紅の誘導尋問
「死ね」
雨宮はアレスに向かって回転式銃を打ち出した。
「はあ……」
アレスは深くため息をつき
「貴様はどうしていつも出会うたびに俺を殺そうとする?」
打たれた弾を左手で全て掴んでいた。
「チ」
弾切れしたのか雨宮の持っている物はカチャカチャと音をたてた。
「貴様は相変わらず愚かな奴だな」
左手で掴んだ弾を床にパラパラと落とすアレス
「君も人のことを言えないと思うんだけどなー」
使えなくなった回転式銃を床に投げつける雨宮
「それはどうかな?」
両手をコキボキ鳴らすアレス
「だったらこの場で決着をつけようか?」
袖から果物ナイフを数本取り出した雨宮
「「死ね!」」
あ、これあれだバトル物だ。
「おい」
不意に後ろから声がした。
「囚人」
振り返ると
「こっちだ」
黒髪で赤い目の赤い看守の服を着た男が立っていた。手招きしているため僕はとりあえず男の方へ向かう
「おー派手にやってるな幹部様達は」
ですね
「ついてこい」
男は僕の手を乱暴に掴むと
「開け扉」
そう呟いた。そして一瞬だけまばゆい光が僕たちを包む。眩しかったので目は閉じた。しばらくして
「おい、起きろ」
目を開けると紫の空間の中に下へ下へ続く階段が永遠と繋がっている場所に出た。
「裏道だが良いところだ」
男は笑顔で僕にそういった。
「あの……」
「なんだ?」
「貴方は」
「行くぞ」
男は階段を降り始める。
「何している? ついて来いよ」
僕はとりあえすついていくことにした。数分ほど階段を降りていると
「なあ、一つ俺の質問に答えてくれないか?」
男は質問をしていいか聞いてきた。
「別にいいですよ」
「それじゃ……」
男はズボンのポケットから紙切れを取り出した。
「お前は何の罪でここにきた?」
「へ?」
「いいから答えろ」
そう言われても……そういや僕なんでここに
『どうして!』
「?!」
「囚人?」
今のはなんだ?
「大丈夫か? 顔が真っ青だぞ」
男が顔を除きこむ
「大丈夫です……」
「で、覚えているか?」
「いえ、覚えてないです……」
「そうか」
今のはなんだった。




