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序章 幼き頃の少女

田舎の山の麓にひっそりとある幽玄神社

参拝客など滅多に訪れず、管理してる人もいない

だけれど、一人の少女がよく遊んでいた、神社の主と共に

「お母さん!行ってくるねー!」

「早く帰ってくるのよ〜」

「うん!」

麦わら帽子を被り、白いワンピースを来た少女が勢い良く家から飛び出していった

ギラギラと輝く太陽の光が道路に反射して周りは光っているようにも見える

その中を少女は駆け抜けていった

そして山の麓にある鳥居をくぐり、階段を登っていく

「よいしょ、よいしょ」

「遊びに来たよ!今日はね、小学校でね!」

少女は本殿に向かって喋っていた

周りから見ればおかしいと思うだろう何故なら本殿には何も見えないのだから

でも少女には見えていた。いや、少女だけ見えるのだろう

そう、この幽玄神社の神が見えるのだ

本来人は神を見ることは出来ないが

神自体が認めた存在なら姿を見ることが出来るのだ

だとすればここの神は少女を認めたというのか、まぁそれは今は考えなくて良いだろう

「まぁ、そんなに急がなくて良い。ゆっくり話してごらん」

そこには少女にだけ見える幽玄神社の主祭神、魅夜城姫(ミヤシロノヒメ)が居た

「うん!小学校でね、初めてのテストがあったんだよ!」

「おお、なんのテストだい?」

「さんすうだよ!ちょっと難しかったけど私頑張ったんだ」

「さんすうか、そろばんぐらいでしかやったことないなー」

「みやはそろばんってのが得意だったの?」

「そもそもそろばん知ってる?」

「知らない!」

「そうね、計算する機械みたいなもんだよ」

「へー、でさ」

「興味無しかいな」

「えへへ、かくれんぼやろ?」

「お?私に勝てるとでも?」

「見つからないもん」

「私が鬼決定かい...」

「うん!」

「そんじゃ60数えるから隠れてな」

「はーい!」

少女は小走りで本殿の裏へ行った

「ごじゅうきゅう、ろくじゅう!もーいーかい!」

するとどこかから「もーいーよ!」と声が聞こえてきた

「すぐ見つけてやるぞー」とミヤが言うとすぐに本殿の下を探した

「ありゃーここに居ないか」

どうやら少女が居る場所はもっと違うようだとミヤは思った

木の陰や、物置など色々なとこを探したが中々見つからなかった

段々太陽が沈み始め少女を見つけられないミヤは焦っていた

もし本当に見つからなかったら大変なことになると分かっていたからだ

少女を危険な目に合わせたくないと思っているミヤは走り回って少女を探した

「おーい!もうかくれんぼは終わりだから出てきてくれー!」

だが返事は無い

声が届かないほど遠くに行ってしまったのか

数十分前少女はある場所に居た

神社の境内にある御神木の上に座っていたのだ

彼女は木登りが得意でよくこの御神木には登っていた

上の方にいくと窪みがあり隠れられるようになっている

少女はそこに隠れていた

途中から中々見つけてくれないことに飽きた少女は寝てしまったのだ

そして少女の母親は中々帰ってこないことを心配していた

もう日は暮れておりいつもなら帰ってきている時間なのだ

何かあったのではと心配した母親は幽玄神社へと向かった

少女はミヤの呼びかけでようやく起き、下に降りた

「あ、みやー寝ちゃった、えへへ」

「もう!心配したんだぞ?」

「ごめんなさい...」

「さぁお母さんが心配してる「今まで何してたの!」

石段を登りきった少女の母親が怒鳴っていた

だが、次の瞬間には少女を抱き涙を流した

「お母さん、心配したのよ?さぁお家に帰りましょ」

「う、うん、ごめんなさい」

二人は寄り添って帰っていた

だが家に入ると母親の説教は夜遅くまで続いたそうな

少女とミヤはその日が最後の出会いだったとは知らずに

そう、少女の母親は少女を危険な目に合わせくないので神社で遊ぶことを禁止したのだ

始めは少女は泣いたり行こうとしたりしたが、年月が経つにつれ友達と遊ぶようになり幽玄神社のことは段々と記憶の片隅へと移動していった。

ミヤはただそのことを知らずに少女が来るのをひたすら待っていたのであった

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