1話 再開の時
キーンコーンカーンコーン
「今日の授業はここまでな、あとこの定理を覚えておくんだぞ」
いつもと変わらぬ学校
いつもと変わらぬ私
私は平穏な生活をこの第三興行中学校で過ごしている
「ねー!かえでー!今日帰り暇なら遊んで帰らない?」
「え?私は暇だから行くよ!」
私の名前は小野咲楓
昔は友達が居なかったがあるとこに行かなくなってから友達ができ、楽しく毎日を過ごしていた
あの出来事を忘れたように素直に生きている
だけど、また思い出す"時"が来たのだ
「最近、出るって噂の神社があるんだけど行かない?楓そうゆうの得意そうだし」
「出るってお化け?絵里って苦手じゃなかったっけ」
「誰かと一緒なら私は大丈夫なんだよ」
「行ってもいいけどあんま長居しないからねー?」
「うんうん、そうこなくっちゃ」
『お前らー早く掃除やれー』
「あ、先生うるさいからさっさとやって早く行こ」
「でもちゃんとやんなきゃダメだよ?」
「楓っていやに真面目なときあるわよね」
「そうかな?」
「そうそう、変におちゃらけてる時もあるけど真面目な時もあるよねー」
『そこ!早く掃除やれ!』
「「は、はい!」」
なんやかんだ掃除を終わらせ、絵里が言う神社へ向かい出した
「その神社の名前なんなの?」
「んー?私も良く分からないんだー話によると神社の名前が汚れていて読めないんだって」
「ふーん、もっと調べたら分かるんじゃない?」
「やだよ、出る神社なんて調べたくないし」
「じゃ、なんで行こうなんて言い出したの...」
「きょ、興味本位ってやつよ!」
「あはは…あ、この道懐かしいな」
「そう?」
「うん、小さい頃よくこの道を通って遊びに行ったなー」
「どこに?」
「ん、秘密」
「なんでよー!教えてよ〜」
「まぁ、それはまたいつか」
「あ、あそこよ楓」
「あそこ?どれどれ、・・・!?」
「どしたの?そんな驚いた顔して」
「あ、いやここの神社小さい頃よく遊びにいってたとこだよ」
「またなんでこんなところで」
「あんま覚えてないけどなんかあったんじゃない?」
「取り敢えず階段登ってみようよ」
「そーね」
二人は階段をゆっくり登りだした
たが絵里は階段の真ん中を歩いていた
「あ、絵里真ん中歩いちゃダメだよ」
「え?なんで?」
「真ん中は神様の通り道だから私達は端を歩くんだよ」
「へーそうなんだ、初めて知った」
「ま、覚えておいてね」
「はいはい、んでもうすぐ終点みたいよ」
「あ、懐かしい...」
この鳥居、この古錆びた本殿
全てあの頃とそのまんまだ
まるで昔と変わらぬ形で私を待っていたようにも感じた
「さぁて、少し建物覗いてみようよって、げ、思ったより雰囲気出てるわね」
「見てくればいいのに」
「あれ、もうすぐ夕方かなー?帰らない?楓」
「私はもうちょっとここに居たいな」
「そ、それなら私は帰っていい?」
「いいけど?」
「じゃ、じゃあまた明日ね!」
絵里はそそくさと階段を下り、逃げるように帰っていった
「あの時以来か、この場所も」
『やっと来てくれたんだね、待ってたよ』
「えっ!?」
いきなり自分の頭に声が響いた
この声はとても懐かしく、今にも消えそうな記憶の欠片にあったものだ
必死に誰の声かと思い出そうとするが中々思い出さない
そして鳥居の上から声が聞こえた
「忘れてしまったかな?楓」
つ!?この声は!!
「も、もしかしてだけど貴女はミヤ?」
「そうよ、紛れもなく私は魅夜城姫よ」