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さよなら片思い

作者: 姫柘榴


“ 初めて会った時から好きでした。”


今日、あなたに伝えようとした

だけど、あなたは私の呼び出しなんてすっぽかして他の女の人と歩いてる。




彼と会ったのは中学の時、彼がニカッと笑うのを見て一目惚れした。

それから色々あって友達にまでなって、最近では周りはカップルだとか夫婦だってからかってくるくらいには仲が良い。

あなたはその度、真っ赤な顔で否定してたからあなたも私と同じ気持ちかと思ったの。


勇気をだして、放課後彼を呼び出したけど一時間たっても二時間たっても、夜になっても彼はこなかった。



雨に打たれて全身がびしょ濡れになった私が街で見たのは.....



年上の、綺麗な女の人と一緒に傘に入ってる彼だった。

思わず走りだした。

彼が私のことを呼んだ気がしたけど、きっと気のせい


家の近くの公園のベンチまで辿り着いた。

彼が、私の名前を叫んでる。

熱が出てるんだ、頭がくらくらする。体が熱い。

だから彼のことも、意識が飛びそうな私が見た私の願望。


あぁ、もう寝ちゃおうかな...

そう思ってベンチに寝転がった時、


「凛!」


ハアハアと息を切らした彼が、私の目の前にいた。


「どーして...もう、期待させないで.......」


胸が苦しくてたまらない


「凛、俺、お前のこと....」


もう、一度寝かせて...

そしたら、あなたを好きじゃない私になってみせるから



起きたら、自分の部屋にいた。

もう夕方になっていた。

お母さんに聞いて見たら、


「昨日、熱があったあんたを男の子が連れて帰ってくれたのよ!イケメンだったわぁ...」

彼氏ならまた連れて来いと言うお母さんの言葉に、胸が軋んだ。


学校は念のため休んだらしい。

ふと携帯をみると、メールが一件


あぁ、彼からだ。

話があるから私の家の近くの公園で待ってるとあった。

いまさら、何なんだろう?

もう、放っておいてほしいのに。

期待しちゃうじゃん



家を出て、公園に行った。

彼が昨日のベンチに座ってる。


「秋。」


名前を呼ぶとハッとこっちをみる彼。


「凛!」

かけよってくる彼。


「な、何の用?あぁ、昨日の事なら気にしないで?大した事じゃなかったから!」

なにごとも無かったように振る舞う。

じゃないと心が悲鳴をあげそうなの


「凛、俺、お前のことが好きだ!」


「え?....やめてよ、なんの冗談?からかうのはよして」


「本気に決まってんだろ⁈」


じゃあ、

「じゃあ、なんで昨日来てくれなかったの?」

ヤバい、もう泣きそうだ。


「それはっ」

「もういいの。秋のこと好きでいるのやめるから。これからはまた友達でいよう?」

精いっぱいの笑顔で


「なんだよ....。なんだよそれっ!」

なんでそんな泣きそうな顔するの?

泣きたいのは私の筈でしょ??


「俺っ、お前に呼び出されてすげぇ嬉しかった!告白かな?って舞い上がって、お前も俺と同じ気持ちなんだって!」


「じゃあ、なんできてくれなかったの?」


「昨日、姉貴が買い物付き合えって。無理やり連れていかれて、ちょっとで終わるって言ってたんだけど、姉貴の奴ヤケ酒で酔っ払っててすっげー時間経ってて、もうお前は待ってないだろうなって...」


「待ってたよ。一時間も、二時間も、夜になっても待ってた。」


「ごめん。でも、好きでいるのやめるなんて言うなよ!せっかく両思いだってわかったのに、やめるなんて言うなよ...」


涙が溢れて止まらない

ぼろぼろと出た涙が地面に落ちてしみを作る


「すき」


震える声でそう言った途端、ふさがる唇





さよなら、片思い






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― 新着の感想 ―
[良い点] 主人公の少女の感情がよく伝わる文章でした。 [一言] 初めまして、拝読しました。 タイトルを見て失恋かと思いきや両想いとなって「さよなら片思い」なんですね。最後の一文にタイトルが組み込まれ…
2015/09/30 14:21 退会済み
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