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恋とは

作者: 天野☆星☆

 学校の先輩と付き合うことになった。


 同じサークルで出会い始めて、ディスコードで通話して、なんだかそのうち恋がどうとか愛がどうとかいう話になってしまって。


「俺、恋ってよくわかんないんだよね」


 女たらしがよくいうようなセリフを素の調子でいう彼に心が揺らいでしまっていた。


 それが原因ってわけではないんだけども……相談とか、雑談をするうちになぜか私は彼を意識するようになっていった。


 そして彼から、人を好きになるという感情を教えて欲しいと言われ、付き合い始めるようになった。


 そんな始まり方だったからか、私は彼が私を本当に好きなのかはわからなかった。私に異性として好意を寄せているだろうけど、それは私以外の女の子でもいいのではないのかなって思う。


 それに、彼の生き様や考え方は達観していて格好良さを感じるんだけれど、それを彼の魅力として私は意識しているけれど、じゃあ私の魅力を彼は見つけてくれているのって思う。


 私自身わからないのに……


 こんな性格だから、寂しくなって彼に電話をかけてしまう。


 こんな人生だから、悲しくなって一人で涙を流してしまう。


「言葉ではいくらでも好きだと言えるよ。でも、俺は俺がわからないから、この好きが心の底から出ているのかわからない」


 電話をかけると帰ってくる、いつもの言葉。


 納得しちゃう私がちょろいのかな。


 モヤモヤするけどどうしようもないみたいな、嫌な感情が私を冷たく包む。


 温めて欲しい……のに、彼はそばにいない。


 私がモヤっとするときに電話をして、先輩の優しい言葉に癒されて、そばにいないことに気づいて寂しくなってモヤっとする。


 私は私がわからないから嫌いだ……



 学年は下だけど歳は上の後輩。


 最近サークルで仲良くなって、なんだか距離が近いように感じていた。


 気軽にボディタッチとかしてくるし、カラオケで隣に座ってくる。


 この間はサークルのみんなで雑魚寝していたとき、頭を撫でられてしまった。


 こわいな……


 嫌なことをされてるわけじゃないのに逃げたくなってしまう。


 誰にでも同じことをしているはずだからそれを嫌がって拒絶してしまうのは何か違う気がする。でも、くるしい。


 こういうときに私は電話をする。


「お前は俺のものなんだから気軽に他の男に触らせんなよ」


 言葉自体は乱雑で自己中心だったんだけど、そういう態度とか、少し怒っている感じから嫉妬心のようなものが見え隠れしていて。


 私は彼が私に好意を寄せていると感じて嬉しかった。


 彼は私のこのモヤっとした心をしっかりと理解してくれるし、言葉として教えてくれる。


「そいつは絶対お前のことを女としてみているよ。触られても拒絶できなくて、許しちゃってやるせない気持ちはわかるよ。サークル仲間だから不仲になりたくないし、でも気軽に体触ってくるの嫌だしで」


「逃げたがっている時点で心は嫌がっているんだよ。やめて欲しいって思いたくないって、それはなんだか優しいとかそういう方向じゃなくて流されやすいって方じゃない?」


「自分のこと女としてみていないんだろうと納得しちゃう時点でちょろい。誰にでもやってるとしててもお前だけはその男を許して欲しくないかな」


 そうやって相談に乗ってくれて、その上であの一言は、正直、ずるい。


 やっぱり……好きだな。好きだから私はいっつも彼に電話をかけたり、なんでもないことを言いたくなったり、相談したりするんだろうな。


 ……でも、彼はどうなんだろう。


 彼は私を好きなのかな。


 そんなことを思っていたある日。



「ぷるるるるる。ぷるるるるるる」


 彼から電話。


 なぜ、電話をかけてきたの?と、思わず聞いてしまった。


 だってこんなこと……


「星空が綺麗だったから」


 え?



「星空が綺麗だったから、君に電話をかけたんだ」


しばらくみないうちに仕様がクソ変わってるんすけど

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