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不条理なこの世界で  作者: 夜那
4/5

水の下位精霊ウンディーネ

(ーдー)疲れた……

「はぁっ…はぁ……つ、疲れた…」

 

 どれくらい歩き回っただろうか。

私の感覚では二時間以上精霊の森を徘徊し続けた気がする。

 

 もう、足が動きそうにない。

気は鬱蒼と生えてるし、道はでこぼこしていて険しい。

 

 流石にもう歩けない。いや、歩きたくない。

 

「はぁー……喉乾いたぁ…」

 

 歩き回ったせいか、喉がカラカラ。

水、どこかにあったけ。

 

 《ねーね、いつまで歩いてるの?》

 

「な、なに!?」

 

 耳元から突然声が聞こえて、パッと立ち上がる。

 

 《ごめんごめん。ビックリさせちゃった?》

 

「な、何なの?また精霊?」

 

 《私をそこら辺の下位精霊と一緒にしないでくれる?》

 

「なら、何なのよ……?」

 

 《私は水の下位精霊、ウンディーネ!》

 

 「ウンディーネってあれでしょ?

水の精霊王に仕えてるっていう……」

 

 《何の話よ?それ。》

 

 「ん……違うの?というか、何で下位精霊なのに威張ってるの?」

 

 《い!?威張ってなんかないわよ!いい!?私は水の乙女ウンディーネ!上位精霊海魔クラーケンの親友なのよ!私を怒らせたらクラーケンが黙ってないんだから!》

 

「親友に泣きつくの?精霊なのに弱いんだね。」

 

 《な、な!?あんた、ちょっと失礼じゃない!?》

 

「それよりも、貴女水の精霊なんでょ?」

 

 《そ、そうよ!》

 

「だったら、水ちょうだい。喉乾いてるの。」

 

 《はぁ!?何で私があんたにそんなことしてあげなきゃならないのよ!》

 

 「じゃあ、証明できる?貴女が水の精霊だってこと。ウンディーネは凄い精霊なんでしょ?なら、水を出してみて。」

 

 《ふ、ふんっ!しょうがないわね!ちゃんと見てなさい!水よ、我の前に姿を表せ》

 

「おー……凄い。それに美味しい。」

 

 《でしょー!?ふふん、私ってば天才!後でクラーケンに誉めてもらわなくちゃ!》

 

 何この子、凄く扱いやすい。

チョロい……チョロすぎる。

 まぁ、喉も潤ったし…いっか。

 

「ねぇ、聞きたいことがあるんだけど。」

 

 《何よ?》

 

 「上位精霊ってどこにいるの?」


 《は?上位精霊?そこら辺にいるでしょ。たぶん。》

 

 「……叩き潰されたい?」

 

 《ひっ!?何、この送り人!ちょー乱暴なんですけどっ!!》

 

「いいからハッキリ言いなさいよ。じゃないと本気で潰すよ。」

 

 《うぐっ…せ、精霊の森の中心部よ。精霊の森の核の野老に精霊女王がいるから、その周辺を守ってるわ…》

 

 また怯えたような声色をだす精霊。

 失礼だな、本当に。

 

「その中心部ってどこにあるの?」

 

 《し、知らないわよ……》

 

「嘘つき。」

 

 《うっ……わ、分かったから手を下ろしなさいよー……!》

 

「早く教えて。」

 

《はぁ…中心部はあの木の方向を真っ直ぐ行ったところよ。今の時間帯なら、火の上位精霊がいるはずよ。》

 

「案内してくれないの?」

 

 《あのねー……水と火は相性が悪いの!それも、相手が上位精霊なら圧倒的に私の方が不利なのよ。》

 

「あ、そっか……火は水で消えちゃうし、水は火で蒸発してしまうものね」

 

《お分かりいただけたぁ?たから、ここから先は一人で行ってよね。》

 

「ふーん。教えてくれてありがと。」

 

 《ふんっ!あんな奴に声をかけた私がバカだったわ!あんな乱暴者だなんて!》

 

「聞こえてるんだけど、ウンディーネ。」

 

《ひいっ!?ご、ごめんなさぁぁぁい!!!》

 

 と、何かを叫びながらまた飛び去っていった。

 

「精霊って逃げ足早い。」

 

 逃げ足だけは本当に早いな、精霊は。たしか、この木だった筈。

 

 「ここを真っ直ぐ……か。」

 

その先は薄暗く、不気味だった。

 

「はぁ……行くしかないか…。」

 

 重たい足を動かしながら、少しずつ森の奥へと進んでいった。

(+.+)(-.-)(_ _)..zzZZ

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