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緋色の一本道  作者: たむーん
3/3

表と裏

この街での仕事は終わった。

私はメイソンでは無くなる。

私は何になるのだろうか。

私はワタシだ。ワタシには変わりない。

ワタシは...ワタシ...。

いや、やめよう。

名前のことは置いておいて、仕事を達成しよう。

私は走った。

しばらく走り、街に着いた。

この街には表と裏がある。

表は明るく過ごせる綺麗な街。

裏は人から嫌われた者が集まる街のことである。

暴力、殺害、賄賂、暗殺、金がそこらへんにある場所だ。

私は元いた部屋に戻った。

窓から出たのだから、窓から入った。

壁を数回叩く。

「コードを。」

声が聞こえてきた。

裏に行くための常識だ。

「000。」

「さぁ、入りな。」

この部屋にないはずにドアが開いた。

開いたのではなく出現したと言った方が良いか。

ドアに手を触れる。

眩しい光が私を包んだ。

目を開けると、窓しかない部屋から賑わいのある暖かい光の路地に出た。

暖かい光だからって安全なわけではない。

あの暖かい光は人間の心臓だ。

ここでは違法なことも行われている。

禁忌に近い魔術師や触れてしまった者、騙され裏切られて捨てられた復讐の塊や人身売買などなど。

ここでは当たり前だ。

私の用事があるのはここを真っ直ぐに行った先にある、大きな建物。

私は見慣れた路地を歩く。

仕事の後はお腹が空くのだ。

ここでは違法や奇怪な店がたくさんあるが、その中でも最も危険な店に行く。

「コードを。」

コードとは暗号であり通貨でもある。

「020。」

「いつも通り承知した。持ってけ。」

何かが入った袋を貰った。

袋の中には青い水と黒い塊が入っていた。

この水は限定商品だ。疲れを一瞬で吹き飛ばす。

本当に一瞬なのだ。何が入ってるのかは知らんが。

黒い塊はパンのような物で、昔このパンに毒が入っており買って食べた人が死んでしまった事件があったらしい。

店主は行方を眩ましたが。

まぁ、ここの店主じゃないことを祈ろう。

私は食べながら歩いた。

やけに大柄な女の人、私より身長の低いエルフ、死んだ目をしながら笑う奇妙な物体。

私がいうのもアレだが、変なやつしかいないなぁ。

そんなことを思いながら歩き、目的地に着いた。

「コードを。」

「999。」

「奥へ来い。」

999は直接依頼主に会える。

999は緊急時以外使えない。

使ったら冗談では済まないことが起きるだろう。

「依頼ありがとう。」

依頼主は小柄な男の子だった。

声が子供らしくないが。

「どうも。コード2を。」

「純ピン1000だ。」

ピンとは共通通貨のこと。コード2は報酬のこと。

純が付くピンは通常のピンよりも価値が高く、1ピンがパン一つ分だとすると純ピンはパン5つ分ぐらいだ。

「次もいいかな。」

「連続依頼ということだろうか。」

「隣国の王子くんの暗殺を依頼するね。」

王子の暗殺は久しぶりだ。

「分かりました。では黄昏で。」

私は目を閉じる。

3秒数えて目を開けると私の部屋だった。

ベッドにダイブして目を閉じた。

疲れが取れたからと言って寝ないのはおかしい。

王子を殺すのは楽しみ。

仲良くなるために近づき、最期は裏切る。

興奮してきたなぁ。今ワタシはどんな顔をしてるんだろうか。

プランを考えながらゆっくりと眠りについた。

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