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第二話

さて、どこから話すべきか、

「お爺さんの初めての実戦は?」

ノモンハンだね、

あの時から、

全てが始まったと思う、







「隊長、隊長、小隊長殿!」

「んん?あぁ?敵襲か?」

「敵の装甲車です」

「どこだ、車種は」

「距離1670、BA-20だと思われます、」

「………偵察か?」

「わかりません、」

「かわれ、」


そう言って、

俺は砲兵鏡を覗き込んだ、

確かに見慣れたBA-20装甲車だ、

おまけにハチマキ(アンテナ)しているという事は、

偵察か、先行の可能性がある、

ここは見極めていかないと、


「………なぁ、おかしくないか?」

「………はい?」

「ソ連ならもっと数で来るはずだ、しかし、今目の前にいるのは一台のみ、」

「て、敵襲!!!」

「やっぱりな、自動砲二門で俺達はどこまで持つかね」

「今までは奇跡と言うのですか?」

「………奇跡だな」


塹壕から布に覆われた大きなライフルが引っ張りだされ、

並べられた、

二人が操作するこの自動砲は、

一人が弾倉を、一人が照準をやるのだ、


「村上は先行のBA-20を仕留め次第こちらに参戦しろ、長谷川、敵は一個大隊だ、慎重に無駄弾撃たずに素早くやれ、ここも直に崩壊する、撤退命令が出るまで持ちこたえる、後方の部隊が撤退するまでだ、頑張れ」

「了解しました、一撃必中で仕留めてみせます」

「よし、そのいきだ、全員小銃で援護してやれ、いくぞ!!!」


タンと一発目が同時に撃ち出された、

長谷川が舌打ちをする、おそらく外したな、

村上が二人に手伝ってもらいながら方向転換をする、

一個大隊27輛前後、

BA-3だ、ソ連の装甲車は下手すれば九二式重機関銃でも貫通できるのだ、


七発入りの弾倉がすぐに空になる、

装填手が空の弾倉を後ろへ放り投げる、

新たな弾倉を引っ張り出して付ける、

放り投げられた空の弾倉には手空きの者が弾を詰めていく、

手空きの者は小銃の故障または喪失した者達である(今は故障の方が多い)


七掃射して仕留められたのはたったの11輛、

残り16輛もあるのだ、


「不味い、何輛かは突破するぞ」


おまけに一方的にこちらが撃ってるわけではないのだ、

一個大隊から45ミリ砲の雨を受けている、

周りの土が舞い上がっては落ちてきて、

舞い上がっては落ちてきての繰り返しで音も凄まじいのが連続して続くのだ、

腹に響く音に加えて振動も来る、


振動で照準がずれるので上手くいかない、

焦りの気持ちからか、滝汗が二人の額から流れる、

俺は再び砲兵鏡を覗き込む、

するとどうだろう、


「黒点、確実にこちらを狙ってやがる、全員しゃがめ!!!」


砲口がこちらをバッチリとらえており、

その際、砲が黒く見えるのだ、


直後、今までで一番の至近弾が命中し、

俺の部下を吹き飛ばす、


「くそったれ、あと3輛だ、もう少し頑張れ!!!」

「はい!!!」


再び敵の装甲車へ目を向けようとしたその時、


俺は吹き飛ばされた

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