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不条理なこの世界で  作者: 夜那
1/5

めんどくさい世の中

……(/´△`\)

あぁー…本当にめんどくさい。

 全てがめんどくさい。もう、どうでもいいや。お酒を飲みながら、尻目に周囲を見渡す。

 

上司らしき人に媚び諂うサラリーマン。

 

 バカみたいにヘラヘラして女の子をナンパする男。

 

 酒に酔い、周囲に喚き散らす禿げてる迷惑おじさん。

 

 身なりのいい男の腕に、媚びるように絡み付く欲丸出しの女。

 

 世の中、本当にめんどくさい。


人間はお金を得る為なら何だってする。それが自信を貶める事だったとしても。

 

 ほんと、全てがバカらしい。

 

確かにお金は生きる為には必要だと思う。お金があれば救える命だってある。


 私の母は、幼い頃に死んでしまった。それもこれも、すべてあの男のせい。私の実の父である、あの男。


 母が頑張って働いたお金を湯水の如く使い込み、挙げ句の果てに他所に女を作って、その女に貢ぐために莫大な借金を抱えて。しかも、自分は夜逃げし、母に全てを擦り付けた。

 

 母は莫大な借金を返す為に心身共に疲れ果てていても、仕事をし続けた。

 

 そのせいで体を壊し、病気になって呆気なく死んでしまった。

 

 当時の私はまだ中学二年生で、働くこともできなかった。出来る事といえば、家の掃除や母と私の食事を色々遣り繰りしながら作る事しか出来ない。

 

 そんな生活が続いて、私の心は殆ど死んだも同然。母が死んだときも、不思議と涙はでなかった。

 ただ、バカだなぁ…と。

 

 とても薄情だと言われるかもしれない。でも、それ程までに私の心は冷めきっていた。

 

 誰かが死んでも、苦しんでいても、何も感じなかった。だからなに?と。

 

 悩むだけ無駄。悩む時間があるなら

行動に移せばいい。愛だとかそんなのどうでもいい。


 生きていられるだけ別にいいじゃん。悲しむだけ無駄。悲しんだところで死んだ人が戻ってくる訳でもないし。

 

「あーあ、飲みきっちゃった。」

 

 今年で二十歳になり、働き詰めの毎日。借金は日に日に増えていく。

 

「ほんと…何の為に生きてるのかなぁ」

 

 だからって、悲観したりしない。

父親の事は憎い。でも、そんなのも…もうどうでもいい。

 

 いい加減、疲れたなぁ。

これから先の人生、楽しみな事なんてないし…もし死んだとしても、それは運命。逃れようとも思わないし、

 来るなら来ればいい。それでも私は、絶対悲観したりなんかしない。

 

 トラックのクラクションがうるさい。何で鳴らす必要があるの。

 って、何だろう。今の衝撃は。

 

「きゃあぁぁぁぁぁ!!!」

 

「おいっ!女性が引かれたぞ!」

 

何だか、周りがうるさい。

 あれ?でも、おかしいな。

何で私、地面に転がってるんだろう。

 誰かが私を指差して叫んでいる。

体から、何か流れている。

 赤……血?なんで、血が流れてるんだろう。

 

 頭が痛い……身体が動かせない。

意識が遠退いてきて、視界が真っ黒になり始めた。

 

「飲み……すぎた、かなぁ……?」

 

 そして、プツリと私の意識は途切れた。

((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル

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