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街での実験

「……じゃあ、負けた人が実験台ね」

じゃんけんの結果、負けてしまったのは佐伯先輩だった。


「わ、私……?」

驚きと戸惑いを浮かべる先輩に、私たちはそっと頷いた。


「でも、無理はしなくていいですから……」美咲が心配そうに声をかける。

楓も「そうですよ、佐伯先輩。大丈夫ですか?」と続けた。


佐伯先輩は小さく笑い、「……平気。やってみる」と自分に言い聞かせるように返す。

その日の彼女はあえておむつを外し、水色の下着を身につけていた。

ただ、その選択が余計に彼女を不安にさせていることは明らかだった。


人通りの多い街の歩道。

周囲ではスカートの女性もジーンズ姿の女性も、当たり前のように失禁している。

笑いながら、会話しながら。


けれど佐伯先輩は違った。

足をすり合わせ、膝を震わせ、必死に体をこわばらせていた。


「……やっぱり……出ない……」

声がかすれる。


美咲がそっと彼女の背に手を添える。

「先輩、無理しないでください」


楓も頷き、「今日はやめておきましょう」と優しく言った。


私も二人の言葉に同意した。

「そうだね……。やっぱり今日は引き返そう。オフィスに戻って、おむつを取りに行こう」


そう提案して、みんなで歩き出そうとしたその時だった。


「……っ!」

佐伯先輩の表情が歪む。


「だ、だめ……もう……」


次の瞬間、アスファルトが徐々に暗く染まる。

太ももを伝う熱い流れがストッキングの内側を滑り落ち、アスファルトへと滴り落ちていった。


「……っ、やだ……」

堪えきれず、先輩の瞳から涙がこぼれた。


その時、視界の端に別の女性の姿が入った。


しゃがみ込んでスカートを押さえながら、道の真ん中で失禁を始めた女性。

私たちの同僚、萌だった。


普段はおとなしめで、声を荒げることもない彼女が――頬を真っ赤に染めながら。


「……え……?」


美咲が驚いたように息を呑む。

楓も呆然と口元に手を当てていた。


萌は膝を寄せたまま顔を伏せ、スカートの下で失禁を続けていた。

アスファルトに広がる水たまり。

彼女の肩は小さく震えていて、その表情には確かな羞恥が刻まれていた。


「……見ましたか……?」

私は小声でつぶやく。


佐伯先輩の羞恥が、萌に伝わった――そうとしか思えなかった。


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