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見えない悪霊

戒の言葉に惑わされる隆鷗。戒は香舎家の間者なのか?やがて驚愕な真実が明らかになる…。


 本堂から聞こえてくる、激しい音に怯え、かいはずっと蹲っていた。

 「そんなに外の様子が怖いのか?」と、しゅうが呆れたように言った。「僕はずっとお前が来てからというもの仲間外れだ。いったいお前は誰なんだ?突然、現れて、なんと…生まれながらに術が使えるなどと…」

 「うるさい。出て行け」と、かいが怒鳴る。

 「わたしは寿院じゅいん様がお前を守っているので、守っているまでだ。お前の言うことなど聞かんわぃ!」と、しゅうかいを睨んだ。

 それから戒は黙った。外にいる男と闘っている紗々(さしゃ)をひたすら待っていた。自分を守る為に闘っている紗々(さしゃ)に、これまで覚えたことのない不安を覚えずにはいられない。紗々(さしゃ)が傷ついたらどうしよう…。


 ずっと睨みつけているしゅうの目を、戒は時々見てみた。やはりしゅうにはひとつも術が効かない。


 この男、何者なのだろう?何故、この男には術が効かないのだろう。


 ひとが見えないところで目ん玉のお化けが死闘を繰り広げているのは戒にも分からない。ただ、自分の能力が無能化されるのはやはり怖い。物心ついた頃から持っていた能力だ。能力が無くなってしまうことは自分が無意味な存在になってしまうからだ。しかし、紗々(さしゃ)に出会ってから、少しばかり戒の心が移ろいでいた。


 紗々(さしゃ)の顔を見れない。紗々も戒の視線を避けているのが分かる。それが少し寂しいと思うようになった。


 寿院じゅいんが術にかかると分かっているのに、真っ直ぐに目を見てくる。術にかかる前のわずかな瞬間、寿院はすごく優しい目をする。戒は、そんな目を見たことがなかった。あの目をもう一度見てみたい…という気持ちを抱いてもいいのだろうか?


 戒がいろいろ考えている間に、何故か、秋がうたた寝を始めた。

 そんな時、ひょこっと隆鷗たかおうが部屋に入って来た。


 「あれっ?秋君は寝ているのか?戒を守ると偉そうに言っておきながら、この様か…?」と、隆鷗が呆れる。

 秋は、床に貼った呪符のことを、寿院にどんな言い訳をするのだろうか?

 隆鷗は、まだ寿院が考えているほど、深刻に考えてはいなかった。


 「こんなの関係ない。私を守る…?この男が?笑わせるなと言いたい…ふふふ。こんなの居てもいなくても何も変わらないな。ふふ…でも、なんでだろう?私の術が一向にかからない」戒は最後は呟くような小声で言った。

 「秋君のことは気にしなくても大丈夫。術がかからなくとも君に危害を加えないから」と、隆鷗が軽く笑いながら言う。

 「いや、危害とかではないけど、こいつはやかましい。むしろこいつに一番術をかけたい。術をかけて、逆立ちして、何日でもずっとそこにいろ!と命令したい!」と、戒が毒づく。

 「あっ…!それは是非お願いしたいです」と、隆鷗が呟いた。

 「ねぇ、お前、私の術が解けるのなら、目が合うと、術がかかってしまうことを根底から失くしてしまうことは出来ないの?」と、戒が言う。

 「それは、君がもう術を使えなくなることだよ。て言うか、目が見えなくなるかも知れない。それでいいの?」と、隆鷗が驚いて尋ねた。

 「目が見えなくなるのは嫌だ…でも…術は…術…を失うのは不安に決まっている。この術によってこれまで生かされてきたのだから。でも、私は紗々(さしゃ)さんの顔も見れない。寿院が…話す時、真っ直ぐ目を見てくる。なのにすぐに術にかかって心を失った空っぽの目になってしまう。私は心ある者の目を見たことがない」と、戒が戸惑いながら話した。

 「心ある者の目を見たいの?」と、隆鷗が尋ねた。

 「………」

 「心ある者の目を見たことがないんだよね。君にはそれがどんなものか分からない。君に従う者は皆、心を失った空っぽの目だ。そんなふうに思うようになったのは、ここのところいつもいる紗々さんの影響かな?そんなに長く一緒にいたわけではないのに、そんなに紗々さんが好きなの?」

 「好きとか…そんなのは分からない。でも、目が合わなくとも紗々さんはいつもいつも抱きついてくる。その瞬間、あったかい。なんだかほっとする」ずっと俯いたまま喋る戒。

 「わたしには想像できないな。誰とも目を合わせることのなかったこれまでの君の人生…」

 「うるさいな。どうせお前には家族がいるのだろう。余計なことを言わなければ良かった。意味がなかった…」と、戒がそっぽを向いてしまった。

 「意味がなかったなんて、そんなことを言うなよ」隆鷗は小声で呟くと、会話をやめてしまった。

 しかし、戒が話しを続けた。

 「本堂が静かになった。すごくうるさかったけど…香舎家の者が来たと、思ったけれど、誰が来たの?」と、ぽつりと戒が言った。

 「ああ、香舎家の者だ。名乗りはしないが、冷酷無残な剣の達人を弟と言っていた。冷酷無残な剣の達人とは香舎家の者だ」

 「そいつは香舎菊之丞だ」と、戒が言う。

 「もうひとりの弟を連れて、白蛇に憑かれているから祓ってくれ。と、寿院の客を装ってやって来た。数名の私兵も連れていた。紗々さんは私兵と闘っているのかもしれない」と、隆鷗は答えた。


 戒は、暫く黙った。


 「それはおそらく流彗りゅうけいだ。そして、弟を連れていると言うのなら、それは弟ではなく従者だ。香舎家は三人兄弟だ」戒が言った。

 「えっ、七人兄弟だと言っていたと思うけど…」隆鷗が言った。

 「そうだな。後四人はもう死んでいる」

 「そうか。まぁ、嘘ではないということか…」

 「先祖が白蛇を守り神と崇めていた話しはしたか?」と、戒が尋ねる。

 「していたよ。尤もらしく…相手を術中に嵌めるために随分と、上手く語っていた。嘘八百と思えなかったな」と、隆鷗は感心したように言う。

 「馬鹿!何を油断している。嘘ではない」と、戒が言った。

 「えっ?嘘ではないの?」

 「嘘ではない。香舎家の先祖は、蛇を崇め随分と繁栄していた。しかし、欲をかいて蛇を大蛇にするために人を与えてしまったのだ。そのせいで村人から蛇を殺され、先祖の屋敷も燃やされてしまった。それから香舎家の者に蛇が憑くようになった。そう話したのなら、それは本当の話しだ」と、戒が言った。

 「しかし、蛇など憑いていなかったよ。香舎家の者にも、その従者にも…」と、隆鷗はむきになって言った。

 戒が僅かな間黙り込んだ。

 「蛇が憑いていない…?そうか…?もしかして、お前にはそういったモノが見えているのか?私は、お前がどんな力を持っているのか分からなかったが、お前は、人が見えないモノを見る力があるのだな。死人しびとや異形のモノ?私の目から出ていたモノを弾いたり掴んだりしていたのか…私でさえ見えないのに…」と、戒が呟くように言った。

 「えっ?気がつかなかったの?」

 「そうか…?そうだったのか?そしてそれを祓う力があるのか?」

 「わたしには祓うという意味が分からないが、滅することならできる」

 「だから流彗には蛇が憑いているのか、いないのか、分かったんだな。でも、流彗に白蛇は憑いている。私は見たことがある。流彗が呪詛した者を、自分に憑いている白蛇に与え、その者が突然、空中に舞い上がり、地面に落ちてきた。そして死んだところを。でも死んだ者は傷ひとつなかった。あれは、流彗に憑いている白蛇の仕業だ。それに、流彗はかたりなどと、そんなつまらないことをする人間ではないのだ」

 戒は、自信あり気に言った。

 戒が嘘をついているようには見えなかった。しかし、隆鷗には、見えていない白蛇など信じることはできなかった。



 本堂では、つい先ほどまで獅舎ししゃがいた。

 獅舎が言う。

 「お前様が言っている私兵は本物ではない。こんな者たちは私兵とは言わない。米で雇われているただのごろつきだ。痛めつければそそくさと逃げていくだけだ」

 そして、獅舎は気絶しているごろつきを二、三度蹴っ飛ばすと、皆慌てふためいて逃げて行った。獅舎の言う通りだった。

 弟を縛り上げ猿轡をはめると、本堂は静かになった。

 香舎家の者は、呪符に縛られて、身体中に大粒の汗を流しながら、ずっと同じ姿勢のまま動かない。刀を振り上げた状態なのに、刀を離さなかった。

 寿院は、その前で胡座をかいて、香舎の者をずっと睨みつけていた。暫く睨み合いは続いていたが、床に香舎の汗が何滴も溜まっていくうちに表情に疲労が見え始めていた。

 「まだ何刻も経っていないというのに、もう疲れたのか?優雨幻ゆうげん様は何日も同じ姿勢のままだった。その精神力は測り知れないな」と、寿院は言った。

 香舎は、じろりと寿院を睨みつけた。

 「だから…優雨幻ゆうげんなどわたしは知らない。何の言い掛かりだ?」

 「そうか?お前が知らなくともお前の家の者や仲間…は、どうだろうか?」

 「さぁ、知らないな」と、香舎が言う。「全て貴様の邪推だ」

 「そうか?お前が知らなくとも、噂の『呪い屋』の正体はいずれ分かる。少なくともひとつのお家だけでは終わらない。幾つものお家が集まりひとつの郎党が出来た…?お前が全てを知っているとも限らない…。駒にすぎないということもあり得るからな」

 「お前は何様だ。そんな邪推が通ると思っているのか?我らはただ愚弟が大切にしていた阿戒様を取り返しに来ただけだ」と、力無く香舎が言う。

 「わたしもお前に何様だと問いたい。阿戒様だと…。香舎の者は何か思い違いをしている。阿戒様などと崇める者など存在しない。戒は、ひとに怯え、居場所を探しているただの女の子だ。何が阿戒様だ。ひとの能力をあてにしている、ただの能無しの香舎家が何だと言うのだ!」寿院は心なし苛立った。

 「くそっ!」と、香舎は吐き捨てると、声を張り上げて叫んだ。「阿戒様…そこにいるのだろう!阿戒様は六芲ろっかを如何にするおつもりだ。ずっと共に生きてきたのではありませんか?六芲ろっかは阿戒様に拒絶されたことで病んでしまった。毎日、口も聞かずにただぼんやり過ごしておりますぞ。このままでは死んでしまいます。阿戒様いらっしゃるのでしたら出て来て下さい」

 「六芲ろっか…?六芲とは陰陽寮にいた間者か?ふーん?香舎六芲か?いくら叫んだところで拒絶したのは戒自身だ。あまり人を甘く見るな。じっと戒は、香舎家の者を見ていたのだ。その答えを今出したのだ」と、寿院が言った。

 「お前こそ人を舐めてはいけない。阿戒様は物心ついた時からずっと六芲ろっかと共に生きてきたのだ。じょうがないとでも…?我らから逃げているように見えるかもしれないが、心の中まで見えやしないだろう。阿戒様は六芲が好きなのだ。騙されているのはお前たちだと気づくにはまだ足りないか…」と、自信たっぷりと香舎が言った。



 戒が黙り込んだ。声を張り上げた香舎の言葉は戒にも聞こえていた。

 「流彗と、菊之丞といる時は、私はいつも目隠しをさせられた。やつらは私が嫌いだ。言葉で言わなくても分かるくらいだった」と、戒が言った。

 「でも、六芲は好きだった…?」隆鷗は尋ねた。

 「六芲とはいつも一緒だったよ。六芲は優しかった」戒が言う。

 「でも、君は六芲がここに来た時、怯えていたよね。どうして優しかった六芲を拒絶したんだ?」

 戒は答えなかった。そして、それから戒は黙った。


 見えない白蛇…?

 流彗が呪詛した者が突然死んだ…?

 いや、憑いている白蛇が見えないなんて考えられない。


 「ねぇ、香舎流彗のところに行かないの?」と、隆鷗は尋ねた。

 「どうして?流彗は嫌い。…と言うより、怖い」と、戒は答えた。

 「でも、君を呼んでいる」

 「厭…。香舎家に連れ戻されてもいいの?」

 「だから、何度でも言うよ。寿院もわたしも君の選択の邪魔はしない」

 「厭、行かない!」

 「分かったよ。もう言わない。わたしはちょっと行ってみるけど、秋君、すぐに起きると思ったけど、うたた寝と言うより、しっかり寝ているな。君一人になってしまう…」

 「ふん…構わない!じきに紗々(さしゃ)さんも戻ってくる」


 隆鷗は、寿院のところに戻って、香舎流彗に対して、見落としはないか、上から下までしっかりと見つめた。

 「戒の様子はどうだった?」と、寿院が尋ねた。

 「うん、この人の言葉は聞こえていた。すごく怯えていた。この人、香舎流彗って言うんだって。それに戒が言うんだ。この人はひとを騙したりする人ではないんだって。そして白蛇は、こいつ…あっ、こいつは戒が言うには、弟じゃなくて従者だと。こいつではなくて、香舎流彗に憑いていると…」

 「いやいや、隆鷗君、今の言葉の中にいろいろ矛盾があるのだが…。香舎流彗という名は了解した。しかし、こいつが弟でなく従者で、白蛇がこいつでなく、香舎流彗に憑いていると言った時点でいくつ嘘をついた?それで、どの口がひとを騙したりしないなどと言う?」と、寿院が呆れて言う。

 「あっ…?」と、隆鷗は苦笑した。「でも、戒が言うんだ。先祖の話しは本当で…。香舎流彗が呪詛した人を、自分に憑いている白蛇に与えた…。そしたら突然、空中に舞い上がり、地面に落ちてきた。その者は死んでいて、傷一つなかった。と、言っていた」

 「へぇー?突然、空中を舞い、地面に落ちて、死んだ。そして、遺体は傷一つなかったと…なんか…光景が目に浮かぶ……高倉家の若様の遺体は往来が激しい通りに野晒しになっていたという。身体には傷一つなく。死因が特定できなかった。まるで本当に呪いにでもあった遺体だったという…」寿院はぶつぶつ呟いた。


 「でも…寿院。頭が混乱しているんだ。わたしには白蛇は見えない。あの香舎流彗に白蛇どころか悪霊も死霊も見えないんだ。なのに…何故…」と、隆鷗も呟く。


 「おいっ!何をコソコソしているんだ?そこの餓鬼、ぶつぶつ言ってないで、阿戒様をここに連れて来い!」と、香舎流彗が怒鳴る。


 隆鷗は、香舎流彗を睨んだ。

 見えない。白蛇など見えない。なのに何故、突然空中に舞い上がり、人が死ぬ?


 「隆鷗君。わたしは君を信じているよ。君に見えないのなら、流彗はやはり何らかの手を使って呪詛を謀っているということになる。もしかして、戒は君を惑わせているかもな。もしそうなら、戒の本心も分からない。うたさんの家族を後一歩で壊していたところだったからね。ここには何らかの目的があってついて来たのかもしれないね」と、寿院が言う。


 隆鷗は香舎流彗を見た。じっと見つめた。

 しかし、見えない。

 隆鷗の強い視線を感じた流彗は、一瞬、不思議そうに隆鷗を見つめ返した。

 「なんか…、お前妙だな。妙な気を纏っている。白蛇様が先程から騒いでいるのは、お前のせいか?」と、流彗が言った。

 「白蛇様が騒いでいるだと…?」見えない。白蛇様など見えない。「それは本当の話しなの?いったい白蛇様は何処にいるんだ?」

 「お前になど見えるわけはない。おそらく白蛇様はお前を欲しがっているようだ。お前喰われるぞ」と、流彗が不気味に笑った。


 隆鷗に緊張が走る。そして、寿院が隆鷗を守るように、流彗との間に立ちはだかった。

 「寿院、大丈夫だよ。白蛇は見えない。寿院がいれば惑わされない」隆鷗は強い視線を流彗に向けた。「でも…多分、このままでは終わらないと思う。信じられないことだけど、今感じたんだ。青斬刀が、分からないけどいつもと違う。熱を感じる」

 寿院は、隆鷗の腰に差した青斬刀を触ってみた。

 「確かに熱い。それにどことなく鈍い光を放っているように見える。何かと共鳴しているのだろうか?」

 そして、流彗の様子が次第に変化していく。ひどく苦しそうだ。


 「寿院…。何か分からないけれど、何かが起こるかもしれない」と、隆鷗は緊張して、思わず青斬刀を抜いた。

 流彗がひどく苦しがっている。

 「ねぇ、どうしたの」と、隆鷗は流彗に尋ねた。しかし、何も聞こえていないのか、少しだけ隆鷗を見たが、何も答えなかった。

 流彗の背後の空間が、隆鷗には歪んでいるように見えた。


 「隆鷗君、何かが起こったら可能な限りわたしに聞かせてくれ」と、寿院が言う。

 「分かった。わたしの見間違いでなければ、流彗の背後の空間が歪み始めた。何だろう?これ?」

 空間に一本のひびが入ったような線が見えた。そして、それが歪み膨れ上がっていく。隆鷗は、それをほぼ同時に寿院に伝えた。

 苦痛に顔を歪めた流彗にも時折隆鷗の言葉が耳に入っているのか、驚いた表情を見せるが、それは微々たる瞬間だった。


 流彗は何故こんなにも苦痛に顔を歪めているのだろうか?ひび割れた空間と同化しているのだろうか?


 やがて、空間は裂け始め、黒い闇が見えた。

 それは麓の屋敷の、鬼を模した人形を壊した時に現れた黒い闇とよく似ていた。

 それを伝えると、寿院が言う。


 「異界か?この世界とは違う、別の世界の入口だな」

 それは、隆鷗が言いたいことを明確に表現したぴったりの言葉だった。


 やがて、異界から白い大蛇が現れた。

 「異界から異形のモノが現れたか?」と、隆鷗から状況を伝えられた寿院が言った。

 「えっと、のんびり状況を伝えている場合ではないようです。でかいです…」と、隆鷗は言った。

 「青斬刀で斬るのか?」

 「斬ります」

 「できるか?」

 「分かりません。でかすきて…」


 大蛇は鎌首をもたげ、隆鷗を狙っていた。隆鷗は、青斬刀を構え直した。しかし、身体が大きい割に、大蛇の動きは素早くて、鋭い。あっという間に隆鷗の身体は大蛇にぐるぐるに巻きつかれ、締め付けられた。


 「寿院、大蛇に巻きつかれた。締め付けてくる。く…苦しい…」

 「青斬刀を渡せ!わたしが斬る!」

 「身体が動かせない。寿院、助けて…」

 「隆鷗…隆鷗…必ず助ける…必ず…」

 「こんなの始めてだ…!油断するなと戒が言ってたのに…」


 寿院はいつになく焦った。心の眼を使って、隆鷗が伝えた言葉を胸に刻みながら、隆鷗がいる世界を見ようと試みた。しかし、心の眼で見るも、全く嵌まらない。寿院の額から大粒の汗が溢れて出てきた。

紗々が戻って来ない!戒は心配で仕方ない。その傍でぐっすり眠る秋に苛立ちながらも、ずっと心配する戒。一方、本堂では隆鷗と寿院が異界から現れた白蛇と闘う…。果たして…。


次回、タイトル未定。


※書き上げたデータがあっという間に消えてなくなるという恐怖を味わっております。新たに書いておりますが、消えたデータと同じに書いてしまうのはモチベーションが下がってしまいますので、未定とさせて頂きます。ご了承下さい。

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