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それからしばらくして

「あ、起きましたか」

目を開けた先に褐色白髪碧眼の青年の顔があった。

「わあ?!」

「そんなに驚かなくても」

いきなり目の前に人が居たら普通は驚きます。不思議な表情の青年はもう一度僕の顔を覗き込む。少し恥ずかしい

「そういえば貴方、幹部殿と一緒にいましたね」

「あ、はい」

まあ、幹部の二人が一緒にいたんだ珍しいのかもしれない

「では」

ヒュンと音が鳴り何か頬に掠めるように当たった。何かが飛んでいった方向を向くと

「……刃物?」

銀色に光る刃物が地面に転がっていた。

「正確には魚用ナイフフィッシュナイフです」

は?

「そういえば貴方、幹部殿のどちらかに第2階層(ここ)の名前を聞いていますか?」

たしか

「食べる空間……」

「そうです、ここは食べ続ける事に意味のある空間です。つまりどういうことか分かります?」

あれ? 体が動かないんだけど

「あ、忘れていました」

青年は僕の横を通り過ぎると地面に転がっているナイフを拾った。

「先ほど少しだけナイフが当たりましたよね? 軽く劇薬スパイスのようなものを塗っていまして……まあなんと言いますか、ここで死んでください」

「な……んで………こんなこ……とを……す……る?」

青年は僕の問いに笑顔で答えてくれた。


「簡単でございますよ、わたくしめいちぶとなってもらう為です」


雨宮ほどではないが狂気を感じた。

「とある幹部の一人、恐怖使いしはいにん殿がわたくしめにこう言いました。


『これから貴方の階層しょくたくにやって来る囚人クズは特別おしい者だそうよ』


と」

なんだよその支配人って幹部……頭おかしくない? あ、でも僕は罪人だからそんな人権ないか……

「あ、そういえば自己紹介類の事を忘れていました。わたくしめは、この第2階層の階層主でございます。名を人喰いカニバリズムといいます。今後とも、よろしくお願いいたします」

丁寧にお辞儀をする青年に対して僕は恐怖を覚えた。

わたくしめの種族は影虫なのですが、少々(わたくしめ)の生まれた場所では特殊な文化がありまして、人喰いの名前の通り()()()()()()()()()()()()なのです」

あ、だめだこれ……死んだ。青年はシャリジャリと食器をこ擦り合わせる。

「それでは、いただきます」

青年が僕にナイフを向けたその直後


「待ってもらおうかな!」


聞き覚えのある声がした。

「おや」

まだギリギリ動く顔を上に向ける。

「早いご到着ですね」

視界がもう分からないぐらい霞んで見えにくいが多分あの人だ

囚人君(ほるだーくん)大丈夫かーい?」

頷きたいけど体が動かない

「残念だけれど彼、囚人君(ほるだーくん)最高権力者君(いちばんえらいひと)に生きたまま渡す約束なの! 返せ!」

何か雑だな……


そこからまた意識が飛んだ。


「おかえりなさーい」

目を覚ますと今度は雨宮が僕の顔を覗き込んでいた。

「雨……宮さ……ん?」

「そうだよ、僕だよ」

笑顔で笑っているその人は雨宮本人で間違いないようだ。

「大丈夫かい?」

「そう……見えま……すか?」

「まだ痺れは残っているけど大丈夫そうだね」

雨宮の周囲を良く見ると、沢山の薬瓶が置かれている。雨宮が助けてくれたのか

「あ、そうだ人喰いカニバリズム

「なんでしょうか? 幹部殿」

雨宮が誰かと話している。褐色の肌に、白い髪、そして誰かに似た青い目をした青年と雨宮は会話をしている。

「今回は見逃してあげる」

雨宮が殺気溢れる声で相手と話す。

「今回のことは、お詫び申し上げます。最高権力者(かのおかた)の命令を知らなかったことを深く反省いたします」

青年は深々と謝礼の言葉を述べる。

「そう、それならいいよ。じゃあ僕達をこの階層から早く出して欲しいな」

「畏まりました。あ、後、赤髪の化け物の事ですが」

赤髪の化け物?

「彼はちょっと合わせたい人が居るからしばらく連れて行くよ」

「畏まりました。では案内しましょう」

そのまま青年の後を着いて行くと階段があった。

「それにしても君達、僕の手伝い位してくれよ」

階段の前にグレンとアレスの二人が立っていた。

「断る」

「同意見」

「ひっどいなー」

僕は三人を他所に、後ろを振り返り青年の方を見た。だけど青年の姿はもうそこには無かった。

囚人くーんほるだーくーん行くよー!」

「はい!」

階段の入り口に入る直前に誰かの声が聞こえた。


「さすがは白の箱船(アーク)ですね。蘇るとは思いませんでした」


それは気のせいだろうと思い僕はその階層を後にした。

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