製作者の末路
雨宮に突き落とされた僕は真っ黒い空間を下に下に落ちていく
「またこれかああああ!」
「さて」
不意に雨宮の声が聞こえた。
「はい? 雨宮さん? いるんですか?!」
上と下を見渡すがいない
「声はどこから?」
そう疑問に思っていると、黒い空間に一面の白い大きな四角が現れた。
「え? 何?」
すると、白い四角にまだボロボロの服の雨宮とヒョウガが向かい合う姿が映し出された。
「殺し合いといこうじゃないか製作者ヒョウガ」
声はどこから聞こえるか不明だが口が動いているので喋っているのは分かる。
「めんどくさい」
相変わらず逆様のヒョウガは今度は背中から違う小銃を天井を埋め尽くすほど出している。
「武器ぐらいを出せば?」
「お言葉に甘えて」
雨宮は袖から出さずに右手を横に振ると
「チャタンナキリ」
短刀を手に持っていた。
「これだけで君は十分に倒せるよ」
「そうか」
その瞬間
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダタダダダダダダダダダダダダダダダダダダタダダダダダダダダダダダダダダダダダダタダダダダダダダダダダダダダダダダダダタダダダダダダダダダダダダダダダダダダタダダダダダダダダダダダダダダダダダダタダダダダダダダダダダダダダダダダダダタダダダダダダダダダダダダダダダダダダタダダダダダダダダダダダダダダダダダダタダダダダダダダダダダダダダダダダダダタダダダダダダ
ヒョウガは一斉射撃を行った。しばらくして雨宮は
「ごめんやっぱり無理」
数発かすったようで所々血が出ている。
「なんでやねん!!」
誰もいない空間に僕の声が響いた。
「やっぱりお前は嘘つきだ」
ヒョウガが口を開く
「どこらへんがだい?」
雨宮はにやにやしている。
「偽物の笑顔で人を騙す」
「……」
その言葉に雨宮は答えない
「偽物の慈悲で人を騙す」
「……」
その言葉に雨宮は答えない
「偽物の仕草で人を騙す」
「……」
雨宮は答えない
「偽物の妹を殺した」
その言葉の瞬間
「黙れ」
雨宮は口を開いた。
「黙れ! 黙れ! 黙れ! 黙れ! 黙れ! 黙れ! 黙れ! 黙れ!
黙れ!」
「本当の事だ」
「黙れ!」
雨宮はもう一度右手を振ると今度は短刀が槍に変わっていた。
「僕は君に死を与えよう! さようなら!
人形の製作者!」
雨宮は壊れた笑顔で槍を投げた。映像はそこで途切れた。




