第1話 龍王の秘密
『くそ!…なんで…?何故こんなことに…!?絶対に許さねぇ…!必ず…』
さかのぼること500年前…
ここは人が入ることすら、いや、見ることすら叶わぬ禁断の地ヴィルノア
数多くのモノが住まうそのヴィルノアで圧倒的な軍事力、そして圧倒的な数を誇っていたのが龍族
そしてその龍族を統べるわ龍王…
他の龍達を寄せ付けぬその圧倒的パワー…その圧倒的パワーを使い彼はヴィルノアを恐怖で支配していた…
しかしそんな彼にも恐れるモノがあった…
個体数は極端に少ないがパワー知力寿命どれを取っても龍族の上を行く龍人族
龍人族の個体数が極端に少ないのは子を作れないからだ
龍人族がどうして産まれるかその理由は定かでは無いが龍人を産んでしまいかくまったとなればその龍族の命は無かった…
龍族、龍人族の寿命は限りなく永い現に龍王は100万年龍人王は120万年は軽く生きているハズだ
その上龍人族はその者がもっとも成長する歳で成長が止まる
龍族に姓別は無い
龍族は1000年に一度10体の子を産む
龍王も例外ではない
そしてその年は龍王の出産の年だった…
しかし、産まれてきた子は生まれてはならぬ
そう龍人だった…
流石の彼もこれには焦った
主が掟を破るわけには…
しかし…
『我が子を産まれてすぐ果てさせるのか?』
彼は悩んだ末にアカナの封印を一度解き放ち我が子達を追放する事にした
龍人族の里、
アカナに追放された10人
その子達を初めに拾ったのは龍人王護衛部隊部隊長
姓を項、あだ名を翁兼
と言う貫禄溢れる者だった
前にも話した通り200年程前に産まれた龍人は追放から死刑に変わっていたので彼が驚くのも無理はない
彼は子達を見るなり担ぎ上げて龍人王の元へ馳せ参じた
『項 翁兼よ、ご苦労であった』
『ははっ勿体ない程の有り難きお言葉』
『この子達は私が責任を持って預かろう』
こうして10人の子達は龍人王の元で育つことになった