デート当日
9.
バレンタインデーまで、あと2日と迫っていた本日。
私はたけるとデートすることになった。
すごく嬉しいんだけど、考案がさとみなのよねぇ・・。
別に嫌ってわけじゃないのだけれど、内容が内容だからねぇ・・・。
さとみが考案した内容はこうだ。
①『たける君に甘えちゃいなさい。いつもよりずぅーっとね』
②『たける君と手を繋ぎなさい。なるべく恥ずかしそうにするのがミソよ!』
③『行けるところまで行っちゃえ!』
以上の3つである。
なーんか全部適当にアドバイスしてるように見えるのよねぇ。気のせいならいいんだけど。
特に3番のやつなんて、それらしいこと言ってるけど、結局投げやりじゃないの!
さとみ・・・私友達でいられるか不安になってきたわ。
などと頭の中で妄想を巡らしていると、約束の時間にそろそろなる頃になっていた。
「10時に恋愛公園集合だったわね。あと5分くらいかぁ」
私は集合時間の30分前には公園に来ていた。
たけるとのデートが楽しみだからだ。
普段私の事をからかったり、もしくはからかったり、さしてはからかったり・・・やめましょう。
碌な思い出がないわ。
とか言いつつもやっぱりたけるの事が好きな私は、許容しちゃうのよね。 あぁ、脆いわ、脆いわ私(言い過ぎ)
あれれ?
たけるが10分過ぎても来ない。
ボイコット? 遅刻? まさか交通事故?
いや、それは考えすぎか。
それにしたって、普通は男の子が30分前に来て、彼女を待つものでしょ! どういうことよこれは!?(※彼女ではありません)
「ごめーん!」
30mくらい先から手を振ってたけるがやってくる。
「ハァハァ・・・」
たけるは息を荒げる。
「なんかお前の友達の・・・さとみだっけ? そいつから9時ごろに電話掛かってきてさ」
え? さとみから?
「それで、ちかげが恋愛学園正門前にいるって言うから、集合時間の30分前にそこで待ってたんだよ」
集合場所は私が直接公園に指定したはずなのに、どうしてそんなことを?
「ずっとちかげ来ないから、もしかして集合場所変えたんじゃないかって思ってさ。そしたらビンゴだったぜ」
良かった良かった、と言いながらたけるは安堵の顔をする。
まぁでも、よくぞ学校から公園までたどり着いたものね。
距離でいうと1kmくらいあるから、そう気づくことはないだろうと思うのだけれど。
「いやさぁ、学校以外で俺たちが集まるのって、公園かなぁって思ったんだよ」
えっ!
私は胸の奥がキュンとなって、少し恥ずかしいような、こそばゆいような、そんな気持ちになる。
「俺たち小さいころいつもここで遊んでただろ? だからここかなって。マジ、俺の勘ナイス!」
と高らかにサムズアップするたける。
や、やだ、かっこいい・・・。
私は頬に手を当てながら、たけるをマジマジと見つめる。
昔の事、覚えていてくれたなんて、嬉しい!
フフッ、幸先もいいし、今日は楽しいデートになりそうね☆
幸せいっぱいになっていると、さとみから電話が来た。
「フフフ・・・うまく行ったようね」
さとみはしたり顔でもしてるのだろう。そんな声だ。
「ちょっと何よ、さとみ! 最初たける来ないと思って心配になったのよ!」
無論抗議する。
「まーまーまー、でもおかげで上手く行ってるんでしょ?」
「ま、まぁね・・・」
そこは反論できない。
「恋に障害は付き物なのよちかげ。むしろ障害がある方が燃えるわ! いや萌えるわ!」
なんかマンガとかドラマとかで見かけそうな言葉並べてるだけのような・・・。
「そぉんなことないわよ。あんまりスムーズに行くとドラマチックじゃないでしょ!」
今ドラマって言ったよね? 絶対言ったよね?
「だから、私、ちかげ友人代表のさとみが、様々な障害を用意したというわけでござんす」
語尾に突っ込む余裕がない。
「だから、これからたける君となーんにも気にしないで、一緒にデートしなさい! 私が楽しくしてあげるから」
そこで電話が切れた。
も、もう・・・。
大いに困惑する私。
「ん? 電話終わったか? 何話してたんだ一体」
「べべべ、別に何でもないわよぉ☆」
誤魔化しきれないわ・・・。
「ふーん、まぁいいや。とりあえずどこ行く?」
そんなに気にしてないような素振りで、話すたける。
寛容すぎるわたける! 寛容すぎて人生損するわ!(言い過ぎ)
どこに行くかはこの後二人で相談することになった。
うーん、せっかくの休日だし、デパートとか良いわねぇ。
でもでも、遊園地とか映画館とかベタなのも案外・・・。
「オイ、ちかげ」
たけるが待ちくたびれた顔でこっちを見る。
「んで、決まったのか?」
おっと行けない。まだ決めてないわ。
「俺から提案なんだけど、どこ行くか決めていいか?」
どこどこ? 遊園地? 映画館? もしかしていきなり二人きりになれる場所? キャー!(嬉)
その答えは予想外だった。
「ちかげ、俺の家来いよ」




