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王都、陥落


 十河は今、ベインウルフと馬車の中で話している。

 紹介も兼ねて高雄姉妹も一緒にいるようだ。

 十河の望みで同席しているらしい。

 時折、馬車の中からは笑い声も聞こえてくる。


 俺たちは、東への移動を再開していた。

 馬に乗りながらセラスと会話していると、


「そちはセラスとよく話しているが、よくそれだけ話題があるものだな」


 やって来たのは、狂美帝。


「陛下が来られる時が、たまたまワタシがセラスと会話している時なのでしょう。まあ――会話がなくとも、セラスは傍にいるだけで居心地をよくしてくれる相手ですが」

「私も、その……はい」


 面映ゆげに同意を示すセラス。

 狂美帝は鼻を鳴らしながら微笑し、


「まったく、妬ける関係だな」


 そう言ったあとで、表情を厳格な皇帝のものにした。

 雑談をしに来たわけではないらしい。


「何か新しい動きが?」

「そうだ」

「朗報だとよいのですが」

「残念だが朗報とは言えぬな。どうやらヴィシスがいよいよ出してきたらしい。白き軍勢――聖体軍を」


 セラスが息を呑んだ。

 アライオンの王都に潜入している間者から軍魔鳩が届いたという。


”王都エノーの王城付近に、先日から多数の聖体が姿を現し始めた”


「どこから湧いているかは、まだ正確に掴めていないようだが……」


 狂美帝はそう言って、


「やはりヴィシスはキリハラやアヤカを使い、くだんの模造聖体を増やす時間を稼いでいた――そう見てよさそうだな。ヴィシスが王都から動かぬのは、聖体を生み出すのにその場所である必要があるのかもしれぬ」

「数はさらに増えると見て動くべきでしょう。それから、追放帝が生み出した聖体より強力な聖体が生まれることも、想定すべきかと」


 聖体軍は城をぐるりと囲むように展開しているそうだ。

 数を増やし、王都の外まで溢れてくるかもしれない。

 狂美帝は最果ての国の方角を見て、


「こうなると……こちらもいよいよ数が必要となってくる。最果ての国に援軍を請うたのはやはり、正解だったようだ」


 いずれくる大きな戦いの予感。

 ミラ軍はそんな予感を纏いながら、アライオンを目指し移動を続けた。



     ▽



 ウルザの王都モンロイ――陥落。


 ウルザ兵の多くがモンロイとその近辺から逃亡。

 あるいは降伏した。

 何より決定打となったのは――


 ウルザの魔戦王が、早々に王都から逃亡した。


 本来こういう時こそ周りを鼓舞し士気を上げるのが王の役目。

 が、その王が周りの家臣だけ連れて真っ先に逃げ出したのである。

 民を置き去りにして。


 王が一目散に王都から逃亡。

 兵もその多くが逃亡。

 主力の魔戦騎士団は先のミラ軍との戦いで半壊。

 竜殺しもいない。

 そんな中にあって狂美帝は、


 ”降伏すれば身の安全は保障する。むしろ協力的であれば、今後を見据えた交渉にいくらか色をつけてもいい。ちなみに時間経過で、交渉の条件は悪くなっていく”


 そう交渉を持ちかけた。

 効果はあったようで、残された家臣たちは早々はやばやと白旗を揚げた。

 混成軍からモンロイへ送られた捕虜もすぐに解放された。 

 王城も、あっさり明け渡された。


 こうして――大した戦いもなく、ミラ軍はモンロイを陥落せしめたのである。


 混成軍はというと、さらに後退を続けているようだ。

 つまり、モンロイに立ち寄らずそのまま通過したのである。

 見ようによってはモンロイを見捨てた形にもなる。

 が、そこはやはりネーアの女王さまが上手く言いくるめたのだろう。


 向こうは異常な突出戦力だった十河綾香を失っている。

 逆にこちらはというと、狂美帝率いる援軍が合流した。

 戦力差で勝てないとする判断も決して非合理ではない。


 ”ならば、我がネーアやバクオスの援軍を望める位置までこのまま後退すべき”


 もしかすると、そんな風に言いくるめたのかもしれない。

 ちなみに俺は、


 ”魔戦王が民を見捨てて逃げ出した”


 このおふれを徹底的に広めるよう狂美帝に提案した。

 王都からウルザ全土へ波及させる勢いで。

 悪意的な脚色もそれなりに加えた。

 これでウルザの民は魔戦王へ悪感情を抱くだろう。

 そもそもモンロイのウルザ人たちは、


 ”自分たちが戦火に巻き込まれないなら”


 そんな調子で、敵対的な空気自体かなり希薄だったらしい。

 ……果たして魔戦王には、人望というものがあったのだろうか。

 一方の狂美帝は、ウルザ人に極力危害を加えぬ方針を示した。

 戦争につきものと聞く敗戦国の民への略奪や暴行。

 が、ミラ兵がこれをやっている様子はない。

 少なくとも俺の把握できる範囲では、だが。

 ここは、狂美帝率いるミラ軍ゆえの統制力によるものかもしれない。

 

 それと――途中で戦力を割り振ってきたウルザ領内の砦攻略。

 そちらも問題なく進んでいるようだ。

 さらには最果ての国の援軍もそれなりに近くまで来ている。

 最果ての国勢は、軍を移動の早い軍と遅い軍の二つに分けたそうだ。

 移動の早い戦力をこちらへ先に合流させるつもりとのこと。

 リィゼたちと一緒にいるミラの使者が軍魔鳩でそう知らせてきた。


 そうしてミラ本軍は、占領の維持に必要な兵力だけをモンロイに残し――

 他は休息と補給が済み次第、明朝、再びアライオンを目指すこととなった。



     ▽



 翌日の朝。

 モンロイの外壁近くで、俺たちは出立の準備を整えていた。

 占領後に休息と補給を終えたミラ本軍は、そろそろモンロイを離れる。

 朝日を浴びる外壁を見上げる。


「しかし、こんな形でまたモンロイに訪れることになるとはな」


 外壁から視線を外し、後ろを振り向く。


「で、ここから北東にあるネーア聖国を抜ければ……いよいよあのクソ女神のいるアライオン、か」


 少しずつ、近づいてきている。

 この物語の始まりの場所へと。


「ん?」


 近づいてくるのは狂美帝。

 ……俺が一人でいる時、よく来る気がする。


「よいか?」

「ええ、陛下ならいつでも歓迎でございます」


 こうなると最近はもう自然と人払いがされる。

 狂美帝はウルザの外壁を見上げ、


「実質的に、これでウルザ攻略は済んだと考えてよかろう」

「占領までの流れ……実に鮮やかな手腕でございました、陛下」

「ミラの狂美帝として、このくらいはな。ところでどうだ? 使い魔から、何か新しい情報は?」

「実は前回の報告以降、報告自体が止まっておりまして」


 そう。

 最近、使い魔にエリカが浮上してこない。

 少し前まで使い魔は頻繁に稼働していた。

 負荷が溜まって今は休んでる――これは、ありうる。

 発声による言語伝達をしなくても負荷は積み重なるからな。

 ……ただ、もしそうでなければ。

 狂美帝が懸念の相を浮かべ、今度はアライオンの方角を見やった。


「実を言うとこちらも、エノーに潜入させている間者の報告が先日より途絶えている。何かあったのでなければ、よいのだが」


 そういえば、と狂美帝。


「使い魔だが、ヴィシスが用いることはないのか?」

「それはないかと」


 エリカ曰く、ヴィシスは使い魔を用いない。

 否、正確には”使えない”のだという。

 かつてヴィシスの近くにいた頃、それは確認済みとのこと。


 思い返してみても……。

 使えるのなら使うべき局面はいくらでもあった。

 が、一度も使われていない。

 なので、実は使えましたパターンはないと見ていいはずだ。

 遙か昔に失われた古代の力――使い魔。

 エリカはその力を魔群帯のあの家で復活させた。

 そういやミラの迎賓館で情報交換をしてた時……。

 ヴィシスでは使えない仕掛けがある、なんて話も聞いた気がするが。


「とすると、警戒すべきはヴィシス側の間者だが……ミラの帝都ではその間者らしき者を何人か捕らえたそうだ。この軍では今のところ、そういった者は見つかっていないようだが」


 そっちも警戒してはいる。

 ミラ軍の中に紛れている想定もしておくべきだろう。

 そしてそれは。

 俺が今も蠅王装をあえて着用しているのとも、少し関係している。

 俺を”トーカ”と呼ぶのをよしとしているのもその一環にある。

 ちなみに馬車の外へ出る際に高雄姉妹が蠅騎士装なのも間者を意識してだ。

 あとは浅葱に妙なヤツが接触しないかも一応、ミラの者に監視させてある。

 が、


「…………」


 黙り込んだ俺を見て狂美帝が、


「どうした? 何か、気がかりでも?」

「あるいは……ヴィシスは、実はワタシたちにあまり注意を払っていないのかもしれない――ふと、そんな気もしまして。いえ、あくまで直感的なものなのですが……」


 狂美帝の言うように。

 強力な聖体軍を生成する時間を稼いでいた。

 これはある――と思う。

 ……ただ、なんと言えばいいのか。

 現状ヴィシスにとって目障りな存在があるとすれば。

 それは、俺たちを含むこのミラの勢力くらいに思える。

 ……しかし。

 俺たちを全力で叩き潰しにきているという感じが、いまいち――



「陛下! 急報にございます!」



 血相を変えた伝令が、駆けつけた。


「何ごとか」

「魔防の戦城の西に位置するパヌバ砦が――多数の金眼及びっ……じ、人面種に襲われたとのことです! そ、それと……金眼が襲来する直前に砦の方で何か異様に大きな音と、不可思議な紫色の光も確認されており――」


 魔防の戦城?

 ああ、確か……


 魔群帯をマグナル方面へ北に抜けた先にあるのが、魔防の白城。

 魔群帯をウルザ方面へ南に抜けた先にあるのが、魔防の戦城――だったか。


 いや、それよりも……


「紫色の光に、異様に大きな音……?」


 思い当たる節がある。

 魔防の白城の戦いの時だ。

 大魔帝軍が用いた魔帝器とかいう名の……


「魔群帯の魔物を呼び寄せる力を持った、大魔帝軍の用いた道具……それも確か、そのような光と音を発していたはずですが……」

「だとすれば……なぜそこにそのようなものがあった?」


 と、疑問を呈する狂美帝。


「ヴィシスがこっそり回収し運ばせていたか……あるいは、ずっと以前からそこに眠らせてあったのかもしれません。追い詰められた際の、共倒れ用に」


 他の砦は降伏、もしくは陥落している。

 が、追い詰められたとある砦の一つがどうもそれを使用したらしいのだ。

 もし効果を知っていたなら。

 普通に考えれば、正気の沙汰ではない。

 しかも下手をすれば――


「……北方、魔群帯」


 そう呟いた俺に狂美帝が気づき、


「北方魔群帯? それが……どうしたのだ?」


 桐原との戦いが始まる前。

 あいつは人面種をミラへ侵攻させようとしていた。

 中には、北方魔群帯の深部を棲み家としていた人面種もいるようだった。

 あの戦いのあと。

 桐原が引き連れてきた人面種の動向。

 念のため使い魔でそれを軽く調べてもらっていた。

 桐原戦後、人面種は魔群帯の南西エリアにいた。


 使い魔によれば、このところその人面種がとのことだった。


 桐原の支配が解け、自由になったためだろう。

 しかし――棲み家だった北方魔群帯からは遠く離れてしまった。

 つまりそいつらの一部が今、魔群帯の南方付近をうろついている……。

 けれども使い魔を通してその様子を確認したエリカは、


 ”魔群帯の外まで出てくる気配はなさそうよ”


 そう見ていた。

 魔群帯内を棲み家と認識しているのか。

 けれども。

 あの魔帝器が、使われたのなら。



 ――




 俺は、その見立てを狂美帝に話した。


「人面種は嗜虐的で残忍な性格を持ちます。人間を痛めつけたり、殺したり……そういった行為を楽しむ傾向が強い。少なくとも今まで遭遇してきた人面種は、総じてそうでした」

「つまり――」

「人の集まる場所を感知し襲ってくる危険がある、ということです。今の報告を聞くに、魔防の戦城に近い砦の近辺をうろついているとのことでしたが……」


 パヌバ砦で起きた状況を誰かが軍魔鳩で伝えてきた。

 ならば。

 現地にいるミラ兵らは、まだ全滅していない可能性がある。

 撤退が成功していれば今も生きているだろう。

 いや、それより――


「うろついている地域が、問題なのです」

「――そうか」


 狂美帝も同じ危惧へ辿り着いたようだ。

 そう、ルート的に――



「我々と合流すべく向かっている最果ての国の軍を、襲いかねません」



「……ッ」


 しかも突出して危険とされる北方魔群帯深部の人面種。

 今回の件、ヴィシスの指示かまでは不明だが……。


「すまぬ……余は、そこまで想定していなかった」

「いえ、陛下にこれといった手落ちはないかと存じます。何より……他国の砦の中に隠すように眠っていた魔帝器となれば、想定は困難だったかと」


 最近運び込まれたものならともかく……。

 元からその砦にあったなら情報を得る機会はないに等しい。

 また、先の魔防の白城で用いられたものとも限らない。

 たとえばヴィシスの手製のものが元々眠っていた、ってのもありうる。

 もしくは過去の根源なる邪悪の未使用品を回収したもの、とか。

 存外、効果すらわからず埃を被ってたのかもしれず。


 ”追い詰められて使用したらしい”


 報告ではそうなっていたが。

 効果もわからず、破れかぶれで使用した可能性だってありうる。


 ”よくはわからないが危険なものだ”


 それくらいの情報しか、知らなかったのかもしれない。

 ともあれ、想定は難しかっただろう。

 ……さて。

 このままでは。

 最果ての国の援軍が人面種に襲われる危険がある。

 狂美帝は、


「軍魔鳩で最果ての国の援軍に危険を知らせ……一度、南下させる。そこから危険な地帯を避けさせた上で、我々のいるところを目指す方針はどうだ? その場合、合流はかなり遅くなってしまうが……」

「魔群帯から出てきた人面種を放置した場合どうなるか……そこはいささか、気にかかります。もしその人面種たちによって大街道が使えなくなれば、今後の兵站にも大きく影響が出ましょう」


 魔防の白城の時は、魔群帯の外へ出てきた金眼はすべて始末した。

 ゆえに今回は、未知の状況となっている。


「う、む……帝都を追放帝が襲撃してきたのと同時期に、多数の金眼が地下遺跡から溢れ出たのが確認されている。溢れてきた金眼どもは駆逐するよう命じてあるが……今もミラ領内をさまよっており、被害も出ているようだ」


 そう、


「南下した最果ての国の援軍を人面種が追ってくる可能性も、なくはないかと」


 ミラ軍の背後に金眼の魔物や人面種がうろついてる、ってのも。

 あまりよい状態とは言えまい。

 というか、これは……


「陛下――対処については、ワタシにお任せいただけますか」


 口を開きかけた狂美帝を手で制し、


「幸い、話にあった砦とここの距離はそこまで遠くありません。陛下たちとの再合流も、しやすいかと」


 そして、と俺は続ける。


「この軍で人面種を倒した経験があるのは二名。対処できるのはワタシかアヤカ・ソゴウでしょう。倒した経験はなくとも他に倒せそうな者を挙げるなら、ヒジリ・タカオも入るかもしれませんが」

「アヤカ・ソゴウは……どうだ?」

「無理とも言い切れませんが……実はワタシにとってもこれは、もしかすると”最後の仕上げ”になるかもしれないのです」

「仕上げ……?」


 もし機会が作れたなら――決戦前にやっておきたかったこと。

 それを、思わぬ形でやれる可能性が出てきたとも言える。


「ですので陛下、この件はどうかワタシにお任せください。後方の砦を落としたミラの兵たちも、その一部は最果ての国の者たちと共に陛下との再合流を目指す方針だったはずです。その彼らを脅かす人面種らの対処をしなければ、数を増やしている例の聖体軍と戦う際の戦力を減らすことにもなります」

「……そう、だな。その通りだ」


 俺はセラスを呼んだ。


 もし【女神の解呪(ディスペルバブル)】が絡んできた場合、戦力として必要になる。


 セラスは状況の説明を聞き終えると、


「――事情は承知いたしました。私の力が必要でしたら、いくらでもお使いください。何より……最果ての国の方々を救うことに繋がるのなら、私の力が役立つのは嬉しく思います」


 俺が発ったあとのことを任せるため、高雄姉妹も呼んでおいた。

 馬車が来て、中から蠅騎士装の姉妹が出てくる。

 手早く事情を説明する。


「――ってわけで、一時的に俺とセラスはここを離脱する。ただ、ムニンは連れていけない」


 三人乗りは、速度がかなり落ちる。

 また、今回の戦いが俺の想定するものとなるのなら――

 ムニンを守り切るのは、かなり難しいだろう。

 連れて行ってもムニンは戦いの最中、俺たちから離さなくてはならない。 

 なら、


「そこで、おまえたちにムニンを頼みたい。ムニンは決戦の鍵だからな」


 高雄聖に預けた方が、安全に思える。


「わかったわ」

「適宜、状況判断もおまえに任せる。狂美帝とのやりとりも、おまえなら俺の代わりになるだろう」

「ご期待に沿えるよう、全力は尽くすつもりよ」

「……あれこれ任せて悪いな。十河の方もあるのに。それに、浅葱もか」

「三森君が私に任せると判断した。なら、きっと正しい判断なのよ」

「そこまで信用されちまうと……かかる重圧もけっこうなもんだな」

「客観的事実に基づく見解だから、安心して」


 俺は樹に、


「おまえも、あとを頼む」

「それはいいけどさ。そっちもちゃんと無事に戻ってこいよ? スレイと、ピギ丸も」

「ピギッ」

「パキュッ」

「セラスさんもなっ」

「はい、ありがとうございます」

「――あのっ」


 来たか。


「ムニン。事情は聞いたな?」

「ええ。みんなが無事ここへ辿り着けるように……どうか、お願いします」


 放っておけば、最果ての国のヤツらが危険になる。

 相手は北方魔群帯の人面種。

 同郷のムニンが人並み以上に心配するのも、当然だろう。

 ムニンは、ヴィシスとの決戦の鍵でもある。

 決戦前に精神を変に不安定にさせたくない。

 精神の不安定さは時に、一瞬の判断を鈍らせかねない。

 メンタルもできるだけ、万全の状態を保ってもらう必要がある。

 俺は、


「安心しろ」


 スレイへの魔素注入を、開始――




「そのための、蠅王自らの出陣だ」






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― 新着の感想 ―
ムニンが鍵だというけど⋯ ディスペルはまだ教えてないと思うんだけど まぁ、鍵ではあるよね
[気になる点] 十河の精神状態が正常に戻りきってたら、シルバーワールドの銀の馬を使って、もっと高速移動ができただろうにな。
[気になる点] ヴィシスの使い魔を「使えない」が「(疲れるからわざわざ)使う必要が無かった」だと局面が大きく変わるなぁ(使い魔替わりの目耳は沢山いたから…最近減って来てるけど)
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