白の箱舟と黒の地獄
「……?」
赤? 赤い? 赤い花? 赤い液体?
「そこまでにしようか? 双子さん」
「……ぁぁぁああああああああああ!」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
「シノノメ!」
「いつも雨宮ハルヒって言っているだろ!!」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
「何故! ここにいる? 上で人間使いが相手をしていたはずだ!」
「彼なら壊れたよ、機械のように壊れたよ」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
「僕さ思ったんだ。僕以外の誰かの心や人格が壊れるのは絶対嫌だって……まあ理由もへったくれも無いけど……でも」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
「そろそろ黙ろうか?
白の箱舟」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い……
―――――――――――――
「……雨宮……さん?」
「おはよう⭐ 気分はどうかな?」
「最悪……です……」
「さて」
「何をした?」
「内緒⭐」
「雨宮さん?」
「じゃあ僕達はもう行くね」
「待て!」
「ねえ黒の地獄」
「……」
「君はもう終ったんだよ?」
「……」
「君の事は大嫌いだけど、この地獄は大好きだよ」
「……」
「さようなら!
あり得た可能性の世界」
どこか遠くで誰かが叫んでいる声が聞こえた。それはとても悲しそうな声だった。




