表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/46

選択肢

その夜、私は自宅に戻り、ソファに身を沈めた。

茜の笑顔が、どうしても頭から離れない。


「気持ちいい」なんて、あんなふうに言えるのか――。


私は思った。

この世界になって、得をする人間がいるのだと。


でも、私はどうしても共感できない。

失禁することが“自然”だなんて、心のどこかで否定してしまう。

きっと、あの日偶然失禁してしまい、それを恥じたから――私は“この世界の外側”に立たされているのだろう。

茜もそうだ。彼女は前の世界の記憶を持ったまま、この世界を楽しんでいる。


「じゃあ、私は……?」


選択肢は二つしかない。

ひとつは、美咲や楓、萌のように恥じらいを抱える人たちのために、この世界を“もとに戻す”方法を探すこと。


もうひとつは、佐伯先輩のように、自ら失禁して、この世界に完全に染まっていくこと。


私は考える。

失禁の常識は、まるでウイルスのようなものだ。

一度慣れてしまえば、抗えずに身体も心も侵されていく。

恥じらいを持ったまま失禁した者だけが、その影響から外れていられる――そんな仮説が頭に浮かんだ。


「でも、どうして私と茜だけが……?」

理由は分からない。

けれど、確かにこの世界には“選ばれた者”のように、前の世界の記憶を持つ私たちがいる。


私は窓の外の夜景を見つめた。

街のどこかで、誰かがまた当たり前のように衣服を濡らしている。


その光景に順応するか、抗うか――。

私の選択が、これからを決めるのだろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ