表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Last Update~善vs善vs善vs善vs善…~  作者: 大館敬
断章 【記録】
1/18

”205✕520”

この物語は、一つの仮想通貨の急落から始まります。


国民の「善行」に対する対価として配給されていた通貨の価値が失われたことで、人々の行動規範は緩やかに、けれども確実に変化し始めていきます。


そんな社会の歪みに、主人公カエレン・ヴォルダスは巻き込まれていきます。

始まりはあまりに小さな変化であり、それに気づいた人間は誰もいなかった。


2050年05月20日金曜日、ブラジル発の仮想通貨取引所NovaXにおいて、オルディナ時間の14時から15時の1時間の間に、RIXの価格が3%下落した。RIXとは、オルディナ共和国政府が徳性循環資産と定める、仮想通貨Ref Index Exchangeの頭文字を取った略称である。


それは明らかに、オルディナ国の金融市場が閉場する直前を狙った値動きだった。それと同時に、RIXの総供給量に応じて紙幣を発行するという、オルディナ政府の通貨政策の終わりの始まりを示唆していた。


この微細な変化は拡大しながら世界中の取引所に波及し、RIXの価値は雪だるま式に崩れていった。週末だけで実に74%もの値下がりを記録したRIXは、翌月曜日の朝、オルディナ国の全ての金融市場を巻き添えにし、ありとあらゆる金融商品が開場と同時に急落した。


この未曾有の金融混乱を、始まりの日付に準えて”205✕520”と呼ぶ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ