自分の番
カフェで学生たちのやり取りを目の当たりにしたあと、私は席に座ったまま、自分の膀胱の重さに気づいていた。
(そういえば…朝からずっと我慢してる…)
下腹部にずっしりとした圧迫感。尿道のあたりがじんわり熱く、時折キュッと締め付けられるような感覚が走る。
普段ならすぐにトイレを探して立ち上がるはず。でも今は――
(この世界では、我慢の限界でそのまま出すのが“普通”なんだよね…)
心臓が早鐘を打つ。羞恥が込み上げる一方で、不思議な解放感が私を後押ししていた。
私は深く息を吸い、ジーンズに包まれたまま椅子に腰を落ち着けた。
「……はぁ」
力を抜いた瞬間、ぬるいものが尿道口から押し出される。
ちょろ…ちょろちょろ……
最初は細い筋が下着を湿らせ、じわじわとジーンズに染みを広げていく。太ももの内側にじんわりと温かさが流れ、布の繊維を通して肌に貼りつく感覚が鮮明に伝わる。
(あ…出ちゃってる…でも、止めない…)
すぐに勢いが増し、しゃああああ――と音を立てながら流れ出した。尿は一気に座面に広がり、椅子の縁から滴り落ちて床に小さな水たまりを作る。
体の奥で圧迫感が解き放たれていく。下腹部が軽くなる感覚。
羞恥と同時に、抑えきれない安堵が背筋を震わせた。
視線を上げると、向かいの学生たちがチラリとこちらを見て、何事もなかったように笑い声を続けている。
店員も視界に入ったが、誰一人として驚いた顔をしなかった。
(本当に…これが普通なんだ…)
私は震える息を吐きながら、まだ温かいジーンズの感触を両手で確かめた。




