第25話 生活委員会活動記録
今回から第4章に突入です。
僕の名前は鹿平勝雄、一応秋田県立第三高等学校生活委員会の委員長をやっている高校1年生だ。高校1年生なのに委員会の委員長とはおかしいと思うかもしれないが、この委員会のおかしさはそれどころではない。今回は「生活委員会とは何か?」を含め、今までのことを振り返っていこうと思う。
まず僕が通っている「第三高等学校」、通称「三高」は生徒数700人余り、秋田県の県南ではかなりの規模の高校だ。県内では上から数えて3番目の進学校、同時に伝統校でもある。
そしてこの高校にある生活委員会。委員長は僕、鹿平勝雄で担当の先生は土崎湊斗先生。マッシュルームヘアと白衣が特徴的な先生で、1年6組の担任でもある。実はこの先生「アティカシア」という、こことは違う世界の出身で本名は「リゼオン」。しかも超能力まで使うというびっくり人間っぷり。土崎先生は「三帝国警備隊」というアティカシアにおける警察のような組織に所属しているマルチ超能力者らしい。
「超能力者」と一口に言ってもどうやらいろいろあるらしく、火や水、変わり種には「時空」まであるらしいが「属性特化超能力者」というのがほとんどみたいだ。「マルチ超能力者」というのは属性に囚われずに様々な超能力を使うことが出来る人のことで、実際に土崎先生は壊れた物を復元したり、地面から鎖を出したり、アティカシアとところ構わず自由に行き来出来たり、少しの距離ならワープ出来たりとまさに万能の能力だ。じゃあ無敵なのではないか?と思ってしまうがそうではない。マルチ超能力者はよく言えば「万能」、悪く言えば「中途半端」らしい。同じマルチ超能力者でも使える能力は人によって違うし、その全ての能力が中途半端な性能らしい。だから属性特化超能力者とまともに戦えば押し負ける、かもと土崎先生は言っていた。
続いては生活委員会の仲間を紹介しよう。まずは厨川醍醐。七三分けのクールな改造人間だ。日本刀を使った戦いを得意としている。無口で何を考えているのか分からないが、流石改造人間とだけあってかなりの実力がある。
殿水まはる。土崎先生が開発した超絶美人のアンドロイド、だったのだが、ゴーターの攻撃によって跡形も無くなってしまった。悲しみにくれる僕たちだったが、彼女は「農聖王リッキーノ」という巨大ロボとして、記憶のみを引き継いだ状態ではあるものの復活を果たした。リッキーノは肉弾戦は勿論のこと、「超稲刈鎌」という大鎌で戦うのも得意だ。必殺技は所謂「目からビーム」である「種苗交換ビーム」、超稲刈鎌から放つ「新米の一撃」がある。戦いの後「記憶改竄ビーム」で街の人から巨大ロボの戦いの記憶を消し去ってから、姿を消す。こうやって大騒ぎにならないようにしているのだ。
四ッ谷ななか。人見知りで控えめな女の子なのだが、実はかなりのオタクだと判明。アニメや特撮の話となるとまるで人が変わったかのように話し始める。まさに典型的なオタクだ。因みに彼女は僕と同じ普通の人間である。この委員会にはもう1人、普通の人間がいたのだが、今や普通ではなくなってしまった人がいる。
それが神代咲、彼女は「元」普通の人間だ。とある戦いで命を落とし、「イクサヤマドリ」という鳥に変身出来る能力を持って蘇った。
四ッ谷さんとはえらく対照的なその性格はこの委員会の元気印といって良いだろう。その持ち前の明るさでいろんな人と仲良くなれる彼女には、人間関係のいざこざなども無縁だと思っていたがそうではなかった。
土買千亜希。神代さんとは中学校からの同級生で、バチバチのライバルらしい。一人称が「わらわ」で、随分お高く留まっているように思うが実はそうではない。まあ何故神代さんとバチバチなのかについては本人から聞いてくれ。因みに彼女は「竜の因子」というものに操られ、神代さんを手にかけた。それがきっかけで神代さんは「イクサヤマドリ」の力を得たのだ。
話の流れ的に勘違いしそうだが、土買さんは生活委員会ではない。一応補足。
次は僕の同じクラスの友人を紹介しよう。まずは杉宮理音。僕が三高に入って一番最初に友だちになったクラスメイトだ。神代さんのような明るい性格でムードメーカーといったところだ。
それから生保内神彦。彼はどちらかというと四ッ谷さんタイプで、やや控えめだ。杉宮くんには遠慮しないがな。そんな彼とはクラスマッチで卓球ダブルスのペアを組んだことがきっかけで仲良くなった。今では杉宮くんと共に「仲良し3人組」として行動することが多い。
同じクラス、ではなく先輩なのだが、彼女も生活委員会を語るうえで外せない。それが大鳥桜だ。彼女は三高の生徒会長で、しかも異世界「アティカシア」にいる少数民族「エトコイ族」の人らしい。本名は「ミリノ」。まあ「エトコイ族」と言われたところで何だかよく分からなかったが、エトコイ族に伝わる特殊は蘇生法があって、そのお陰で神代さんが蘇ったのだ。
と、ここまで三高の人を中心に取り上げたが、実は僕たち生活委員会のような「治安維持」を目的とした組織は近隣の高校にも存在する。
言い忘れていたが、僕が所属する生活委員会、表向きは挨拶運動や自転車点検、イベントの際の校内見回りといった、あくまでも普通の委員会としての活動をしている。しかし先述のことから分かるように、本当はこの世界の平和を守る為の組織なのである。
さて話は変わり、続いては秋田県立三清学園中学校・高等学校。その名の通り、中高一貫校だ。この学校には「HSM」という組織がある。HSMという組織名は、3人の構成員の名前の頭文字から取られている。
HSMのH、向能代春香。ビジュアル的にはヤンキーのお姉さん、女番長といった雰囲気漂う彼女だが、この学校で先生をやっている。土崎先生と同じくアティカシアから来た、三帝国警備隊に所属するマルチ超能力者である。因みに本名は「ギャラクス」だ。
HSMのS、大砂川信太。改造人間である。同じ改造人間の厨川くんとは対をなすような、超熱血タイプの男だ。日本刀を使う厨川くんとは異なり、彼は薙刀で戦う。因みに卓球はめちゃくちゃ上手い。
HSMのM、殿水まゆり。生活委員会に所属する殿水まはるの姉、という設定の殿水まはるそっくりのアンドロイドである。見た目、声、仕草や口調など本当にそっくりなのだが、まゆりさんの方はやや青みがかった瞳や、髪の色が特徴的だ。しかしこれもよく見ないと気付かないレベルだと思う。
彼らも、僕たちの知らないところでこの世界の為に戦っているらしい。そういえば僕たちのように強敵と戦うこともあるのだろうか…?
僕たちの方はこの4ヶ月、生活委員会として数々の敵と戦った。
あれはまだ4月だった気がするが、僕たちが戦った最初の敵、それは「ドラゴンズアイ」というアティカシアの超能力者だ。
彼は「鏡北登」という偽名を使い、正体を隠して僕たちが通う三高に潜伏、どころかまさかの生活委員会にまで入っていた。最初の頃は全く気が付かなかったが、彼こそが三高生徒を狙った失踪事件の犯人だったんだ。
彼の目的は僕たちの世界の人間を捕らえ、その人間からエネルギーを吸収して自らの糧とし、僕たちの世界を滅ぼすというものだった。僕が狙われた時、既に四ッ谷さんと神代さんはドラゴンズアイに捕まっており、次のターゲットとして狙われたようだったのを覚えている。当時は殆ど何も出来なかったが、駆け付けてくれた厨川くん、殿水さん、土崎先生のお陰で勝つことが出来た。ドラゴンズアイは逮捕され、今はアティカシアの牢獄にいるとのこと。もう2度と出てくるなよ。因みにドラゴンズアイに捕まった生徒は全員無事だった。
次に戦ったのは、秋田県立三城高等学校の赤土沖太だったな。コイツとは2回戦っていて、最初は卓球場、あの時は僕と殿水さん、杉宮くんに生保内くん、そして大砂川くんがいた。卓球場を急襲した赤土の目的は、僕と殿水さん、大砂川くんを消すこと。それも上の人に命令されて。
あの時は「報酬のため」に襲ったらしいが、後日協力者であるゴーター(いわゆる上の人)が言っていたのは「僕たちを倒すという利害の一致」だった。どちらが本当なのか、あの状況で赤土が口から出任せで慌てて言った嘘なのかもしれない。何故そう思うかって?そんなの男の勘だ。
2回目はゴーターに操られての登場。まるでコンピュータのようにプログラムされた動きで、動きに一定のサイクルがあったからそれに気付いて難なく勝てた。それにしても「全てはゴーター様の為に…!」ってずっと呟いていたのが何とも気味が悪かった。
そしてその直後に戦ったのは、生徒会長の大鳥桜。彼女もゴーターに操られていた。これも何とか勝てたが、そこに先程から何度も名前が出てきた「ゴーター」のお出ましだ。そのゴーターの攻撃により、殿水まはるは命を落としてしまった。これは先程も言ったな。
「芝童森」とかというオリフソン星人とも戦った。彼は埋蔵金を求めてやってきた。そもそもオリフソン星とは地球から遠く離れた惑星で、この星に住むオリフソン星人こそがアティカシアを作ったらしい。どんなトンデモ技術があるんだ…。経緯はしょうもないが、最後は巨大化した芝童森とリッキーノで戦い、勝利した。また来るとも言っていたがノーサンキュー。
それから土買さん。彼女はゴーターによって強化された「竜の因子」に憑依されていて、神代さんを一度は葬った。黒いリッキーノ、めちゃくちゃ強かったな。
この「竜の因子」というのは「願い」に呼応し、それに憑依された者が「拾参使」となり、右拳に刻印が表れるというものだ。「拾参使」というのは「四天王」みたいな感じで、簡単に言えば「13人の強い敵が出てくる」ということだ。その1人である土買さんを憑依状態から解放し、残り12人。いやそのトップにいるとされる「ドラゴンズファイア」を含めれば13人か。まだまだ僕たちの戦いは始まったばかりなのかもしれない。
最後に、僕たちが最近戦ったゴーター。彼の目的は「ゲームをする」、ただそれだけのイカれた奴だった。まあ倒したんだが。そして奴は「ゴーターアーマード」なる強化形態で最後の戦いをけしかけてきた。ゴーターアーマードについては後書きを読んでほしい。
記録はこれで以上。引き続き生活委員会をよろしくお願いしたい。
キャラクター紹介!
(25)ゴーターアーマード
ゴーターがスマートフォンのアプリを起動することによって変身する、超強力な戦闘形態。クマの頭部がモチーフでありながら割りとヒロイックなデザインのマスク、トゲトゲで禍々しくも胸元には特徴的な月の輪が特徴。武器は大剣で、この大剣から放つ「熊の太刀」が必殺技である。




