チャレンジ無銭飲食【超短編3×100参加作品】
食い逃げが得意な男が、今日の昼食のターゲットを探していた。
すると、妙な看板を掲げた店があった。
「食い逃げに成功したら一万円プレゼント!」
よほど食い逃げされないことに自信があるのだろうか。
気になった男は、中に入ってみることにした。
「いらっしゃいませ、カウンター席へどうぞ」
中はいたって普通の定食屋だ。いつも食い逃げしている店と変わらない。
男はひとまず焼肉定食を頼み、昼食を楽しむ。
食べ終わると、水を飲みながら店員の動きを伺い、素早く店を抜け出した。
なんだ、大したことないな。そういえば、食い逃げに成功したのに一万円を貰ってない。
男は一度店に戻った。
「あ、良かった、戻ってきてくれた。お会計850円です」