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シチュエーション

その後ショッピングモールに行くことになった。

この世界になってからというもの、女子トイレはめっきり減った。女子トイレはうんちをする人しか使わないからだ。そのため、このモールも女子トイレは二か所しかなく、回転率も悪いせいで常に長い列ができている。


一通りの買い物を済ませたころ、隣を歩く茜の様子がおかしいことに気づいた。


最初は、立ち止まるときにそわそわと太ももを擦り合わせている程度だった。だがすぐに、片手をお腹のあたりに添えたり、歩幅が小さくなったりと、明らかに落ち着きがなくなってきた。


「朝から我慢してるんだよね……」

「もうそろそろ限界かも」

「はぁ……止まってるとしんどい……」


茜はわざと私に聞かせるように言葉にする。表情は少し険しく、眉を寄せ、唇を噛んでいる。脚はわずかに内股で、つま先が床をとんとんとリズムを刻んでいた。


私は朝にトイレで済ませていたので、尿意はあるものの茜ほどではなかった。


30分後、茜が立ち止まって私を見上げた。


「彩、やっぱりトイレに行こう……漏らしたくない」


その言葉に私は驚いた。茜もやっぱり恥ずかしいのだと思うと、どこか救われる気がした。

「私も行きたいから、一緒に行こう」

そう答えた私は、少し安心して彼女と並んだ。


けれど、列はなかなか進まなかった。数分ごとに茜が身じろぎをする。両足を交差させたり、上半身を前に折ったり、時には両手を太ももの間に挟み込んで、耐えているのがひしひしと伝わってくる。


「……やっぱり無理。駅のトイレに行こう」

小さな声でそう言うと、茜は小走りに出口へ向かっていった。


私は心配になりながらついていった。道中、茜は時折立ち止まって前かがみになり「やばい……出ちゃう……」と声を漏らす。そのたびに腰が小刻みに震えていた。


駅に着くと、さらに絶望的な光景が待っていた。女子トイレの前には見渡す限りの長蛇の列。


「うそ……。待てないよ……。ほかのトイレ!」

茜は苦悶の表情で、股を抑えながら駅ビルへと駆け込んだ。


エスカレーターに乗った瞬間、茜は片手で手すりを掴み、もう片手でスラックスの股をぎゅっと押さえ込んだ。膝を折り曲げて小刻みに震え、「あぁ……でちゃう……やばい……」と必死に呟く。

私はその横顔を見ながら、胸が締めつけられるような思いがした。


フロアに到着し、女子トイレの案内板が視界に入った瞬間だった。


「あっ……でるでるでる…!」


茜の動きが止まった。


次の瞬間、彼女のベージュのズボンの股の部分が、じわり、と色を変え始めた。

そしてすぐに、押さえていた手の隙間から温かい液体が一気に噴き出す。


「やっ……あぁ……っ」


茜はその場にしゃがみ込み、床に大きな音を立てながら勢いよく放出した。

ズボンの布地を通して大量のしぶきが溢れ、彼女の周りに水たまりが広がっていく。


「茜……!」

私は彼女を心配して顔を覗き込んだ。


顔を真っ赤にしてうつむいていた茜は、次第にその表情を緩め、うっとりとした目を開いた。


「はぁ……気持ちいい……。彩、こんな感じだよ」


恍惚とした声で言う茜。

彼女の「漏らしたくない」という訴えはすべて演技で、快感を高めるためのものだったのだと悟った。


茜は濡れたズボンを気にする様子もなく、いたずらっぽく私を見上げる。


「さて……次は彩の番だよ」


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