小説投稿という趣味
子どもの頃から本を読むのが好きでした。
週末、友達と遊ぶ約束のない日は、よく父親に車で図書館に連れて行ってもらいました。
物語が好きでした。図書館の書架の端から端までを眺めて、気になる本を読んでいました。
小学生の頃に読んだ本で印象に残っているものとして、まず思い出すのは、羅門祐人さんの「異次元クエスト・光の戦士」シリーズ。少年が、異世界や未来、人体の中などを冒険する物語。ワクワクして読み進めたのを覚えています。
ヴィクトル・ユーゴーさんの「レ・ミゼラブル」を読んだのもこの頃でした。悲しみと感動で涙が止まりませんでした。明日学校があるというのに、深夜まで読み耽ったのを覚えています。
成長するにつれて、SF小説をよく読むようになりました。
谷甲州さんの「航空宇宙軍史」シリーズ。リアルな宇宙空間での戦いの描写に、緻密な軌道計算。私自身は計算は苦手でしたが、その魅力に引き込まれました。
眉村卓さんの「司政官」シリーズ。ロボット官僚を率いて、植民惑星における原住種族と人類との融和、植民世界の発展に尽力する行政官のお話。様々な矛盾に悩みながら、自らの権限の中でベストを尽くす。こんな職業人になれたらいいな、と憧れました。
漫画もよく読みました。古本屋で藤子・F・不二雄さんのSF短編集やT・Pぼんを見つけ、読み漁りました。
就職して、めっきり本を読まなくなりました。無趣味といっていい状況でした。
激務で体と心を壊しかけたこともありました。妻子に支えられ、立ち直り、再び仕事に邁進しました。
月日は流れ、自ら先頭に立って働く仕事から、若者を後ろから守り支える仕事に変わってきました。責任は重くなりましたが、昔に比べ、余暇が増えてきました。
そんなとき、「小説家になろう」に出会いました。
† † †
たまたまネットで見つけた「小説家になろう」。多くの人々が、様々なジャンルの小説やエッセイを投稿していました。
最初に読んだ小説は、確か伏瀬さんの「転生したらスライムだった件」だったと思います。ワクワクしながら読み進めました。
「小説家になろう」には、膨大な小説が掲載されていました。時間がないときにサクッと読める短編もたくさんありました。
異世界転生ものだけでなく、様々なファンタジー、SF、推理、ホラー等々。楽しく読み進めました。
そうこうしているうちに、自分が子どもの頃や学生の頃に感動した物語を、自分でも書いてみたいと思うようになりました。
自分が読みたい、自分が感動する話を書いて、皆に読んでもらいたい……
そんなことを思ったのは、この歳になって初めてでした。余暇が増え、暇をもて余し気味だったこともあったのかもしれません。
暇を見つけては、スマホとにらめっこして、物語を書き進めました。
そして、緊張しながら「小説家になろう」に投稿しました。初投稿の際は、手が震えたのを覚えています。
正直なところ、ポイントはあまり付かず、落ち込むこともありましたが、自分の書いたお話を読んで楽しんでくれる人がいることが分かり、とても嬉しく感じました。
自分が読みたいと思う物語を自分で書き、それを投稿することで、少ないながらも楽しんでくれる人がいる……自他ともに幸せになれる素晴らしい趣味が出来たなと思っています。
最近は、宝くじを買うような感覚で、コンテストにも応募するようになりました。ハラハラドキドキ、一喜一憂。皆さんも同じようなお気持ちでしょうか。応募をきっかけに、お互いの書いたお話が更に多くの方に読んでもらえるといいですね。
……取り留めもなく書いてきましたが、小説投稿は素晴らしい趣味だと思います。今後も、余暇を見つけてお話を書き、投稿したいと考えています。
私と同じように素晴らしい趣味を見つけた皆さん。ともに楽しんで参りましょう!