお前に任せることにする」


先に地上に戻っていたレイラはコーヒーカップ片手に、倉庫から戻ってきたハッシュにそう言った。

店の中にはレイラしかいなく、マーレンもどこかに出かけているようだった。


「うん任せて、それで作戦内容は?」

ハッシュは店の売り物である瓶に入った牛乳を冷蔵庫から取り出した後、

レイラの机に置いてあるマフィンを1つ掴み、頬張る。


「今回の作戦は敵の表の顔である大手企業のビルに潜入して、、

人質を救出すること、なお、ビルのなかには雇われた民間軍事会社が警備をしているらしい。」


レイラは残り少なくなったコーヒーをたいらげると話を続けた。


「とりあえず、まずはここに向かってくれ。」

レイラは机にビルの設計図を広げ、赤い丸印で囲まれた場所を指差した。


「ここは・・・トイレ?」


「そうだ、ここにはちょっと狭いが人が通れるほどの通気口がある

そこから人質が捕らわれている12階の倉庫の近くの別のトイレへと移動することができる・・・が」


レイラは一番下1階のビルを指差す

「ここからビルを上がるエレベータに向かうには社員しか持っていないカードキーが必要となる

それがないとビルを上ることもできない・・・が」


レイラはハッシュにある1枚のプリントを手渡す


「保護者の皆様へ・・・、社会見学のご案内?」


「そう、近くの小学校が社会勉強として生徒を会社に見学に行かせるらしいんだ。

そこで、だハッシュ今回の作戦はそこの小学生になりきってビルに潜入してくれ」


ハッシュは思わず持っていたプリントを手離す

「・・・レイラちょっと待って、色々と聞きたいことがあるんだけど」


「心配すんな、ハッシュ。そこの生徒としての登録はマーレンさんがやってくれてる。

そのうち学校の証明証も届くはずだから」


「いや、そういうことじゃなくて・・・」


「おぉ!そういや今回の作戦に必要な新装備を渡すのを忘れていた。

マーレンさんがお隣でご近所から借りてきてくれたぞ」


レイラは思いだしたかの様に机の下の紙袋から赤いランドセルを取り出し、

ハッシュの目の前にどんっと置いた。


「私は近くで待機している何かあったら連絡してくれ。という感じで作戦内容は以上だ、

それじゃ、楽しいお茶会と洒落こもう」


レイラは空になっていたカップにコーヒーを注ぐと

目の前のマフィンを1つ取り、齧りつく。


「・・・」

ハッシュは目の前の赤いランドセルを睨みつけながらマフィンを牛乳で流し込んだ。

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