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ならず者、また増える!?

時間潰しになれば嬉しいです

目を覚ますと、そこは全体的に暗く薄い赤色の部屋・・・つまりは俺が転生する前に来た、閻魔と出会ったところだった。


もしかしてこれまでのは予知夢的な・・?


するとあのセリフが聞こえてくる


「ようこそ、ならず者のサイトウソウタよ−―」


それは俺を小馬鹿にしたような・・・ものではなかった


「は?」


地響きするほどに低く、威厳を感じさせる声に違和感を感じた俺は振り返る。


首が痛くなるほど見上げると、荘厳な顔立ちで眉間に皺がより髭は長く垂れ、鋭い眼光でじっとこちらを見下ろしている男の顔があった。


形容するなれば、その顔は閻魔の様で・・


「この度は、うちの子が無礼を。申し訳ない。」


そう言って大きな頭を下げる男の口調と態度は見た目とは裏腹に丁寧だった。


俺はそんな見た目との違和感に混乱しながらも


「えっと、閻魔のお父さん?ですかね、気にしてないんで頭あげてください」


「寛大な心に感謝する。ほら、お前も出てきなさい」


やはり腹に響くその声に続くようにしてどこからか俺が見知ったあのロリ閻魔が恐る恐る物陰に隠れながら出てきた。


「テメェ、このクソ閻魔が、こっちこい!!文句の一つや二つ言わせやがれ!」


「な!?さっき『気にしてない』って言ってたじゃないか!!や、やめて、暴力反対なのだ!」


ロリ閻魔の袖を掴みかかると、そいつはジタバタとして必死の抵抗を見せる。


取っ組み合いをしている俺たちに、デカい閻魔はため息をつきながら


「本来生まれ変わる者には金銭をある程度与えた上で転生させるのだが、その子のミスで無一文で転生させてしまった。申し訳ない」


「いやいや、悪いのはこいつですから!なぁ!?」


「はい!私がわりゅいですッ」


顔を俺の片手で掴まれた閻魔は目を泳がせている。


「それでだ」


さっきより一つ下がった声のトーンに、俺も涙目を浮かべている閻魔も黙って男の方を見る。


男は大きな指を俺たちの方に向けながら、問いかける。


「少年よ、そいつのことをなんと言った」


「え、閻魔ですけど」


ビクッッ!!


隣の閻魔の方が激しく揺れた、まるで動揺しているように


「閻魔は我だ。この煉獄には同名は1人としていない。・・・メンマ、お主はミスだけでなく意図的に名前まで詐称したのか?」


「そ、そんなことするわけないの−―っ!!」


「確かに言ってたぞ!閻魔の私を殴っていいのかって脅しつきでな!!」


「ほう?」


「すいません、すいません、すいません!」


メンマは体勢を土下座に移行させ、激しく頭を上下させている。


その様子を見て閻魔は深くため息をつき、メンマの名前を呼ぶ。


メンマの体はびくりとはね、おっかなびっくりと感じで顔をあげる。


「お主は今回の疑惑を認めるのか?」


「は、はぃ」


閻魔は大きくため息をつくと、ことの状況を整理し終えたのか落ち着いた口調で話し出す。


「そうか。なら」


チラリと俺の方を見てから


「サイトウソウタと旅を共にせよ。今回の罪を異世界の平和を持って償え。それが我からの命令だ、わかったな?」


「ちょ、ちょっとま−―」


「え!?む、無理なのだ!!それに魔法なんて何十年も」


「何か言ったか?」


「い、いや。なんでもないです」


メンマは片膝をつき、手を胸にやって忠誠を誓うポーズをとり、諦めの境地で覚悟を決めた、戦士のような顔つきになる。


いや、待て待て待て、今俺がいるのは魔王軍で−―


「ソウタよ、この度はよく勇気を出して死にもどってくれた、感謝する。未熟者ではあるが、これから魔王討伐までメンマをよろしく頼むよ」


気付けば俺とメンマの足元には魔法陣が広がり淡く光だす。


「ちょっと、俺の話を−―」


「それではソウタ・・いや未来の勇者よ、健闘を祈る!!」


またしても俺の叫びは、暗闇に飲まれていった・・・


読んでくださってありがとうございました

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