昼休み
午前中からずっと、下腹部に重たい圧迫感が溜まっていた。
朝に一度トイレへ行ってから、会社では楓の視線が気になり、どうしても個室に向かえずにいたのだ。
(……そろそろ限界だな)
昼休み、私はようやく席を立ち、トイレへと向かおうと廊下を歩き出した。
そのとき――
「先輩、どこ行くんですか~?」
背後から軽やかな声が響く。振り返ると、楓が小走りで近づいてきていた。
「……トイレだよ」
私は努めて平静を装う。だが、膝をわずかに擦り合わせる自分の動きが、かえって嘘を暴いている気がした。
楓はじっと私を見て、首をかしげる。
「お腹痛いんですか? でも……先輩、おしっこ我慢してますよね?」
図星を突かれ、思わず息を呑む。
「な、なんで……」
楓は小さく笑い、しかしその太ももをぎゅっと閉じていた。
よく見ると、彼女の右手はグレーのズボンの股間に押し当てられている。
「私も、もう限界なんですよね~」
そう言って、彼女は一歩前に出た。
「だから……先輩も、私と一緒にここでしちゃえばいいじゃないですか」
そう告げると同時に――。
楓の表情がわずかに緩んだ。
じわっ、と。
彼女の指の間からズボンの股間に暗い色が広がっていく。
すぐに筋を描いて太ももへ伝い落ち、廊下の床に雫が散った。
「……あぁ、出ちゃった……。」
楓はためらいなく、私の目の前で失禁を続けている。
廊下に小さな水溜まりが広がり、かすかな温気が漂った。
私は凍りついたように立ち尽くした。
羞恥心で胸がいっぱいになり、喉が渇く。
(……どうして、みんな……こんなふうに平然と……)
楓は濡れたズボンのまま、にこりと笑って私を見上げた。
「ね、先輩も一緒に……楽になっちゃいませんか?」
――尿意はもう限界なのに。




