魂市場
「では、少年」
目の前には白髪交じりの黒髪の男
「君に問おう」
そいつは僕を指差してこういった。
「楽園に帰る資格が箱舟にあると思うか?」
――――――
あの階層を抜けて約数時間がたった。何故僕と雨宮しか入ることが出来なかったのかその理由は分からなかったが
「アレスくーん」
雨宮が先頭を歩いているアレスに飴をぶつけている。その前に「2人は良いよねーあんな所に入らなくてすんで」とか言っていた。所で……食べ物で遊ぶなよ
「黙れ、貴様ら2人共何故魂の檻を持っている。さっさと捨てればいいものを……約10分弱グレンと一緒は腹が立った」
外と中じゃ時間のずれとか有るのか
「捨てられるものならとうの昔に捨てていまーす。それに僕だけだったら鍵使って飛ばしていまーす」
言い方が子供
「魂の檻については今は関係ないからな、今は関係ないからな」
「へーい⭐」
笑顔で答える雨宮の顔を見てアレスは深いため息をついた。
「とりあえず……扉が見えたが」
最後尾のグレンは扉が見えてきたことを先頭の看守2人に伝える。
「お、相も変わらずに悪趣味多彩な扉だなー」
扉といっても、金属で作られたパイプを均等に並べた檻の入り口がそこにあった。アレスが手を扉に近づけた瞬間
「ようこそ、魂市場へ」
僕達以外の声が空間に響いた。
「え? 彼が起きているの? 珍しい」
「女帝の次に起きているのが珍しい奴が起きているなんて……今日は奇跡が多いな」
「まあいいや……行きたくないけど行こうか」
雨宮の言葉と同時に、アレスが扉を開ける。そこに広がっていたのは……




