プロローグ『0-ゼロ-』
-20XX年 8月-
あつはなついなんてギャグで言うけれど、それを素で言いそうになるくらい暑い夏の日だった。望みが叶ったのは
エアコンが全速力で稼働する音、扇風機が全力で回転する音、外のセミの鳴き声、そんな日常生活でよく聞く音に交じって、フル稼働のPCのファンの音、キーボード、マウスの音が鳴っていた。
それを全部遮るように、密閉型のヘッドホンをして、時間を忘れるようにPCゲームをしていた。
ふと、ゲーム内の時計を見ると夜中の2時を表示している。
俺は即座に対戦相手を倒し、ディスプレイの電源を落とす。なぜなら、今日は新作ゲームの発売日。しかも、そのゲームは最新のVR技術を入れていて、初回限定版では「初回限定版限定武器」「キャラのカード」「ゲームのポスター」と、とても豪勢な内容だったのだ。
無駄のない動きで、財布、携帯をポケットの中に入れ窓から家を脱出する。そして、携帯で幼馴染であり、友達であり、戦友でもあり、敵でもある、2人に連絡を取る。
「こちらケン、家からの脱出に成功し、田中電機に向かっている。」
「ケン、普通の喋り方でいいから。僕も今田中電機に向かっているところだ。」
と、幼馴染であり、戦友で(ryでロリコンのコウに渾身のギャグをスルーされる。
「面白くないけど、ケン君らしいね。私はもう田中電機について待ってるよ。」
笑いながらやさしく、俺の心をズタボロにするのは幼馴(ryのロリ娘のヒカリだ。
2人の反応に軽く傷つく。
この2人は小さいころから遊んでいて、昔は砂場で無邪気に遊んでいたのだが、今ではゲーム内での戦場である意味無邪気に遊んでいる。自分たちのチームワークは良いみたいで3年くらいでゲーム内ではかなり強いチームとなった。
懐かしい、あれは小学6年の夏だった。今ほど暑くない夏だった。
-本屋さんである、ゲーム物のラノベにはまったのだ。ほかにも、学園ハーレムもの、異世界ものなど色々読み漁ったりしていた。
-そして、中学1年生
無論、急な転校生、自分のことが好きな幼馴染、意地悪な女の先輩、ハーレム状態になるわけでもなく、交通事故にあって、異世界転生、駄女神、中二病的魔族、ドM騎士に会うわけでもなく、義理の妹がイラストレーター!?(自主規制)先生!?なんて展開にもならない。
ラノベ作家じゃないからそんな出会いはないんだけど。。。そういう展開に少し、いや、かなり期待をしていた。
-中学2年生
中二病真っただ中、2人に初めてラノベを読ませた。というより、読まれた。
俺はしばらくの間、オタクを隠し続けていたのだ。とても上手に隠していた。2人と遊びに行くときも、グッズを見て目を輝かせたいところだったが、瞼を閉じてすごっく、我慢した。学校内でラノベを読みたかったけど、我慢した・・・!!
ある日、家に帰ると、俺の大好きな『ゲームなしじゃ人生じゃない』を読んでいたのだ。ポッギーを食べながら。
俺は内心、今まで築き上げてきた、友情、信頼、すべて失うんだ。人生オワタ。と嘆いていた。きっと、2人はドン引きしながら「ケン君...ごめん...」「ケン、僕は君がオタクだとは...」とか言って俺を死体打ちするのか!やめろ!
そんな予想とは反し二人の返答は
「ケン君..この小説面白いね!!デザインもかっこよくて好き!!」
嘘!?ヒカリ、それ思いっきり下ネタ要素は言ってるだろ!?
「ケン...この女の子可愛いな!キャラデザが素晴らしい。アニメ化はいつだ?物語もとても面白いな、」
嘘!?コウ、大好きなヒカリがいるんだぞ!?そんなこと言っていいのか!?、てかアニオタ!?
その瞬間、俺の頭は高速で緊急会議を開いていた。
A「おい!、どういうことだ!二人とも引いてないぞ!」
B「もちつけ、もちつけー!!!」
C「とりあえず、二人ともゲーム物が好きだということはわかった。」
B「くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」」
C「どうする!?もしかしたら二人にゲームを進めて3人でこのラノベの元ネタのゲームの新作やったら、このラノベみたいなことになるんじゃないか!?てか、二人とゲームやりたい」(謎思考)
A「・・・!」
B「・・・!おうどん食べたい」
俺は決意した、3人でゲームオタクになろうと。
-それから、3年立派(?)なゲーマーになった。
おっと、回想に入っていたらついた。2人はもう着いているみたいだ。
「あっ!やっと来た!」
ヒカリが真っ先に気づく
「おう、新作ゲーム楽しみだな。僕ら以外誰もいないみたいだぞ」
「そうみたいだnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnn
この瞬間からか、記憶がなくなったのは・・・
そして俺は今、異世界転生している。