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物語調の詩/短編

ゆりかご

作者: 日浦海里

たたん たたん


頭の後ろで

それとも

どこか遠くで


耳に心地いい音が響く


ふわりと

空をたゆたう体は

音に合わせて静かに揺れて

ゆりかごのように行ったり来たり


視線の先に、

深い霧に覆われたかのように

淡く薄く広がる光が浮かんでいる


あぁ、あそこに行かなければ


そんな思考とは裏腹に

体は見えないゆりかごに囚われたかのように

腕は持ち上がらず

足も曲がらない

そもそも、腕も足もあるのだろうか

その感覚すらはっきりしない


たたん たたん


繰り返される音

鼓動に合わせるかのような一定のリズム


揺れながら

浮かんでいるはずなのに

深く深く沈んでいく


淡い光は更に淡く

気づけば暗闇がにじみ出すように広がっている


あぁ、「起きなければ」


不意に腕の感覚が戻り

無意識の内か、反射なのか

光に向かって手を伸ばす


淡い光と侵食する闇と反転し

その瞬間に、体は重力に囚われた


たたん たたん


頭の後ろで

ほんの足元で

耳に慣れた音が響く


たたん たたん

たたん たたん

最後までお読みいただきありがとうございます


疲れているときなんかは

特に抗うことが難しいのです

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