隠滅から、帰還へ
幕舎へ戻ると、何やら賑やかになっていた。
押しかけていたのはネーアの聖騎士たちだった。
セラスは姫さまともう幕舎の外へ出ている。
顔つきからして……。
お別れ前の時間は、それなりに満足いく形で過ごせたようだ。
セラスは俺が戻ったのにすぐ気づいた。
手の仕草で、
”そっちの相手をしてろ”
そう伝えると、セラスは聖騎士たちの相手に戻った。
「やはりセラスは、今も元配下に慕われているのだな」
一応口調を変えたままイヴの言葉に続く。
「今もあれだけ慕われてるのは、あのカトレア姫の力も大きいのでしょうね」
行動だけ見るならセラスは国の占領寸前に逃亡した騎士団長。
が、あの姫さまが巧みに印象を操作したのだろう。
”自分なりに考えがあってセラスを逃がした”
残った聖騎士たちにはそんな風に説明したのではないか?
でなければ、皆が皆あんな温かく元騎士団長に接するとは思えない。
そして実際、セラスはこの局面で味方――俺たちを引き連れて馳せ参じている。
”こういう時のためを思ってセラスに別行動をさせていた”
後づけでそんな感じに説明すれば聖騎士たちも、
”姫さまは後々のことも考慮してセラス様を逃がしたのだ”
と、内心納得する――否、せざるをえない。
意図はどうあれ、結果としてセラスの逃亡が”ここ”へ繋がったのだから。
繋がって、しまったのだから。
ただまあ、
「カトレア姫のアレコレは、最終的にはすべてセラスを想っての行動でしょう」
「あの姫にして今のセラス・アシュレインあり、か」
あごを弄りながら、イヴがこっちを横目で見る。
「何か?」
「”これから”のセラス・アシュレインは、そなたにかかっているがな」
フン、と鼻を鳴らす。
「……そうなのでしょうね」
ひとしきり別れを終えた頃、身なりのいい騎士が幕舎へやって来た。
ネーアの紋章が確認できる。
「カトレア様、ポラリー公がアライオンの将を連れて訪問されております。いかがいたしましょう?」
姫さまが首を傾げ、懐中時計を確認。
「軍議開始までには、まだ時間があるはずですけれど」
「いえ、実はその……」
騎士がセラスを一瞥。
「是非ともセラス様にお会いしたいと、そうおっしゃっておりまして」
睫毛を伏せて、小さく微笑む姫さま。
「なるほど。そういえばポラリー公は、セラスの”記念品”にご執心でしたわね。ですがそれには、わたくしの許可ではなく”今”のあるじの許可が必要ですわね」
言って、姫さまが俺を見やる。
と、つられて聖騎士たちの視線も一斉にこっちへ注がれる。
しかし……マスクは楽だ。
マスクをしていると表情の微細な変化を読まれない。
表情コントロール分のリソースを他へ割ける。
俺は、前へ出て言った。
「ポラリー公爵は、アライオンの貴族でしたね? ネーア聖国にとって、セラスを彼に会わせることに何か得はあるのでしょうか?」
一瞬、姫さまが虚をつかれた顔をした。
が、すぐに微笑みを取り戻す。
「そうですわね……ポラリー公はアライオンでも高名な公爵家の次期当主。”我が国”の心証をよくしておく分には、今後を考えても損はない……わたくしは、そう考えておりますが」
なるほど、と相槌を打つ。
「ではその話、カトレア姫の同行を条件として受け入れましょう。もちろん、セラス本人がよければになりますが――」
セラスは諸々を了解した顔で、胸に手をあてた。
「私が何か姫さまのお役に立てるのでしたら。我が主の許しも、出ましたし」
早速セラスは、聖騎士たちを引き連れて幕舎を離れた。
馬に乗った姫さまが、俺たちの近くで止まる。
「お心遣い感謝いたしますわ」
「こたびの戦、ネーア聖国はその功績如何によって神聖連合への復帰が決まると聞きました。その決定権を持つのが実質的な神聖連合の長として君臨する女神のいるアライオン……となれば、アライオンの有力者の心証もどこかで大事となるでしょう。それに――」
馬上の姫さまを見上げる。
「あなたが一緒にいてくれるのなら、おかしなことも起きないでしょうし」
「お任せくださいまし。セラスにも仕込んではありますが、わたくしはそれ以上に度の過ぎた男性の”色ボケ”のあしらい方を心得ておりますから。ベルゼギア殿の信頼にはしっかり応えますわ。それから……」
とある方角を眺める姫さま。
「例の件、準備が整ったようですわ。指示はもう出しておりますので――後はベルゼギア殿のよきように」
俺は軽く一礼。
「取り計らい、感謝いたします」
「あなた方のしてくださったことを考えれば足りないくらいです。五竜士の件も含め、返し切れないほどの恩義ですわ。まあ――」
口もとへ優雅に手をやる姫さま。
「シビト・ガートランドとわたくしの婚儀が予定通り行われていたなら、のちに”人類最強”の子をこの身に宿し、そして生まれた我が子に最強と呼ぶに値する血が受け継がれていたなら、その子に反バクオスの旗手となってもらう――そんな手を、考えてもいましたが」
さらっと言ったが。
なかなか怖い姫さまである。
しかし、
「そんなあなたが傍にいたから、セラスも清濁の”清”の部分を失わずいられたのでしょうね」
「…………」
「ワタシはあなたのその鉄の精神力に感服します。前国王であられた父君、さらには国を失ってもなお、強い意志を失わず、常に国を想い、最善手を打とうと努力している……まさに、人の上に立つ者のあるべき姿と言えるでしょう」
各国の位置的にネーア聖国は今後重要な駒となるかもしれない。
おだててでも好意を上げておいて損はあるまい。
……まあ、おだてるも何もすべて事実だが。
すると姫さまは、
「守るに値する民と感じなければ、ここまで必死にならず、とっくに国を捨てて逃げ出しておりますわ」
と、言った。
ふむ。
「王族としての義務ではなく個人的な感情でしていること、と」
「セラスのことにしてもそうですわ。守るに値すると感じなければ父の手から彼女を守りはしませんでしたし、バクオスの魔の手から逃がそうとも思わなかったでしょう」
「――そんなあなたも、想われるに値する姫君なのでしょうね。セラスを見ていればわかります」
ひと時の沈黙。
ゆらゆら揺れる篝火に照らされた姫さまの容貌。
眉目秀麗。
彼女のその顔つきは普段から”作って”いるのだろう。
漂うこの独特の空気が気品ってヤツなんだろうか?
視線を俺へ戻すと、姫さまは目もとをゆったりと緩めた。
「ベルゼギア殿は、不思議な方ですわね」
「このような面をつけていれば不思議がられもします」
「そうではなく――失礼ながら、あなたはセラスが好む気質の殿方とは思えませんの」
感服の気配を帯び、姫さまが言う。
「その”仮面”を脱いだ時のあなたがどんな感じなのか、わたくしも少し興味がありますわ。不思議なのは、今の”仮面”をつけている時のあなたもわたくしの目には偽りの姿と映りませんの。なんと言ってよいか……”本物が二人いる”みたいな――そんな、奇妙な感覚ですわ」
▽
セラスたちの向かった方角は何やら盛り上がっていた。
俺たちはその盛り上がりを背後に別の方角へ足を運んでいた。
幕を手で控えめに払いのける。
陣幕の中へ足を踏み入れ、イヴが続く。
急ごしらえの目隠し用の陣幕。
ただ、姫さまの幕舎みたいに天井はない。
見上げれば澄み渡った夜空が見える。
「広さは――頼んだ通りの広さにしてくれたみたいだな」
転移石の効果範囲に合わせた広さ。
そして……。
陣幕の中には、聖騎士たちに収集を頼んでいた”それら”が並べてあった。
さて、
「そろそろ帰還する時間だが、その前に……」
俺とイヴは並んで立ち”それら”を見下ろす。
姫さまに頼んだのはこの陣幕の設置以外にもある。
魔戦車の残骸の収集だ。
そう。
今この陣幕内には、魔戦車の残骸が並べられていた。
「こいつを処理しないとな」
魔戦車の残骸に、俺は【フリーズ】を使用した。
大きめの残骸がみるみる凍りついていく。
陣幕内には二本の大槌が置かれている。
これもイヴを通してネーア側に頼んでおいたものだ。
当然、凍結状態の残骸を粉砕するための道具である。
大槌を一本、手に取る。
「そんなに時間はない、急いで取り掛かるぞ」
「うむ」
俺たちは残骸の処理に取り掛かった。
数に制限があるので、一つずつ凍らせて順々に砕いていく。
魔戦車の残骸をここに残していくのは気が進まない。
消せる痕跡は消していきたい。
伝聞のみの魔戦車。
残骸が存在する魔戦車。
この両者には、やはり大きな違いがあるだろう。
残した残骸が後々になっていらぬ”痕跡”となる可能性は十分ある。
「ところで、一つ疑問なのだが……」
作業しながら、イヴが言った。
「なんだ?」
「転移石を使ってこの残骸もまとめて転送すれば、わざわざこんなことをせずともよいのではないか?」
最もな疑問である。
なぜ残骸もまとめて転送してしまわないのか?
それは――転移石に一つ問題点が存在するためだ。
転送できる量に限りがあるかもしれない、というのである。
エリカ曰く、
『範囲内の物質量が多すぎるとすべては転送できないかもしれない』
とのこと。
全転送が確定でない以上、リスクは減らすべきである。
ただ、
『きみたち三人とピギ丸、スレイくらいは確実に転送できるはず』
と言っていた。
しかしそれ以上となると保証はできない、というわけだ。
そんな事情があるため、転送する物質の量を極力減らしておきたい。
となると、魔戦車の残骸は減らすべき第一候補となる。
が、俺たちの痕跡となる魔戦車の残骸を放置していくのは気が引ける……。
そこで登場するのが――【フリーズ】だ。
アシントの死体と同じく砕いて”消す”。
この方法なら、ほぼ確実に痕跡として残らない。
他人任せにせず自分の手で処理する安心感もある。
「…………」
なんとなく、だが。
完全犯罪の達成でも目指している気分である。
見方によっちゃこの【フリーズ】は危険極まりない能力だ。
能力を知られていない状態なら、いくらでも死体や証拠物品を処理できる。
もしこの能力が連続殺人鬼の手にでも渡ったらと思うと、恐ろしい話だ。
――なんてことを考えながら、俺は、作業に没頭していった。
そして、
「……こんなもんか」
「うむ。この地面に散らばる粉が元はあの戦車とは、誰も思うまい」
「――っと、あれもだな」
陣幕の隅に置いてある”それ”。
イヴがアイングランツへ投擲したエリカ手製の槍。
魔戦車だけではない。
こういった武器類も捜してもらい、ここへ運び込んでもらっていた。
手に取って状態を確認する。
やはり一度使っただけで使い物にならなくなったらしい。
複数回の使用を想定して作っていない――エリカの言葉通りである。
なので、やはりこの槍も同じ方法で”処分”する。
こうして――
不用品の処分を終えた俺とイヴは、大槌を陣幕の外へ置きに行った。
そして、天幕の中に戻ってくる。
今、地面には小麦粉みたいな粉が散らばっているのみ。
見ると、陣幕の布がパタパタと揺れている。
風が出てきたらしい。
幕の下の隙間から、粉が風に乗って外へと散らばっていく……。
ザッ
かたまりを、足で払う。
と、大量の粉が幕下の隙間を通って夜闇の中へと一気に流れていく。
残ったわずかな粉も、いずれ風に乗って消え去るだろう。
「…………」
これで、魔戦車やらエリカ手製の武器やらの痕跡は消える。
「あとは――生きた痕跡が消えるだけだな」
懐から転移石を取り出す。
時間が経てば経つほど面倒なことになりかねない。
やるべきことを済ませたら――長居は無用。
後はセラスを待つのみ。
と、イヴが口を開いた。
「しかし……ネーアの者たちも、よく残骸をあそこまで集めてくれたものだ」
時間的な余裕がそれほどない状況だ。
確かに、こればかりはネーア側の協力がなくては厳しかった。
「なんつーか、真面目だよな」
生真面目な元聖騎士団長の影響も強いのだろうか?
声の調子に安堵を含ませ、イヴが言う。
「それにしても……こたびの戦い、誰も途中退場せずに済んでよかった。深い傷を負った者もいない。戦車は壊れてしまったが……」
出立前。
俺はエリカに、改めて遠まわしに尋ねてみた。
△
『この魔戦車、返せる保証はないぞ』
『――笑止。北方魔群帯を抜けるなんて無茶をやるのよ? 無傷で返して欲しいんだったら、エリカはそもそも貸さない』
手もとに戻ってこないのは承知している。
言外に、そう言っていた。
『何か裏があるのかと訝しくなるほど、気前がいいな』
エリカはこう答えた。
『エリカの作った魔戦車や魔導具がきみたちの身代わりになるなら、それはそれでいいわ。この魔戦車が壊れるより、きみたちが壊れる方がエリカは寝覚めが悪いもの。特に、リズのことを考えたらね』
▽
そんな会話を思い出しながら、イヴを見る。
そのイヴは片膝をつくと、どこか労わるように、わずかに残った地面の粉を撫でた。
「エリカの協力なくしては我らも皆、こうして無事ではなかったかもしれぬ。それにしても……禁忌の魔女があれほど善意に寄った者とは、我も予想外だった」
おまけにエリカは頭も切れる。
となれば、どこぞの女神からすれば目障りの極みだったはず。
しかもエリカはあの発明家っぷりだ。
悪くすれば女神よりも”信仰”を集めかねない。
味方へ引き込めないのなら、邪魔者でしかなかっただろう。
「…………」
もし、エリカが女神側だったら……。
厄介極まりなかっただろう。
と、イヴが何かに気づいた。
「む、この気配は――」
「おまたせいたしました」
幕をくぐってやって来たのは、セラス。
「意外と早かったな」
セラスは微笑み、眉を八の字にした。
「姫さまのおかげです。あの方が、上手く切り上げ時を作ってくださいました」
俺の信頼に応えた、さすがの仕切りである。
「感触は?」
セラスの苦笑が、深みを増す。
「戸惑うほどの歓迎の空気と言いますか、なんと言いますか……」
イヴが口を挟む。
「そなたの美貌の話はもはやこの大陸では神話級だからな。直接その目で見るのを熱望していた者たちからすれば、神話上の神にでもお目にかかった気分なのだろう」
目は笑みの形ながら、口をへの字に曲げるセラス。
「それはさすがに、大げさすぎるでしょう」
俺は聞く。
「アライオンのポラリー公爵とやらの反応は、どうだった?」
「ポラリー公は、たくさんの配下を連れて訪問されていまして……直接お会いするのは初めてだったのですが、その……なかなか熱烈な方でございました」
言葉を選んではいるが、戸惑いが伝わってくる。
セラスは苦笑を維持しつつ、難問に悩むみたいな顔になった。
「『握手したこの手はもう二度と洗いませんぞ』と、興奮気味に言われたのですが……私はなんと返せばよかったのか。姫さまによれば”首尾は上々”とのことでしたが……ああ、そういえば姫さまの発案で――」
セラスがこの戦場で騎乗した軍馬。
それが、ポラリー公へ贈られることになったそうだ。
ポラリー公は、
『このご恩はしっかり心に留めておきますぞ、カトレア姫』
と、大層ご機嫌な様子だったという。
なんつーか……。
きっちり”姫さま”の功績になっている辺りも、さすがと言える。
「商人とかに鞍替えしても余裕で成功しそうだよな、あの姫さまは……で、おまえの方はもういいのか?」
「姫さまとの二人きり時間も十分すぎるほど取らせていただきましたし……彼女たち――聖騎士たちとも、十二分に言葉を交わせました。あとはこの先の互いの幸運を祈るのみ……心残りと呼べるほどの悔いは、ございません」
「そうか」
「あと、異界の勇者殿たちも何人か来られていたようでして……男性ばかりでしたが……その……」
途中から歯切れが悪くなった。
流れで言い出したものの、途中で話題選びに失敗したのに気づいた。
そんな感じだった。
俺に気を遣ってか、何やら言い出しづらい雰囲気を漂わせるセラス。
「遠慮せず言えよ」
「気のよさそうな方たち、でした」
「そうか」
一方で、自分の思考の道筋を他人任せにしがちな連中でもある。
ああいう連中は導くリーダーで容易に変わるのだろう。
女神に煽られれば一瞬で悪意の塊にも変化する。
しかし今回の戦で十河に率いられた影響か、今は、
”気のよさそうな方たち”
の方へ傾いたわけだ。
要するに確固とした”自分”を持たない連中。
それは――ありがたい。
クラス全員がもし高雄聖みたいなヤツらだったら、さすがにこっちもしんどいからな……。
大多数があんな連中だからこそ、対抗策を練るべき人数を絞れる。
「あ……申し訳ありません。彼らは確か、あなたを――」
「あいつらは周りの空気に流されただけだから何も悪くない――なんて善人思考まで俺は持っちゃいない。が、今は危険を冒してまで対処する必要のない連中だ」
クラスメイトに下手に手を出すと、十河という不確定要素とやり合う危険性が出てくる。
少なくとも今は避けたい。
むしろ問題は――あの場にいなかった連中。
そいつらの問題があるからこそ……。
俺はもう一度、魔女の棲み家へ戻る必要がある。
というわけで、
「帰ると、するか」
今後のプランの大枠を固めつつ、俺は、転移開始の文言を口にした。
更新間隔が大分空いてしまい大変申し訳ございませんでした。今回は色々と忙しく……というよりは、気持ちの面で書くのが滞っていた部分が大きかった気がします。まだ戻ってはいませんが、最近は以前より大分書けるようになってきた感じでございます。
そして本日4/25に『ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで』5巻が発売となりました。
上下巻の分冊案を破棄したのでやや分厚くなった5巻も、全体的なチェックを行い、修正や加筆を行いました。今巻の追加の書き下ろしコンテンツは、
「セラスとイヴから近接戦闘の特訓を受けるトーカ。マッサージ(?)付き」
「トーカからもらったブランデーで酔っ払って、ふらふらになるエリカ」
「湯浴みするセラス、イヴ、リズ、エリカ。そして、セラスが湯浴みから部屋に戻り、眠っているトーカに小声で語りかけるシーン」
「Web版にはなかったセラスとカトレア姫のシーン、トーカとイヴのシーンが、書き下ろしエピローグとして追加」
となっております。いくつかのシーンには、今回もKWKM様が口絵や挿絵に対応するイラストを描いてくださりました。この5巻には、人間姿になったイヴのイラストも入っております。他にも、ベッドに寝そべるエリカ、湯上がり姿のセラス、四つん這いで戸惑いテンパるセラス、セラス&リズ&エリカの入浴シーンなど、ヒロインの魅力に重点を置いたイラストもしっかり収録されておりますので、お楽しみいただければと存じます(書籍版は何より、セラス要素を減らしたら何が何やら……でございますので)。
そして……トーカの蠅王姿、ついに解禁となりました。カラー口絵には蠅王姿のトーカの他に蠅騎士姿のセラス&イヴも並んでおります。とあるシーンの蠅王姿のトーカの挿絵などは、他の挿絵とはまた違った迫力あるタッチもあいまってとても素晴らしく……
といったイラストとなっております(掲載許可はいただいております)。
ちなみに表紙は、
転換点のような巻でもあるので、ちょっと今までの巻とはセラスの雰囲気も違いますね。
あまり長くなりすぎるのも申し訳ないので5巻についてはこのくらいにいたしますが、お礼だけは書きたく思います。1~4巻をご購入くださった方々、ありがとうございました。おかげで5巻も無事、発売することができました。
また、漫画版の最新話である8話もコミックガルド様にて更新されております。素晴らしい構成と作画で彩られたこちらも是非、ご覧いただけましたらと存じます。漫画版も本当に高いクオリティで作っていただけていまして、内々けやき様と鵜吉しょう様には感謝しきりでございます(鵜吉しょう様には5巻に上品なミスト・バルーカスの寄稿イラストもいただきました。こちらも、ありがとうございました)。
更新の滞っているWeb版の方も……なるべく早くどうにかしたいと思っております。悪戦苦闘の日々ではございますが、温かく見守っていただけましたら幸いでございます。