デートの場所はどうしよう?
22.
14日の太陽が朝を告げた。
それは私にとって特別な日。
特別が始まる日。
「恋愛公園に9時集合なー」
たけるとの待ち合わせ時間を思い出しながら、私はお出かけの支度をしていた。
朝6時から。
「ふふーん、今日はちかげちゃん最高の悩殺ファッションで、たけるをよりメロメロにさせてやるわ!」
なーんてね、ふふ☆
期待に胸ふくらませ私は服選びに従事していた。
朝6時から。
だ、誰よ! さっきから朝6時から6時からって指摘してるのは!
べ、別にたけるに喜んでほしいとかそういうことじゃないんだからね!!(矛盾)
鏡の前で格闘すること2時間半、私はついに家の門を出た。
「今日は絶対、ぜーったいたけるに喜んでもらうんだから☆」
23.
恋愛公園に着くと、たけるはまだ来ていない様子だった。
まったくデリカシーというものに欠けてるわね、たけるは。
女の子を待たせるのは、いついかなる時代であろうともやっちゃいけないことなのよ。
たけるったら、もう・・・。
しばらく待っているとたけるからメールが来た。
件名:ごめん遅れる
本文:30分遅れる、すまんちかげ。
・・・。
一体どういうことよ!
むちゃくちゃ遅刻じゃないの!
どういう神経してるのかしら、うちのたけるは!
まーったく、時間だけはきっちり守る男だと思ってたのに・・・。
ハァ・・・。
朝6時から浮かれてた私って一体・・・。
「だーれだ?」
後ろから男の子の声が聞こえた。
その男の子は私の目を押さえているのではなく、後ろから私を包み込むようにやさしくハグしていた。
!!!
「ククク・・・だーれだ?」
だーれだ? って思いっきりたけるじゃないの。遅刻してくるって言ってたじゃないの。
「ハハハ、ちかげを驚かせてやろうと思ってさ」
本当に驚いたわよ・・・。
私の背中にはまだたけるのぬくもりのようなものがある。
・・・。
なんか恥ずかしい・・・。
「アハハ、ちかげってかわいいな」
たけるのその言葉に、私はまた頬を赤く染めた。
24.
さとみから連絡がきた。
「ちかげ~? なになに~順調じゃないのぉ」
一体この娘はどこまで知っているのかしらねぇ・・・。
ちょっと確かめてみようかしら。
「あ、たけるくんがサプライズでちかげハグしたのは知ってるから」
ふ、フライングすぎるわよ!
知ってる確認する前に答え出ちゃってるじゃないの!
エスパーなのかしらさとみは・・・。
「まぁ、それはそうとデート頑張りなさいよ。今の女子はエスコートよ、エスコート!」
そう言うと、さとみは無責任に電話を切った。
今日はまともなアドバイスがないから不安になるわ。
なんだかんだでさとみのおかげでいろいろ発展したものね。
少し感慨深くなりながら、私はさとみに向けて人知れず感謝の意を込めた。
それにしても、デートの行先がさっぱり決まらないわ。
たけるが行きたいところって言われても正直わからないし、私も行きたいところあるかって言うとそうでもないし・・・。
「ちかげ」
たけるは突然声をかけた。
あー、びっくりした。
「俺正直、行くところ決まってないんだよね」
え?
「映画館はこの間行ったし、遊園地はお前絶叫系とか嫌いだろ?」
たけるは続ける。
「定番定番っていうけど、俺たちに定番とかをわざわざ当てはめなくていいと思うんだよ」
ふむふむ、妙に納得できるわ。
「だから、今日は・・・」
きょ、今日は・・・?
「ちかげ、俺の家来いよ」
そ、そうよね。たけるも私も行きたい場所ないもんね。
さすがたけるね、見事なチョイスだわ。
そういう時は、たけるの家で・・・。
「たけるの家ェェーー!?」
言われてから、数秒のタイムラグを終えてようやく気付いた私は、人目も気にせず叫んでいた。
ど、どどど、どうしよう。
ま、まだ私心の準備が。
「俺んちで遊ぼうぜ!」
ちょ、ちょちょちょ! 俺んちで俺と火遊びしようですって!?
な、なんて大胆なのかしら(聞き違い)
とりあえず、落ち着け私、落ち着け私。
荒げた息(?)を少しずつ抑えながら、私は呼吸を整えていった。
「い、いいの?」
私は上目使いで言った。
「今更なに言ってんだよ、幼馴染だろ!」
あ、あぁ。
そういう感覚ね、そういう感覚なのね。
この人本当に私の彼氏なのかしら。
まぁなにはともあれ、行き先も決まったことだし良かったわ。
変ねぇ・・・全然ドキドキしないわ。
精神安○剤でも多量に服用しようかしら。(危険)
「よし、いくか!」
わわわ。
たけるに手を優しく引かれながら、私とたけるは家へと向かって言った。




